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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

デトロイト・モーターショウの夕暮れ

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イベントの世界でとにかく気合が入るのが、モーターショウ。特に通称「世界5大モーターショウ」と呼ばれるもので如何にプレゼンスを示すかが、自動車業界のひとつの評価でもある、というかあったわけですが・・・

 

日産、三菱、スズキがデトロイト・モーターショウを欠席

欠席というと変ですが、北米市場のみならず世界市場へのプレゼンスのひとつの大きな柱であった来年1月開催の次回のデトロイト・モーターショウに出ないという発表が昨日ありました。より販売結びつきやすいほかのモーターショウなどへのシフトや、他の施策へのシフトが理由です。いや、まるでここ10年くらいのIT系のイベントの盛衰と同じ流れを取りそうな雲行きです。

もともとは北米自動車産業の中心地であるデトロイトでの開催は、現在のGMやクライスラー、フォードといったメーカーの一大御披露目大会であったわけですが、実はデトロイト自体はそれほど大きなマーケットではなく、しかもいまやそれらビッグ3ですら政府の支援を求める状態です。不景気自体は同じですから、限られた資源からどうやって最大限の効果を得るかを考え直す一環で、デトロイトが落ちたと言う流れ自体は自然なのかもしれません。

 

因みに5大モーターショウとは?

通称で言うと、デトロイト、パリ、ジュネーブ、フランクフルト、そして東京が一般的に5大モーターショウといわれるものです。実はそれぞれイベントとしての本名がありますが、報道などでも殆ど一環して開催地の名称で呼ばれることが多いはずです。

もちろん夫々に歴史的な経緯と意味があるのですが、かつてIT系のイベントで言うとCOMDEXやINTEROP、日本のビジネスショウなどが歩んだのと同じような選別の嵐に巻き込まれることになるんでしょうね。モーターショウでいうと、中国は市場性から言っても非常に重要な位置づけになってくるのは間違いありませんし。

 

微妙なのはその周りで仕事をしている人たちで・・・

実はIBM時代に米国のイベント制作代理店に出向していたことがあります。この代理店、世界でも数少ないイベント専業のAgencyで、IT系企業の仕事も手がけますが自動車関係の展示会での制作シェアは(おそらく今でも)世界最大。デトロイトではある時期には最大で7割以上のブースの制作を事実上独占して担当していました。私は米本国や欧州法人を含めこの会社で自動車系を担当していた人は殆ど知らないのですが、米国のメーカーがこの状態だし、展示会云々なんて状況でなくなると・・・

人のことを心配している場合ではないですが、とりあえず袖すりあうも他生の縁ということで、少しだけ心配になります。心配しても仕方ないのですけど。

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