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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

さて、Googleの1Gbpsファイバーをサービスするぜ宣言をどう理解する?

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Googleが米国で1Gbpsのファイバーをサービスとして提供するぜ、というアナウンスをブログを通じて行いました。

さて、これをどういう風に理解するか。これがちょっと問題。

 

確かに1GbpsでFTTHっていうのは刺激的

TechCrunch日本版に掲載されたのはこちら。日本語での抄録です。

日本ですら、とりあえずまだ一般的には上限100Mbps。やっぱりアメリカ凄い!と思う向きもあろうかとは思うのですが、実はここはチャンと見なきゃいけない部分があります。本文中から抜粋すると・・・

We'll deliver Internet speeds more than 100 times faster than what most Americans have access to today with 1 gigabit per second, fiber-to-the-home connections.

と言う部分。Techcrunchに掲載された日本語訳だと・・・

問題はこの文中の「100倍速い」って言うところ。ココが肝です。日本の状況を考えると米国なんてもっと凄い通信環境があるんだろうと思う向きも多いのですが、色んな歴史的経緯やら何やらがあるんで、実は非常に特殊な地域を除いて日本の状況に較べて非常に劣悪とも言えるネットワーク環境ってのが普通なんですね。コレ、以外と知られていません。

たとえば、オルタナブロガーの岸本さん米国 でブロードバンドのサービスを確保するのも楽じゃないというエントリーで紹介しているように、実は非常に凄い世界があります。これは有線でも無線でも実は似たような状況なのですが、それを踏まえないといろんな事を誤解したりします。

まぁ、いずれにせよ、GoogleがアメリカでGoogleじゃないと出来なさそうなことをやろうとしているのは事実。ただ、単に貸し出すんじゃなくて事業として動かすとしたら、どういう枠組みと組織でやるのかな?と一応通信屋なので気にはなります。

 

ということで、ちょっと一歩引いてみるという姿勢が大事なわけで

別に日本って実は凄いんだぜとか、アメリカだめじゃんとか言う話ではありません。ただ、日本、アメリカ、そしてたとえば中国にしてもインドにしてもドイツにしてもイギリスにしても・・・各国それぞれの事情で出来上がっている通信ネットワークというインフラと、そこで展開されるサービスは、たとえ通信規格あるいは媒体としての伝送路の物理的な資源などが同じであっても、全く違う姿でソコに存在していることって良くあります。

これは良し悪しとかではなく半分結果論ですが、そうなるべき流れがソコにあるからなんですね。だから、どこの国のどういう状況でどういう規格がどのように使われているかとか、どんなサービスが求められていて実際にどう展開されてるのか・・・ なんていうのは参考にはなりますが、背景を読み間違えると結構派手に誤解してしまう事も良くあります。

お気をつけあれ。

 

なんて大口叩いているワタシ自身も、自分の専門外では間違いなくいろんな事を自分で曲解してるんだとは思います。素直にそう思います。だからこそ、「とりあえずモノゴトの裏側ってどうなってるんだろう?」とか、「なんでこうなっちゃってるんだろう?」とか、あるいは「なんでこういう風にやりたがってるんだろう?」などなど、考えることは止めちゃだめだよね、というのが最近改めて痛感する事。

そう。考えるのを止めちゃいけないですよね。

 

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