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我が国は現在、閉塞感が漂っているとよく言われていますが、実は、よく観察すると、新しいビジネスチャンスがあふれかえっています。それを見つけて、成功させるコツとヒントをご紹介します。

アメリカヒーロー伝説の崩壊

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アメリカは、自由主義を標榜する西側の諸国にとってある意味ヒーローでした。危ないときには颯爽と現れて助けてくれる心強い存在でありリーダーでした。少なくとも第二次世界大戦以降、西側の諸国はそのようにアメリカを持ち上げ、実際にアメリカもそれに応えるべく奮戦してきたように思います。しかし、そのイメージも一夜にして変わってしましました。2025年2月28日にホワイトハウスで行われたアメリカ・トランプ大統領とウクライナ・ゼレンスキー大統領との会談は、ネットを中心にライブで世界中に流れ、アッという間にその内容を世界中の人々は知ることとなりました。
私もたまたま深夜に起きたので、この会談の様子をライブで見ましたが、国を代表する政治家同士が顔を突き合わせて罵りあっている姿は見ごたえがありました。おそらくこのシーンは歴史的一瞬として、後世に語り継がれていゆくことでしょう。

さて、問題はこの会談の内容です。お互いの意思がどうであれ、アメリカは戦時中のウクライナに対して、「黙って言うことを聞け! お前は戦争に負けてるんだから! そうしたら命だけは助けてやる。ただし、ちゃんとお礼を渡せよ! とにかく金だ! それから心からの感謝も忘れるな!」と上から見下したように見えてしまったのです。つまり、大国アメリカが、困ってる国ウクライナを虐めているように見えたのです。このアメリカの姿勢には、ヒーローらしさのかけらもありません。実際、下記の英会話系発信者によるYOUTUBE動画を見ると、翻訳が穏やかなこともあり、案外両者はちゃんと議論しているようにも思えるのですが、一度イメージがついてしまうとそれはなかなか消えるものではありません。



さらに、トランプ大統領がウクライナに対する軍事支援や情報提供を一時的に中断したり、これまで同盟的な関係を結んでいた国々に対して関税引き上げによる貿易戦争を仕掛けていることもあり、欧州を中心にもうアメリカは我々の味方ではないのかもしれないという認識が広がりました。そこで欧州では、欧州だけで安全保障を行うべく、その動きを急速に進めているようです。その流れを受け、あのドイツもついに目覚めたようで、次期首相候補・フリードリヒ・メルツも今後の軍拡を主張しています。

おそらく、今後トランプ政権は「これは少しまずい」と感じて融和路線に舵を切るかも判りませんが、一度作られた流れはそう簡単に止めることは出来ないでしょう。これまで徐々にその傾向はありましたが、ここに約80年続いたアメリカヒーロー伝説は完全に崩壊したのです。
とはいえ、元々アメリカが本当のヒーローなわけはありませんから、こっそり裏で「ちゃんとお礼はしてね」と要求していたことは間違いありません。イラストで表現すると次のようになります。


hero1.jpg

ところがこれからは、次のようになります。まるで金で雇われる用心棒のようです。



hero2.jpg

どちらにしろ、世界の仕組みが大きく変わろうとしていることに間違いはないでしょう。日本もこれからどのような立ち振る舞いをしてゆくのか、大きな決断の時が迫っているように思います。

(ヒーローイラスト:サトノレマックス

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