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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

三菱電機がAIデータセンターと液冷「世界市場の本丸」に参入。次世代NVIDIA AI DC対応のリファレンスデザイン公開

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これは大きなニュースです。なぜ日本のメディアが大きく取り上げないのが不思議です。

三菱電機公式:次世代AIデータセンター向けにNVIDIA製GPU対応のリファレンスデザインを公開(2026)

日本の経済人はAIデータセンターが日本だけでも兆円単位の巨大な市場になりつつあることを理解しています。また製造業の人達は「液冷」が大きな市場になることも理解しています。

三菱電機の今回のニュース「次世代AIデータセンター向けにNVIDIA製GPU対応のリファレンスデザインを公開」(2026/9/24)はそれらの巨大市場の最上位で、いわばルール作りをする立場に、三菱電機がなった...というニュースです。

液冷装置一式を含むAIデータセンターの進展に不可欠なのが電力供給です。AIデータセンター全体は「システム・オブ・システムズ」であり、多数のサブシステムを統合的に整合性をもって組み上げることが不可欠な世界。NVIDIAでは、AIデータセンターを丸ごとデジタルツインの中で組み上げるための「NVIDIA Omniverse DSX Digital Twin Blueprint」を出しています。これはAIデータセンター設計者・建設者が下敷きにしてOmniverseデジタルツイン内で「システム・オブ・システムズ」を組み上げるためのテンプレートです。簡単に言うと人間の力では組むことができないほどに複雑化しているので、AI(デジタルツイン)の力を借りて組むということです。以下の私の記事で解説しています。

AIデータセンターをNVIDIA Omiverseのデジタルツインで設計開発シミュレーションする"Blueprint"にはどういう意味があったのか?(2026/3/25)

そのNVIDIA本体が出している「テンプレート」に近いものを三菱電機が出したということです。「レファレンスデザイン」がどういうものか、よくわからないと思うので(私もテキストで正しく説明できるかと言うと、できません)、AI(いつもAIデータセンターの議論をしているChatGPT 6 Astra)に解説させました。

毎度言いますが、AIのことはAIに解明させないと訳がわからない時代に入っています。ぜひお手元のAIを自分仕様にこなれさせて、日々お使い下さい。3か月ごとに性能が格段と上がります。


三菱電機レファレンスデザイン.jpg


はい、これはかなり大きいニュースです。しかもAIデータセンター版と液冷版の両方で「国内最重要級」に置いてよいと思います。(以下の2本の重要ニュース・レポートを指す)

さっつーのAIエージェント:海外/日本のAIデータセンター重要ニュース:9月24日までの2週間:東証プライム経営者用エグゼクティブサマリー

さっつーのAIエージェント:9月24日まで約3週間の海外/日本の「液冷」重要ニュース:東証プライム経営者用サマリー

三菱電機が9月24日に発表したのは、単なる「液冷製品を出します」という話ではありません。NVIDIA Vera Rubin NVL72(次期のラックスケールAIサーバー)と将来GPUに対応し、系統接続からチップへの給電、BESS、オンサイト発電、800VDC、ラック冷却、施設冷却までを一体で設計する「Chip-to-Grid DSX Reference Designs」です。つまり、AIデータセンターを「電源設備」「冷却設備」「GPUラック」に分けず、最初から一つのシステムとして設計する立場へ三菱電機が入った、というニュースです。

特に重要なのは、次の5点です。

  • NVIDIA Vera Rubin NVL72対応を明示している。NVIDIAの次世代AI Factory設計体系に三菱電機が直接乗り始めています。
  • 415/480VACだけでなく800VDC配電に対応する。これは次世代AIラックの高密度化に対応する本丸の電源技術です。
  • オンサイト発電+BESS+商用系統+マイクログリッドを一体化している。AIデータセンター版で追ってきた「電力確保から自律電源へ」という流れに完全に一致します。
  • 直接液冷+空冷のデュアルループ冷却を明示している。これは液冷版で取り上げてきた「液冷100%ではなく、空冷+液冷を統合する」方向そのものです。
  • GW級データセンターまで拡張可能としています。単なる国内向け設備商品ではなく、米国を中心としたハイパースケールAIデータセンター市場を狙っています。

そして、これを9月24日の単発ニュースとしてだけ読むと、三菱電機の狙いを過小評価します。

関連投稿:

三菱電機が「液冷」で自前主義を捨て台湾・鴻海と組んだ理由。米国AIデータセンター市場で本格展開準備中(2026/9/24)

三菱電機は5月の中期戦略ですでに、データセンター向けにDC800V/1500V、SiCパワーデバイス、DLC、とくに二相液冷、フリークーリング、ドライクーラー、AIによる統合監視制御を組み合わせ、鴻海との協業でPUE1.1を目指す構想を示していました。 三菱電機 オフィシャルサイト

さらに7月30日には、米オハイオ州に約3,000万ドルを投じ、データセンター向け冷却機器の現地製造工場を2027年4月から稼働させると発表しています。液体冷却対応製品を含め、設計提案から販売・保守まで米国でワンストップ化する計画です。 三菱電機 オフィシャルサイト

そして三菱電機はIT Cooling売上について、2026年度320億円から、2027年度1,000億円超、2031年度3,000億円超を目標にしています。空冷から単相・二相液冷までを対象にした「Total Data Center Cooling Solution」を明確な成長事業にしています。 三菱電機

ですから、私はこのニュースを次のように評価します。

三菱電機が「データセンター向け電機メーカー」から、「NVIDIA AI Factoryの電力・冷却インフラを丸ごと設計する企業」へポジションを移そうとしている。

ここが最大のポイントです。

しかも、これはVertiv、Schneider Electric、Delta、Supermicroを前回液冷版で取り上げた流れと完全につながります。海外勢が電源+CDU+液冷+AIラックを一体化している中で、三菱電機も日本企業としてかなり明確に同じ土俵へ出てきた、と位置付けられます。

関連レポート:

さっつーのAIエージェント:9月24日まで約3週間の海外/日本の「液冷」重要ニュース:東証プライム経営者用サマリー

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