残酷な事実、お金も時間もかかるビジネスモデル構築
おはようございます。
寒い日の朝からの雨。さすがに始発電車が少し空いています。
今朝は、昨日話をしている中から得た一つの概念について考えてみます。
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■お金も時間もかかるという見逃し勝ちな事実
『製品が不変でビジネスモデルを変える』のか。
『ビジネスモデルが不変で製品を変える』のか。
このどちらがいいのでしょうか?
製品を創るのにはお金も時間もかかります。
故に製品を創ったら、それを何としてでも売りたいと思うのが人情です。製品が売れないのは、その売り方が悪いからだと考えるわけです。売り方を様々に変えながら、さらには売る先を変えながら、その製品を売ろうとします。
例えば本を書いたのであれば、その本を如何に売るのかということを考える。車を作ったのであれば、それをどのように宣伝して売るのかを工夫する。プロダクトアウトの考え方です。
一方、ビジネスモデルを創るのにもお金と時間がかかります。
ビジネスモデル創りは、お金を定常的にもらえる仕組みを構築することです。どういうことならお金を払う理由になるのか。その仕組みを開発するわけですから、これも大変です。見逃し勝ちな事実です。
例えば、どのような本であれば買ってもらえるのかを考えてから本を書く。どのような車であれば乗ってもらえるのかというところから車を企画する。マーケットインの考え方です。
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■まずは売れる仕組みを創る
一般的には、手元に売らなければならないモノがあって、それを工夫して売っていく。これが殆どの場合の企業活動課題でしょう。いわゆる営業活動です。
つまり『製品が不変でビジネスモデルを変える』ことが先に求められます。
ところが、より汎用性と継続性があるのが『ビジネスモデルが不変で製品を変える』ことでしょう。営業経験が長ければ、売る先は従来創った人脈、売るモノは変わってもやることは変わらない、このような体験も多いのではないでしょうか。人脈の方が製品よりも寿命が長いです。
企業としては、売れるためのビジネスモデルを確立して、その中で製品を変化させていくことが理想的です。毎回毎回売り方を変えるのではなく、同じ売り方で違うものを売り続けるのです。お客様の要望はどんどん変わっていく。そこに合致したものを提供する。お客様に提供する方式は変わらずに、提供する内容が変わっていく。
だから『ビジネスモデルが不変で製品を変える』、こちらが順番としては先なのだと考えます。
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■ビジネスモデルとは?
Wikipediaから引用させてもらいます。
根来龍之
「どのような事業活動をしているか、あるいは構想するかを表現する事業の構造のモデル」と定義している。
國領二郎
経済活動において、「四つの課題に対するビジネスの設計思想」と定義している。
1.誰に、どんな価値を提供するか。
2.その価値をどのように提供するか。
3.提供するにあたって必要な経営資源をいかなる誘因のもとに集めるか。
4.提供した価値に対してどのような収益モデルで対価を得るか。
そう、製品開発に熱中してしまうと自分はよく忘れてしまいます。
製品がお客様に買ってもらえるまでの仕組み確立することの方が、製品を創ること自体よりも、お金も時間もかかるのだということを。
昔から言葉を変えてよく議論されているところです。ニーズ(needs、必要性)が先なのか、シーズ(seeds、種)が先なのか。プロダクトアウトなのかマーケットインなのか。
この議論は、結論的にはその両者ともに重要である、というオチになります。ただし、その順番としては、採算が取れるようになってから、つまりビジネスモデルを構築してから、流すモノを考えるのが正解です。
よくやってしまうのですが、モノありきで動くのは、下手なやり方だと思います。残酷な事実ですが、それを見込んでいないと事業の継続は難しいです。