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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

過当競争の便益

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日本で過当競争というとどんな分野が思い浮かぶだろう。

 民放キー局
 ビール
 携帯電話機の製造販売
 書籍
 旅客機国内線
 家電量販店
 
一般的に企業の競争の果実は、勝った側であれば、大きな利益となって財務を豊かにし、配当として直接的に株主に還元されるか、投資という形で将来における株主への還元を厚くします。
日本の企業の過当競争の場合は、利益が軽視される傾向があって、最終的な果実は消費者に行っているように思います。

日本の航空会社のサービスはすごいです。以前自腹で乗ったJALのビジネスは特にすごかった。1往復しか経験してませんが、同じく1度だけ経験したコンチネンタル航空のビジネスとは雲泥の差でした。
日本のビールもすごいですよね。ダントツです。世界最高峰。キリンの新製品なんか理想中の理想という感じです。携帯電話も日々進歩してますよね。ワンセグがもう当たり前です。先日はJRの駅の階段を下りながらワンセグを視聴している人を見てしまいました。物販の代金決済にも使えます。

書籍の新刊のペースもすごいですね。習得事項が多い仕事をやっていると、各分野くまなくカバーしてくれているビジネス書の刊行姿勢には頭が下がります。
あとは家電量販店が推進しているディスカウントですか。5月12日号の週刊「東洋経済」をお読みになりましたか?ヤマダ電機。すごい、すごすぎ!

こうした過当競争の結果として、当該業界で利益率がかなり厳しかったり、取引先に当る業界において利益率が非常に厳しいという状況が起こっています。そして最終的にはそこから生じる便益を消費者側が得るという図式があります。(なお、図式の目に見えにくい部分で、しっかりと果実をもぎとっている当事者がごく少数いることも確かです←それこそが真の勝利者?)

日本においては、企業活動が、欧米の経営学で想定するステークホルダー以外の当事者に対して便益をもたらすものとして組み上げられていると言うことができると思います。もちろんその当事者には従業員も加わります。

これは時価総額に翻訳しにくい価値を生んでいる企業活動です。この価値を新たに定量化して取り出すことができるのであれば、おもしろいでしょうね。そして欧米の企業と比較してみると、おもしろい知見が得られると思います(おそらくネットワーク全体の効用を見られる社会ネットワーク分析的なアプローチが有効なんではないか…)。

それから付言すれば、その時価総額に翻訳しにくい価値は、わけわからんちんの外国企業が時価総額にまかせて日本企業を買収したりすると、いっぺんでふっとんでしまうような価値なのでしょうね。色々と考えることばかりです。

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