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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

Windows Phone 7.5は「SNSマッシュアップ機」という概念で理解できる

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おはようございます。

会社で入手したIS12Tを週末越しにいろいろといじっていました。これも「辛~い」お仕事の一環なのですよ。何せ細かい文字を見る目が辛いし。。(汗) 

でも、新しい端末の概念を肌で理解することって、とても大切なことなのですね。だから、やめるわけにはいきません。今後も頑張ります!

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■いったい何に使えばいいのだろう?

Windows Phone 7.5。とても滑らかに動くトップ画面の優雅なインターフェースの割には、取扱いに少し困ってしまいました。何せ、初代機が出たばかりです。まだまだ、次のような制限事項があります。

・ Flashのウエブページに非対応。NHKオンデマンドにも使えない(笑)。
・ Twitter用の使えそうなアプリがまだ無く、Android版TweetDeckに戻ると「ほっ」とする。
・ Officeファイルがサクサク扱えるといっても所詮Mobile Officeである。
・ 標準のマップは精度が荒く英語で出てきてどうにもこうにも使えない。
・ CACHATTOも未対応、VPNも未整備で会社へのアクセスができない。
・ ゲーム機として使うのも、時間が惜しい。
・ FMラジオレシーバー?

メールやウェブやYoutubeを見るのであればAndroid端末やiPhoneで充分です。TwitterやらFacebookなども、普段使い慣れているアプリの方が安心感があります。会社アクセスのCACHATTOのアプリもスマートフォンの大きな価値の一つです。それらが全部無いのです。

「いったい何に使えばいいのだろう?」
「いったいどういう人が使うのだろう?」

こんな疑問が湧くのが、最初にしばらく触ったときの正直な気持ちでした。
その上、いかんせん、とっつきづらいのです。なかなか使えるようにならない。

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■SNSのマッシュアップという概念

なぜとっつきづらいのか考えてみました。

iPhoneは初代機デビューから4年経っています。乱暴な言い方をすれば、Android機は概念的にiPhoneのUIをヒントに、それを一部発展させたものです。故に、iPhoneもAndroid機も基本的な設計が古いのです。

それと比べると、Windows Phone 7は、それまでのWindows Mobile 6.5までが大不成功機種であったために、過去の資産に引きずられることなく、ゼロから設計ができたのでしょう。新しいのです。

古いことがいい、新しいことがいい、というつもりはありません。ただ、この4-5年で大きく変わったことがあります。それはSNSが世界中で広く使われ始めたということです。

スマートフォンはTwitterなどのSNSが普及するのに大いに貢献したと考えます。場所を問わずに社会と関わり、さらに、使いやすいインターフェースを備えているという意味で、スマートフォン無しではSNSがここまで普及しなかっただろうとも思っています。

iPhoneが設計された当初は次の機能を網羅したものでした。電話、メール、ウェブ、Youtube、マップ、カメラ、iPod、SMS、連絡先、メモなどのユーティリティ。その当時は、複数メールアカウントが一つのメーラーで扱えるという概念ですら新しかったです。

そして、それと同じことがWindows Phone 7で、次元を変えたところで発生しているのです。

Windows Phone 7は、設計時期が新しい分「SNSありき」で設計されています。故に、FacebookやらTwitterやらのSNSからデータを自動取得して、マッシュアップしてユーザーに電話の基本機能として見せているのです。いわば「SNSマッシュアップ機」なのです。

1サービス1アプリという設計のiPhoneやAndroid端末とは違う概念を持っているのです。だから、「とっつきづらい」と感じるのです。

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■例えばFacebookは巨大な近況写真付きディレクトリ(連絡先帳)という扱い

この端末で、意外と楽しめてしまったことがあります。

それはFacebookの写真が自分の端末に自動的に保存できてしまうことでした。Picturesのアイコンに行き、「人物」を選び、連絡先から人を選ぶと、その人がFacebookに上げてある写真たちが自動的に手元へとやってきます。つまりアルバムを部分的にクラウド経由でシェアできてしまうのです。

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誕生日のデータしかり、住所しかり。自分に見えるようになっている情報が手元に自動収集されます。その様は見ていて、まさにSNSを手元の連絡帳作成のためにデータベースとして使っているというものです。プライバシー面などがちょっと怖いくらいですよ。

Facebookには懐かしい面々もいます。その人たちの近況を知りたいがために使うこともあります。ところが、パソコンでアクセスしたりすると、いろいろな発言をついだらだら見てしまう。そうするとそれに膨大な時間がかかってしまいます。いわゆる「時間の吸血鬼」ですね。

ところがこのWindows Phone 7のインターフェースだと使い方が変わってきます。ちょっと時間が空いたときに、その人の様子を事前にチェックしてからコンタクトするというようなことがすぐにできます。近況写真付きの連絡帳、といった感覚です。

正直なところ、ブラウザーやiPhoneのアプリでも同じことはできます。ただ、行ったり来たり、手順が多数かかったり、知識を要したりします。ここまで機能としてSNSを取り込んでいるのが、Windows Phone 7の新しいところなのです。

とっつきづらい端末であるものの、SNSと融合した意欲的な端末として、ちょっと未来を見させてくれました。

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※20110830 11:20 てにをは修正をしました。SNSが取り込んで→SNSを取り込んで、のっです→のです

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