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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

年を取ることの楽しさ

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★昨晩のオルタナブロガー定例会 #abtm の後の懇親会で、横田さん新倉さんとお話ししていたことですが、文章にまとめてみることにしました。

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アメリカ文化の影響か、日本でも年功序列の概念が薄れてきていて、年を取ることをネガティブにとらえることが多くなってきています。体が硬くなるとか近いところが見づらくなるとか、確かに加齢によるマイナスはあります。それでもやはり年を取るといろいろと見えてくることも多く、そのこと自体が楽しみに思えたりしています。

年を取るということは電車の路線上のどこに住んでいるのかということと似ていると考えています。人の中の記憶は、それまでの経験をひたすら行き来しています。例えば横須賀線沿線に住みながら、東京駅まで通勤するとします。20代の頃は西大井に、30代の頃は横浜に、40代の頃は戸塚に、50代の頃は鎌倉に、60代の頃は横須賀に住む。そんな感覚です。

20代の頃は東京駅から西大井駅の間を毎日行き来するのです。30代の頃はそれが横浜との行き来になります。年齢とともにその往復の幅が広がっていくのです。30代の頃には鎌倉との往復のことなどは想像もつかないほど遠くに感じますが、50代から振り返ると明確に30代の横浜まで行き来していた頃に、何を考えていたかなどが明確に記憶に残っているのです。どれくらいの距離感なのかそして、そこから何が起きるのかなどもです。

路線が一つしか無いところが、これまた個人個人にカスタマイズされた人生の楽しいところです。自分のその頃にはいつでも立ち戻れるという楽しみがあります。人の路線と比較すること自体はナンセンスですが、およその距離感からその人が何を体験して、何を考えているかということがある程度推測できる幅も持てるようになったりします。

ローカル線もあるでしょうし、新幹線で往復する人もあるでしょうが、それぞれに味のある思いでがたくさん詰まっているのだと思います。年を取ること自体が楽しいことなのだと、そして、それによってより広く視野が広がっていく体験をより楽しみたいと思っています。

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ところで、昨晩のオルタナティブブログの定例会ですが、なんとも素晴らしい人たちとの会話が楽しめました。考えてみると、あれだけの情報を発信していらっしゃる人たちと生でお会いすることができるのは、@masasonさんが呟いていた一種の「合脳」状態なのかもしれません。

http://twitter.com/masason/status/7255666478
それのしても昨夜はTwitterの威力を目の当たりにしました。ふと気になった疑問をつぶやいただけで多くの皆さんから瞬時に答え帰って来た。右脳、左脳の延長として外脳を得た感じですね。

http://twitter.com/masason/status/7286765778
私の「外脳」という表現に対し韓国の方から集団知性なので「合脳」の方が適切との

知りたいことを尋ねると、すぐに適格な答えが返ってきます。岩永さんの無線についてのレクチャーも大変勉強になったし、前村さんからのIPv6に関する個人レクチャーも大変ためになりました。大元さん竹内さん方波見さん永井さん林さんとの会話、さらに永井(千)さんからの私のブログに関する応援にも鳥肌が立つ思いがして、このブログを始めていてよかったと心底思える勇気を与えていただきました。ありがとうございます。

ブログの発信にはそれなりの労力を要しますが、それによって得られる仲間の力ということをじっくりと考えると、貴重な財産なのだと思えるようになったのです。ITmediaのみなさん、ばんちょ~さん、このような機会を与えていただき本当にありがとうございます!

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