オルタナティブ・ブログ > ITとビジネスの可能性 >

ITとビジネスのおいしいところを考察 ~ ときどき開発業務改善ネタ

アジャイルのカタとは何か

»

科学的思考に基づく「アジャイルのカタ」

アジャイルのカタ(Agile Kata)は、変化を乗りこなし、個人、チーム、組織全体が適応力を養うための実践的で繰り返し可能な共通パターンです。これは厳格であったり、規範的であったりするプロセス手法ではなく、目的のある実験を通じて進歩を導く、科学的思考に基づいています。

その中核となるパターンは、課題を定義し、現状を把握し、次の目標を設定し、そこに向かうための実験という4つのステップで構成されています。このリズムを繰り返し続けることで、新しい習慣が生まれ、焦点が明確になり、レジリエンスが養われます。

スクリーンショット 2025-04-25 10.15.15.png

アジャイルのカタは、作業のやり方を規定するのではなく、チームが共に考え、学ぶ方法を改善するのに役立つものです。

実証できる進捗

武道に根差した「カタ(型・形)」とは、熟達に至るまでの構造化された反復実践のことです。アジャイルのカタは、この原則を仕事の現場に適用し、新しい習慣を身につけ、共有学習を促し、本当の進歩を推進する実証済みのやり方を提供するものです。

これは、フレームワークや万能なソリューションではありません。むしろ、チームが課題に明確に対処し、エビデンスに基づいて意思決定を行い、実験を通じて改善を行うのに役立つ実証済みのパターンなのです。

業界やチーム構成に問わず、アジャイルのカタは再現性のある結果をもたらします。これにより、人々は意図を持って仕事を行い、自信を持って適応し、一歩ずつ考え方を進化させることができます。これは複雑さではなく、よく実践された習慣のシンプルさによる威力です。

熟考する

アジャイルのカタは、スクラムやカンバンのようなプロセスフレームワークではありません。役割やフローを定義するものではなく、課題に直面したときの考え方や行動のパターンを刷新するものです。

フレームワークとは構造を提供するものですが、カタは考え方を構築するものです。一貫した実践を通じて、チームは内省、実験、エビデンスに基づく意思決定の習慣を身につけます。チームは承認や規範的な役割を必要とせず、自己組織化し、より効果的に協力し合い、目的を持って適応させることを学びます。考え方を変えることで、チームはより創造的、意図的になり、共有されたオーナーシップを持って仕事を始めることができます。

カタは、フレームワークに取って代わるものではありません。人々がフレームワークを超えて成長するのを手助けするものです。

アジャイルのカタの活用

アジャイルのカタは、共通パターン(カタ)であり、変化に対応する考え方を養うものです。したがって、複雑な世界において実践を通じて習慣を身につけ、アジャイルをより効果的に実践し続ける際に役立てることができます。チームや組織のアジャイルに対する成熟度が如何なる状況であってもすぐに始めることができ、効果を実感し、学習しながら推進することが可能なアプローチです。

  • アジャイルやアジリティへの備えとして今すぐ始めるために活用する
  • 現在採用しているフレームワークをより強化するために活用する
  • フレームワークの「守」を超えて、極めるために活用する
  • フレームワークと従来のやり方とのギャップを埋めるために活用する
  • 「自分たちはアジャイルなのか」の問いに対して活用する

アジャイルのカタ認定研修

アジャイルのカタの認定研修(Agile Kata Pro認定研修)を定期的に開催しています。また一社様向けプライベートでの認定研修も承ります。難しいことを身につける前に「考え方」を身につけたい個人、チーム、組織はぜひご検討ください。

Comment(0)