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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

アブダビのWorld Future Energy Summit 2011とMasdar Cityの様子がわかる動画

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アブダビ首長国で開催されていたWorld Future Energy Summit 2011に関連した報道が出そろってきました。今回はそのうちでもMasdar City(マスダールシティ)やWorld Future Energy Summitの雰囲気がわかる動画をピックアップしてみました。

■英国BBCのレポート

英国BBCが多少辛口な視点でレポートしています。

Abu Dhabi's bid to be a pioneer of clean energy

この動画の中で、地域の需要を満たすには不十分ということで太陽光発電パネル製造工場の建設がキャンセルされたということ、Masdar Cityが投資を呼び込むのに苦心しているということなどが報じられています。挿入されたインタビューではMasdar CityのDale Rollins COOが「Masdar Cityは実験でも研究プロジェクトでもなく、(投資回収を想定した)商業的な取り組みなのだ」ということを強調しています。

冒頭でちらりと述べられていますが、アブダビ首長国は国民1人当たりのエネルギー消費量(≒二酸化炭素排出量)が世界でもっとも多いという事実があります。

関連の数字を拾ってみると、米国の国民1人当たり年間電力消費量が11.4kW、日本やドイツは6kW。アブダビ首長国では1人当たりの数字が出ていませんが、平均的な世帯で消費する電力量は年間41kWとのこと。この数字を出している記事では、アラブの平均的な住居は米国の住居よりも大きく、使用人を含む家族数が多いという注記を付けていますが、それにしても、省エネが根付いていない米国並みかそれ以上な印象です。ただし、アブダビが酷暑の国であり、冷房需要が大変に大きいということは差し引いて考える必要があります。

なお、BBCで触れられていた太陽光発電パネル製造工場の建設キャンセルについては、こちらの記事に詳しく、Masdar社がTaweelahで計画していた太陽光発電パネル製造工場建設は、世界的に太陽光パネルが供給過剰で価格が下落し、採算が取れなくなったために中止になったとのことです。なお、アブダビ首長国におけるいくつかの太陽光発電プラントの計画は続行の模様です。

■Siemensが制作した会場からのレポート

世界的な企業ではGEとSiemensがMasdar Cityに拠点を作る意向を表明しています。GEは再生可能エネルギーの研究とデモの拠点、Siemensはデモ施設に加えて中東地域の営業拠点をMasdar City内に設けます。当初は2013年第一四半期までに1万2,000平方メートルのオフィス、デモ施設などを作り、将来的には2万5,000平方メートルまで拡大します。Masdar Cityに世界でもっともコミットしている企業と言ってよいでしょう。ちなみに、Siemensの本社があるベルリンからアブダビまでは飛行機で6時間。仮に中東地域で今後再生可能エネルギー関連の大きな市場が出現するとすれば、拠点選定として悪くない線なのかも知れません。

そのSiemensがPRの目的で制作したWorld Future Energy Summit 2011の模様を紹介する動画が以下の4本。ざっと見ると同サミットの雰囲気がよくわかります(とはいえSiemensのPR目線の動画なので、常に同社のロゴが映っていますが)。かなり国際性の高いしっかりしたイベントという雰囲気ですね。入場者数は昨年よりもやや多い2万6,000人だったそうです。

Impressions from Day One of WFES

Impressions from Day Two of WFES

Tomorrow's Electromobility today - from WFES 2011

Impressions from Day Four of WFES

3本目の動画で扱っている話題"ElectroMobility"は、欧州の自動車などの大手メーカーが普及させているバズワードのようで、「電気自動車の充電が様々な場所でできるインフラ」という意味のようです(ざっと概念を把握するには、欧州日産が制作しているこのサイトの"A typical day"というアニメーションを見るとよいでしょう)。
Siemensはこの3本目の動画で、すでにElectromobilityの製品を商用ベースに乗せており、顧客から料金を徴収する仕組みなど、統合性のあるソリューションとして提供できるということを強調しています。短時間充電の場合は数分で終了するということも言っていますね。

■Masdar Cityで動き始めた全自動無人運転カー

以下はWorld Future Energy Summit 2011期間中に撮影されたPersonal Rapid Transitの動画です。動いているところを初めて見ました。運転手がいない4人乗りの電気自動車ですね。現在は800mだけ試験的に動いていますが、将来的には地下鉄や電気自動車などとともに個人の移動インフラの1つとなるそうです。

Personal Rapid Transit in Masdar City

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