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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

自宅の光回線(マンションVDSL)が全断した話 (3/3) Day2の復旧するまで

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実はONU直下から手前のネットワーク機器周りの保守を割と直近まで数年間担当していた私。いろんな障害に出会ってきましたが、最近遂に自宅のネットワークが落ちる障害に出会いました。結論から言うと、引き込んでいる光回線自体の物理障害。

今回はその3回目(最終回)。
実際の復旧作業のお話です。

Day2 13:20

対応担当の日本コムシスの方から電話。

「あと30分から40分くらいで到着できます」
「了解です!表まで出ますので到着したら改めてご連絡ください!」

まだ解決したわけでは無いですが、かなり安心します。私自身ONUから内側のネットワークについては工事から機器設置から保守対応から何でもやってきましたが、正直責任分界点の向こう側を対応される方ってやっぱりシッカリしていて私としては強い信頼感は持っています。早く来てほしい。

Day2 13:50

「到着しました!」と電話。慌てて建物の入口に飛んでいきます。管理人さんもでてきてくれていて、車両を入口の車寄せスペースに。そして車両なんですが、高所作業のためのバケット車です。架空線を触る可能性がある障害ということです。

「MDF室の鍵あるんですよね」と聞かれてにっこり見せます。そしてMDF室へ。

「VDSLモデムのLEDってどうなってます?」
「ACT以外は普通に緑点灯ですね」
「VDSL LINEは緑点灯ですか?」
「はい。点滅とかじゃないです」
「あーなるほどわかりました」

この時点でVDSL集合モデムの上位であることが確定です。ということで、MDF室に入るとすぐに光ファイバの配線を確認し、対抗する局側の担当の方に電話をかけてVDSLモデムにつながる光ファイバの光のレベル測定・・・を始めたのですが、全くレベルが低くてエラー。光が通っていません。

空いているファイバでもテストしますが通りません。MDF室室内の状況を再度確認しますが、別に触った形跡もありません。どうやら問題は外のようです。

「多分外なんですが、もう少し確認します。多分これから1時間では済まないとは思います」
「了解しました。よろしくお願いします。」

ここまではMDF室の入口で立ち会っていましたが、一旦自分の部屋に戻ります。しばらくすると外から車両が移動する音が聞こえました。なんとか日が暮れるまでに障害箇所にたどり着いてくれると良いのですが。

Day2 16:00

どこまで辿っていったのか、外に出てみると、割と近くの架空クロージャー(光ファイバーの接続点の黒い横長のボックス)のところにバケット車が止まっていて、先程の作業員の方が上で作業しています。まだです。

Day2 17:00

もう一度出てみました。そうするとちょうど作業員の方... なんですが、最初に来られて上に上がってるのと別の方が測定ツールのバッグを持ってこちらに歩いてきました。

「あー、ちょうど良かった。MDF室で確認取ります」
「障害特定できました?」
「多分もう大丈夫です。」
「宅内のVDSLモデムのLEDを確認されます?」
「局側から見えてるので大丈夫ですが念の為お願いできますか?」

家の中に入ってVDSLモデムを見ると、正しく点滅しています。

「復旧してます!」
「わかりました。MDF室の確認して、これで作業終了します」

どうやら応援の方を呼ぶほど大事になっていました。そして最初に来られた方から最終的な作業終了連絡を頂いて終了。時計を見ると17:30。
復旧です。

めったに出会うことのない障害対応の場

このような障害対応って普段出会うこともないし立ち会うとかも普通であれば無いと思いますが、これが仕事で保守やっているとそこそこ出会いますし、中には復旧に数日かかるような大規模な障害に出会うこともあります。出会わないのが一番幸せなのですが、ネットが快適に使える裏側でネットワークを設計し、敷設し、運用し、保守している人たちが居るのは広い意味で長く通信業界にいるとよく分かるし、それぞれの現場できちんと仕事をしてくれているからこそ使えるものであるというのを自分自身何度も見ています。大きな障害の対応記事とか見て涙が出たのは実は一度や二度ではないです。

もちろん自分が仕事として対応してきた上でそういう気持ちを持って対応してきましたし、だからこそ今回対応していただいた電話の先の窓口の方、局側で対応していた方、そして現場で作業していただいた担当者の方といった皆さんに感謝しかないです。

通信は必ず何かしらのモノを媒介にしていますから、論理的あるいは物理的になにか起きることはあります。障害はゼロであることが理想ですが、どうしても起きます。

そんなときにきちんと対応できることが大事だと思っています。
仕事を離れた場でそういうのに触れられた良い経験でした。


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自宅の光回線(マンションVDSL)が全断した話 (1/3) Day1 障害発覚

自宅の光回線(マンションVDSL)が全断した話 (2/3) Day2 夜明け前から対応着手まで

自宅の光回線(マンションVDSL)が全断した話 (3/3) Day2の復旧するまで

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