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ヴィジュアル、サウンド、テキスト、コードの間を彷徨いながら、感じたこと考えたことを綴ります。

ギタリストに牙をむく香害。オレたちが防ぐ!!西横浜、町田、そして新宿。3連続ライブを走破せよ。 ~6弦のカナリア(10)~

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9月17日、大阪で開催された、スラッシュメタルの祭典「True Thrash Fest RETURNS 2023」。
日本勢の一員として参戦した『TERROR SQUAD』は、最高のパフォーマンスで、客を魅了した。
9月末からは、10日間で3本のライブに挑む。全25曲、魂のストラトが火を噴く!?

『憎まれっ子世に憚る十五巡目』2023年9月30日(土)西横浜 EL PUENTE

「無香害ライブ」 をデフォルトに!仲間たちが動く!

香害渦巻く大阪で過ごした半日。呼吸から、皮膚から、取り込んだ化学物質。ダメージは予想以上に大きかった。たとえようのない眠気が続く。
ギタリスト・大関慶治が日常を取り戻したのは、5日後。9月22日になっていた。

時間がない。
9月30日には、西横浜でのライブが控えている。通常6曲30分のところ、9曲45分の長丁場になる。
翌10月1日には、町田市で、5バンド出演のトリを務める。アンコールが予想されるため、プラス1曲。
その1週間後の10月8日には、新宿で、35バンドが出演するイベントに参加する。

2つは「無香害ライブ」を成功させ、3つ目は曝露を最小限に抑える必要がある。

だが、大関も、関係者も、ファンや「香害」啓発者たちも、楽観的だ。

9月30日(土)のライブは、『TERROR SQUAD』のサポート・メンバー、キャッツ氏による企画。
『TERROR SQUAD』、『G.L.G.』、そして『BAREBONES』が出演する。

その『BAREBONES』ギタリスト・長谷周次郎氏は、2022年11月のレコ発ライブで、無香害での来場をSNSで呼び掛け、日本初の「無香害ライブ」を成功に導いた人物だ。
ライブ前の楽屋で、何気なく明かした胸のうち。「大関に全力で突っ走ってほしいから」
この言葉は、大関の一生の宝物となっている。

会場は、『西横浜 EL PUENTE』。これまで4回、無香害ライブを成功させているハコだ。
オーナーのShigeru Shiggy Sato氏は、日本消費者連盟のチラシを入り口に貼るなど、啓発に尽力している。

今回も、長谷氏とShiggy氏は動いた。

9月27日、長谷氏は、facebookで、無香料の文字が目立つ製品の写真を投稿、来場予定者に呼びかけた。
「週末のドレスコードは無香料!」
さらに、29日にも、再投稿で、確認を促した。
ライブ当日には、Shiggy氏が、「X」オフィシャルアカウントで呼びかけた。
「本日香害フリーデイという事で、香水や柔軟剤など化学的香りが強いモノは控え、ナチュラルビューティーをエンジョイ頂けたら幸いです!」
事前アナウンスは、ばっちりだ。
そして、ライブハウスのスタッフ・所沢氏が、心をこめて、黒板アートを描き上げた!

13時30分開演、16時30分終演。トッパ―のため、大関は早めに自宅を出発。
いつもなら、現地に到着すると、黒板アートをポストする。だが、今回は、ポストなし。
会場内が無香害であるだけでなく、入り口付近も無香なのか!?

準備は整った。あとは、全力で演奏するだけだ!

駆けつけたギタリスト仲間。万全のサポートの中で、9曲!?

会場には、『BxTxW』ギタリストで『LEGEND OF TRUTH』ベーシストの、RATCHI氏が駆けつけた。
RATCHI氏は、昨年の12月4日、『THE FINAL SOLUTION』のギタリストとして、『東高円寺二万電圧』でのライブ『CORETIC PERDITION』で共演。facebookでフレグランス・フリーを呼び掛け、無香害ライブの成功に尽力した人物だ。
今年4月28日の『DEFILED』レコ発ツアーの初日のライブでも、客席から大関を見守った。
今日は、サポート・メンバーのキャッツ氏とともに、大関の横に立った。香害の成分が漂ってきたら、すぐに護る態勢だ。

今回、『TERROR SQUAD』ベース・前川は、ユニークなセットリストを考えた。
1曲目は、ギターのインストゥルメンタル。大関が2006年に作曲した、『Black Sun』だ。
ゆっくりとした楽曲。音源は公開されていないが、『TERROR SQUAD』の2nd.アルバム収録の『Soma』から、イメージを膨らませてほしい。スラッシュメタルの枠には収まらない、意外性。ジャンルを超えた独自性。『TERROR SQUAD』の底力と魅力を発見できるだろう。
客の中には、『Black Sun』のマークが描かれたTシャツ姿も、ちらほら。期待に応える演奏となった。

2曲目は、1st.アルバム『the wild stream of eternal sin」から、『Order of Lone Wolf』、3曲目には、2nd.アルバム『Chaosdragon Rising』から『Helldozer』と、最近のライブでは披露していなかった曲が続く。
4曲目は、新曲『No Wrong Way』で盛り上がり、5曲目は、2nd.アルバムから、これもご無沙汰の『Hellbound Deathboogie』。
6曲目に、ファン待望の『闇より深く...』。

セトリ通りに、演奏は進み、客たちの熱狂は加速。突撃するリズム隊が、客を揺さぶる。ボーカル・宇田川は今日も絶好調。動き、飛び、叫び、客と交感。

7曲目の『Bastards』から『Straight to Hell』と続き、ラストは、もちろん『Chaosdragon Rising』!!
おなじみの3曲で、一気にラストまで駆け抜ける―――はずだった。

だが、『闇より深く...』を弾き終えた大関は、苦渋の決断を下した。

呼吸が限界に近づいていた。首に提げていた、防毒マスクを装着した。これまで、演奏中には一度も付けたことのない、マスクを。
パフォーマンスを完全に封じても、最後まで弾く。それが、大関にできる唯一のことだった。
心がちぎれそうだった。

【写真】防毒マスク姿で演奏する、ギタリスト・大関(撮影:『BxTxW』RATCHI氏

マスクを付けていても、襲い来る化学物質。完全に防げるわけではない。機材を撤収する力など、残っているはずもない。

演奏が終わるや、RATCHI氏が叫ぶ、「ギターだけ持って避難して!」
そこはギタリスト、大関を安全な場所に退避させ、代わりにケーブルやエフェクターなどの機材を撤収。

終演後、大関は、黒板アートの写真をポスト。自嘲気味につぶやいた。
「無事じゃないけど、なんとか出番終了。途中で頭が痛くなって、ラスト3曲防毒マスクでした。楽なんだか苦しいんだか...。」

トリの『BAREBONES』の演奏は、ボーカル・宇田川が見届けた。そして参戦。ラストは、『BAREBONES ft. 宇田川』で、『Motorhead』の『Ace of Spades』となった。
会場は、大盛り上がり。3バンドの熱演は、客たちの記憶に、衝撃の数時間を刻み付けた。

使用量を控えても危険。伝わらない、もどかしさ。

周知は万全だった。無香害ライブの成功を、誰もが信じていた。なのに、なぜ?......会場の空気に異変が?
ギタリストの身に、いったい何が起こったのか?

「セッティングを済ませ、音出しを初めてから15分ほどのことだ。香料が、充満してきた。無香料生活のRATCHIさんとキャッツさんにすら分からない、ニオイ。それは、以前、どこかで嗅いだことのある、危険なニオイだった。それで、防毒マスクを首から提げて、ライブに挑んだ。ステージが始まった時には、もう無理!と言いたくなるほどの空気だった。パフォーマンスは最小限、ほぼ棒立ちでの演奏になってしまった。
演奏が進むにつれ、頭痛と判断力の低下が始まり、どの部分を弾いているか分からなくなってきた。それで、後半3曲、身体に震えが来る前に、マスクを装着した。こんなことは初めてだ。」

原因は、何だったのか?
「整髪料なのか香水なのか・・・。目に沁みて頭が痛い。短時間、強く曝露するより、長時間、微弱な曝露にあう方がダメージは大きい。」

ほうほうの体で帰宅した大関。「帰りの車中で、目の沁みと頭痛が悪化した。防毒マスクを付けなければならなかったことに、落ち込んでしまった。」

周知活動に不足していたものは、何なのか?
「『このぐらいなら大丈夫だろう』はオレにとっては苦痛でしかない。それが伝わっていなかったのかもしれない。」

一昨年、5省庁(消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省)による香害啓発ポスターが作成された。 その内容は、香害健康被害者たちを落胆させた。「その香り、困っている人がいるかも?」というコピーに添えられた注意書きは「使用量の目安などを参考に、周囲の方にもご配慮いただきながらご使用ください。」
問題は、使用量ではない。使用すること自体が問題なのだ。蕎麦アレルギーの人が、蕎麦の1本でアナフィラキシーショックを起こしかねないように、使用自体が、危険。これを知らない人が、少なくない。どうすれば伝わるというのだろう。

苦渋の決断について、大関は語る。
シゲマツ製マスクは、「しっかり顔面にフィットすればかなり効果はある」が、「着けたら、アクションは一切なしで動けない。立ったまま演奏に集中するだけ。でも、我慢しているときも動けないし、辛いし、脳が働かなくなるから、さっさと防毒マスクした方がいいとも思った。」
とはいえ、「顔も痛くなるし、酸素が足りない」から「長時間は無理」。そして、マスクで覆われていない「むき出しの皮膚は痺れる」。
45分のライブの1曲目から使うと、負担が大きい。演奏のクオリティと、刻々と変わる自身の健康状態を予測しながら、どの曲から装着するかを瞬時に判断しなければならない。その見極めは難しい。

悲しい結果にはなったものの、理解あるバンドマン仲間や客たちは、確実に増えている。
『BAREBONES』のメンバーたちは、3人とも無香料。「オレを腫れ物扱いせず、いつも通りバリバリ普通に接してくれるのってめちゃくちゃ救われる!」

気を取り直して、次のライブに備えなければ。
RATCHI氏が、明日の会場のステージ写真を送ってくれていた。それは安心材料となった。「奥行きもあるし、余裕だとおもう。」
facebookに、大関は、感謝と明日へのおもいを投稿した。
「いつも助けてくれるみんな、ありがとう! Shiggyさん、『EL PUENTE』のみんな、企画のキャッツさん、ありがとう♪ 明日も頑張ります♪」

『Nutty's Muraki pre Black Spinel Vol.3』2023年10月1日(日)町田市 Live & BAR Nutty's

蓄積したダメージを振り切れ。湧き上がる、アンコール!!

そして翌日、10月1日(日)。

昨晩の曝露による頭痛は、長引いた。12時間以上経過したにもかかわらず、半減がいいところ。
吸入した化学物質を、入浴や鼻うがいだけで除去することは不可能だ。まだ残っているそれは、身体の中から大関を苦しめる。

そのうえ、防毒マスク装着での演奏という初めての事態に、心も、ざわついていた。
早朝、鎮まらないおもいを、「X」に吐露した。ポストは、精彩を欠いていた。そのテキストに、いつものポジティブな大関は見当たらなかった。

だが、時間が、大関に味方した。
ライブは夜だ。17時半開場、18時開演。出発まで、時間がある。 耐えて踏ん張り、立ち上がって前を見る。抗い続けるその意志に、身体が応えた。午後になり、頭痛は弱まってきた。
17時半に自宅を出発すべく、1時間前から準備を始めた。「トリなので、曝露は最小限に抑えて帰る」予定だ。

今日のイベントは、『Nutty's Muraki pre Black Spinel Vol.3』。
東京都町田市にあるライブハウス、『ライブハウス ナッティーズ』へ、機材車を走らせた。
出演するのは、『IN FOR THE KILL』、『泥虎』、『Machete Tactics』、『Brutal Decay』、そして『TERROR SQUAD』だ。

ライブハウス側は、香害について、注意喚起を怠らない。イベント案内ページに、来場者に呼びかける案内文を掲載。「当日は洗濯洗剤/柔軟剤/香水等、強い香料を含まれる物の使用はお控え下さい。ご協力お願いいたします。」さらに、シャボン玉石けんの香害についての説明ページにもリンクを張るという、念の入れようだ。
このような呼びかけは、2回目だ。6月14日にも同様のお願いを、twitter公式に投稿している。

現地に到着した大関は、息を凝らして、ハコへ足を踏み入れた。空気事情は、昨日よりは良好だった。共演者たちも、無香料だ。
大丈夫。この空気なら、弾ける!

サウンドチェックは、つつがなく終了した。前川が用意したセットリストは、今回もユニークだ。

『Straight to Hell』で幕を開けるのは、いつも通り。
2曲目は、テクニカルで渋い『Born Defector』。3曲目は『Survival for Conflict』、ここで、満を持しての、新曲『No Wrong Way』。
ライブでの披露は、もう15回目、いや、まだ15回目だ。初めて聴く客もいる。何度聴いても、問答無用で「かっこいい!」とおもえる曲を。それは、『TERROR SQUAD』の真髄であり、目標でもある。メンバー全員で時間をかけて練り上げた、自信作。
その後は、おなじみ『Bastards』から、人気曲『闇より深く...』。

そして、ラストは、もちろんこの曲、『Chaosdragon Rising』
大関が最後の一音を振り抜くや、間髪入れず、アンコールの大歓声が沸き起こった。

久々のトリ。大関は、アンコールの可能性をすっかり失念していた。
メンバーたちから、声があがる。「『Motorhead』どうかな?」「いいね、やろう!」
『Ace of Spades』。前日、『BAREBONES ft. 宇田川』で、演奏した曲だ。
海外ツアーでもアンコールがあると、この曲をしばしば演奏する。万国共通で盛り上がること間違いなし―――のはずだが、そこは客層による。前日は、出演者の中で、『TERROR SQUAD』は最年少、ロック色が強めのライブだった。それとは違い、今日は最年長で、メタル色が強め、若い客たちが多そうだ。喜んでもらえるだろうか。
とにかく、やってみよう!
全力で、演奏した。
大いに盛り上がった。会場は喜びに満たされた。

弾ける!と判断した空気事情だったが、それでも「香料とは違う謎のニオイ」は漂っており、それを大関は鋭敏に感じ取っていた。
「換気や長年の蓄積かもしれないが、会場臭のようなものだ。どこのライブハウスにもあるものだから。前日のダメージが尾を引いていたのが大きかった。」
途中から、頭痛と吐き気が襲い始めたが、力を振り絞って、弾き終えた。

この熱演は、客たちに、ダイレクトに伝わっていた。「X」には、感激のポストが。

「トリのTerror Squadは待ってましたと言わんばかりの盛り上がりっぷり。昨日のBarebonesに触発されてアンコールにAce of Spadesを披露し大盛況に締めました」

「香害」健康被害者が応援に!仲間のおもいを力に変えて。

今回も、支援者が現れた。香害健康被害者の橋本美千夫氏だ。
夕方家を出て、ドラマーのジョーカーと合流した大関に、DMが。「今ナッティーズにいます。」

橋本氏は、大関が知る数少ない男性健康被害者のひとり。
健康被害者は急増中だが、まだ3割には達していない。その中で、男性はわずかだ。女性の方が、台所用品や清掃用品や理美容品などによる曝露量が多いからかもしれない。驚いた!まさかライブに来てくれるとは!

その橋本氏が、会場で『TERROR SQUAD』の到着を待ち受けていた!!現実とはおもえないできごとだった。
大関は大きな力を得た。「なんか今日頑張れそうな気がしてきた。」

それもそのはず、健康被害者が会場へ駆けつけること自体、至難の業なのだ。交通機関の香害はもちろんのこと、会場の空気事情を予測できないという問題がある。
橋本氏は、最寄り駅までの電車内では、吐き気を防ぐために防毒マスクを装着。会場到着後は、活性炭マスクに切り替えて、ライブに臨んだのだった。

同じ困難を抱える者同士、ライブ会場で応援できればーーーかねてより、橋本氏はそう考えていた。そこへ、大関の早朝のポストが流れてきた。苦悩を敏感に察知した。すこしでも励みになれば。ハコの場所を調べた。現在地からの距離を測る。防毒マスクは携行している。行こう。決断した。

橋本氏がデザインして、データを公開している、「香害」啓発用のシールを、大関は活用している。
ふたりは、すこし言葉を交わした。

帰宅後、大関は、橋本氏へのメッセージをポストした。
「会えて嬉しかった。気合い入りました」そして、思いやった。「会場臭、まあまああったので、キツかったかも。」

この空気事情には、大関自身も苦しんでいた。夜半を過ぎても、吐き気は続いた。
心も重かった。土曜日の、初めての防毒マスク装着の無念が、尾を引いていた。
ステージは、ラストに近づくほど、盛り上がりを見せる。にもかかわらず、ラスト3曲のパフォーマンスを完全に封じたことに、心が潰えたのだ。ショックが癒えるには、時間が必要だった。

「やはり相当凹んでたようで色々考えてしまう。ポジティブチューニングの達人だったこのオレでさえ凹むのが香害という公害。なかなか浮上しない...」

食事ができるようになったのは、三日後だった。『KAPPUNK 2023』が、数日後に迫っていた。

『KAPPUNK 2023 COUNTRY OF THE PUNKS』2023年10月8日(日)新宿LOFT

防毒マスク装着せず。全8曲の重圧を粉砕する、激しいステージ!!

10月7日、土曜日の夜。大関はようやく、日常を取り戻した。
翌8日(日)は、いよいよ、『カッパンク』だ!心が高鳴る。
出演者の顔触れは多彩。客たちにとっても、目当てのバンドを楽しむだけでなく、未知のバンドと出会える貴重なイベントだ。

今年は、10月7日(土)8日(日)9日(月)と、三日連続での開催。 企画は、『KAPPUNK 2023 COUNTRY OF THE PUNKS』。場所は『新宿LOFT』および『新宿ACB』。12時開場、12時30分開演、21時10分に終演となる。
『TERROR SQUAD』は、2日目の10月8日(日)に出演する。

今回も、大関は、楽観的だ。「メインステージは広めで、空調分離してるはず。ステージ内の香害は大丈夫だろう。」
早起きして、意気揚々と準備。午前11時半、会場となる『新宿LOFT』に到着した。

ところが、1年ぶりに訪れた歌舞伎町は、すっかり様変わりしていた。
機材車から降りるや、すさまじい、香害。たじろいだ。予想をはるかに超えていた。『TTF』開催地の大阪の比ではなかった。
「柔軟剤が2、香水が8。街の空気自体が、香水のようなニオイだ。いろいろなニオイを吸い込んでしまう。苦いニオイもある。そんな香水が、流行っているのか。」

曝露に耐えて機材を搬入。
さいわい、会場内の香害は、外ほどには、ひどくはなかった。
ほっとした。

13時10分、セッティングを開始。
ステージは無臭だった。外の空気が厳しかったために、そう感じたのかもしれない。大丈夫だろう。この時は、そう、おもった。
PAの調整のために、軽く弾いた。『SoundSlave(仮)』、未発表曲だ。宇田川も安定のシャウト。幕の向こうから聴こえる音に、耳をそばだてる客たち。期待が膨らんでいく。

13時30分、開演。「お待たせしましたーっ!!テラー・スクワーーッド!!」
幕が上がる。4人の姿が見え始めるや、客席は大爆発。拳を振り上げての大合唱。「TERROR SQUAD!! TERROR SQUAD!!」

そして地獄の扉は開いた。
宇田川が叫ぶ!『Straight to Hell』!
いつもと同じ、大関の身体を突き動かす、その声。高揚感。この叫びを、何度でも、聴きたい。オレは、生涯現役で、ライブをやりたい。この重苦しい空気を跳ね返し、自由に弾き続けたい!

重厚なイントロ。昏き地底を這うようなピッキング。繰り出す音の粒。
宇田川は、すぐに客席に降りた。前川がギリギリまで客席に近づく。大関とともに、激しく体を揺らしながら、全身から音を放つ。
開演から数十秒も経たぬうちに、会場のボルテージは最高潮に。
音源の何倍も、速く、激しい、ライブならではの演奏をバックに、宇田川は客に抱えられたままで、言葉を吐く。

宇田川がステージに戻るや、間髪を入れず、ジョーカーがクラッシュシンバルを打ち鳴らした。
『Born Defector』!!
大関はネックを握り直した。ギターが牽引する曲だ。激しいパフォーマンスを展開。
宇田川は、歌詞を押し出すかのように、力をこめる。前川、大関とも、マイクに向かい、声を合わせる。
4人の息が合えばこその休符、リズム。
そして幕引きは。歪んで唸るギター。

一呼吸置いて、突き刺す轟音が鳴り響いた。『Survival for Conflict』だ。
宇田川はステージ上で派手なアクション。リズムをとりやすい曲、客たちが、動く。
大関はストラトを引き寄せて構え、一歩前へ出た。ギターソロ。中音域の、伸びやかな音が連なって拡がる。全身でリズムをとりながら、速弾きの手を緩めない。客たちの視線は釘付けだ。スマホをかざす者も、ちらほら。

ここで、一休止。すこし息を切らせながらの、宇田川のMC。
「去年のカッパンクで初めてやった曲です。あの時は半分以上宇宙語でした、今日はちゃんと日本語で歌います!」
ストラトから、低音の16分が湧き出る、特徴的なイントロ。重ねて、宇田川が、マイクスタンドを傾けて、叫ぶ!「新曲『No Wrong Way』!!」
ド!ド!ド!ド!ド!ド!ド!ド!前のめりに刻むベース、エッジの切り立ったギター。ハイハットとシンバルが響く。突撃する声、その間に顔を出すオブリガート。
そして、シンガロング。ステージから降りた宇田川に、客たちは、拳を突き上げ声を合わせる。前川と大関も声を上げる。「♪ Go Ahead! ♪ Go Ahead! ♪ Go Ahead!」
ギターソロが始まった。野太く丸い音だ。
そして、ふたたび、低音を刻む。ドドドドドドドド!湧き上がる「♪Go Ahead! ♪Go Ahead!」

4人の放つ熱波を、客たちが跳ね返し、共に創り上げる時間が、満ち足りていく。
ギターのイントロが重なった。4曲目は、『Hellbound Deathboogie』。
リズムセクションは、安定の激しい演奏。大関は、ベース・前川を見やり、息を合わせながら、ギターを刻む。ふたりの身体が音と一体化していく。
宇田川は、客席に降りたまま。場内は祭りと化した。客が宇田川を抱え上げる。その態勢でも、ボーカルは崩れない。声を絞り出して、自らの書いた歌詞を放つ。

♪ 選びとったはずの自由は
♪ 砂を掴むように流れ落ち

ステージ上では、ドラムもベースもギターも平常運転。客と宇田川のアクションに微笑みながら、訥々と刻み続ける。

この頃、無臭だったはずの会場内に、香料のニオイが漂い始めた。防毒マスクは楽屋のギターケースの中に置いたまま。だが、大関は、やり過ごして、演奏に集中。ステージに戻ってきた宇田川を、笑顔で迎えた。

大関と顔を見合わせた宇田川は、振り返りざまに、叫んだ。
『闇より深く...』!!

宇田川の突き上げる拳に、客たちも呼応。そこへ、爪弾くアルペジオのイントロが始まる。くわえたピックを手に取るや、ジョーカーがスティックでカウント、そして、クラッシュシンバルが炸裂!
宇田川は、マイクスタンドを使ったパフォーマンス!
前のめりに刻む、リズムセクション。ギターは、刻む音に細かい装飾を付けて進む。
荒ぶる獅子の全身から放たれるパッションに、客たちの体が強く揺れる。モッシュが始まった。
クリアなギターのオブリガートを背に、宇田川はマイクスタンドを持って客席に降りた。声と拳で交感するうち、モヒカンが揺れる屈強な漢たちが包囲。仁王立ちで、気炎を上げる。客たちも、天に伸ばす腕で、力強くリズムを刻む。

♪ 解き放て 荒ぶる獅子を
♪ 研ぎ澄ませ 闇より深く・・・

「ありがとう!!みんな、ありがとう!乾杯!!......よし、2曲、やるか!?」振り返る宇田川、頷くジョーカー。
高速のドラム、ギターの速弾きから。始まった!『Bastards』
客たちも声を合わせる「♪ Bastards!♪ Bastards!♪Bastards!」
効果するジェット音のスクラッチからライトハンド!ベース・ 前川も同時にライトハンド!
疾走する音が、渦を巻いて客たちに向かう。熱と波に射抜かれ、声を揃えて「♪ Bastards!♪ Bastards!♪ Bastards!」
会場の盛り上がりっぷりに、前川はベースを高く掲げた。
感激に咽ぶ、宇田川。「カッパーンク、毎年サイコー!ほんと、ありがとーっ!!」

ラスト1曲!
宇田川が客席を見据えて叫んだ!『Chaosdragon Rising』!
印象に残る、特徴的なイントロ。ドラムのリズムに身を委ね、ベースと呼吸を合わせ、ギタリストの身体は音になった。
おなじみの、単音速弾きのギターソロ。弾き終えると、ピックを持つ右手を高く掲げ、声を合わせた。
「♪ Chaosdragon Rising!♪ Chaosdragon Rising!」

ボーカルのシャウトを浴びて、6弦が鳴る。指板を駆ける、力強いフィンガリング。
全身全霊でのピッキング。あと1フレーズ、あと1小節。そして、残る力で、最後のピックを振り抜いた。

マーシャルの沈黙を待っていたかのように、大関は、笑みを浮かべて、ギターを高く掲げた。

前川もベースを高く掲げた。そして、互いの楽器を交差させた。

宇田川は満面の笑み。「ありがとう!サイコーに楽しんでいってくれよ!ありがとう、カッパーンク!!」

14時。歓声の中、幕が下りた。大関は、ノーマスクで、闘いを終えた。4人のパフォーマンスは、客の心に、忘れえぬ時間を刻み付けた。

『KAPPUNK 2023』ベース・前川と、ストラトを交差させる大関(撮影:キャッツ氏)

襲い来るダメージ。恐怖の反応。香害さえ、なければ。

演奏が終わるや、物販がにぎわい始めた。感激の、証だ。大関も、15時30分まで踏ん張った。『TERROR SQUAD』の後に、『BAREBONES』が出演するから、これも見たかった。
だが、激しさを増すプレイの中での、長時間の弱い曝露は、負荷となってのしかかっていた。そのことに、ステージ上では、気付いていなかった。滞在時間は、4時間に達しようとしていた。先に、ひとり、車に乗り込んだ。

苦しかった。目に染みて、頭痛。香水に曝露したときの症状だ。顔も腫れぼったい。
肺が押しつぶされるかのような、鈍痛。初めての症状だった。恐怖を感じた。
放心状態で運転していた。意識が朦朧としているわけではない。鮮明な意識を置き去りにした感覚。突然、ひどい眠気に襲われた。抗いようのない「眠気」だ。
危険を回避しつつ、慎重にハンドル操作。怖かった。17時前、やっとの思いで、自宅にたどり着いた。まだ手が震えていた。

入浴して、身体に付着した有害物質を洗い流す。鼻うがいも繰り返した。だが、息を吐けば、身体の中から、香水のニオイが噴き出してくる。
これほどまでにニオイが続くとは。不思議だ。通常、ヒトは同じニオイを長く嗅ぎ続ければ、嗅覚疲労を起こすはず。だから、香害製品ユーザーは、さらに強い香りをもとめて、使いすぎる。
だがオレは、身体の中に残るかすかなニオイを、まだ、はっきりと、感じている。まるで、脳にニオイが突き刺さっているかのように。
なぜ、嗅覚疲労が起こらないのか。馴化しにくい香水が蔓延しているのだろうか?

ひょっとしたら、カナリアたちは、馴化しにくい嗅覚を備えているのだろうか?

『TERROR SQUAD』は、スラッシュメタルに分類されるバンドだ。にもかかわらず、大関は「メタルの歴史や楽曲に詳しいわけではない。」
広く浅く多くの曲を聞き流すタイプではなく、気になる曲を繰り返し聴くタイプだからだ。映画でも、本でも、同じコンテンツを繰り返し楽しむ。視点を変えて、没入し、新しい発見に、心躍らせる。大関にとって、この世界は、いつも新鮮だ。
同じ曲を何度も演奏することになるが、飽きることはない。ステージにも、常に、新たな気持ちで立つ。26年間勤めてきた郵便局では、ルーティンワークも少なくなかったが、淡々とこなした。仕事は、好きだ。
繰り返される同じ情報に、すぐに慣れて飽きる人もいれば、飽きることなく対峙できる人もいる。カナリアの五感には、未知の、優れた特性があるのかもしれない。

「香害をトリガとして発症した化学物質過敏症は、『病気』とはいえない」と、大関は考えている。「これは、公害による、健康被害だ。」
曝露しなければ、いたって健康。それどころか、元気が有り余っている。海外で、パワフルなステージをこなしてきた人間だ。以前の空気の中でなら、以前の生活を送ることができる。
香害さえ、なければ!

機序は不明。エビデンスはない。未解明の部分は多い。ただ、被害の事実は、ある。

明けて翌日。肺の痛みが、治まってきた。眠れそうだった。facebookに感謝の気持ちを1行だけ投稿した。
「ありがとう、カッパンク!」

加速する無香害への動き。まだリスクを知らないユーザーへ、届け。

香りがつらい、除菌抗菌製品で体調を崩す、というポストが、じわり増えている。大関以外にも、アーティストやタレントから、化学物質過敏症の発症をおもわせるポストがある。それに呼応するかのように、取り上げるメディアも増えてきた。

2023年09月26日、『弁護士ドットコム』が、香害に関する記事、『顔に殺虫剤吹きかけられたような症状」香害の増加、消費者団体が訴え コロナで増えた抗菌製品に危機感』を掲載。

9月29日には、EUで、規制に関する動きがあった。
EUがマイクロプラスチックを放出する製品の販売を禁止。洗剤や柔軟剤も対象となる。

10月1日、YouTubeで、消費者講座「暮らしの中の有害物質」が配信された。講師は、「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」の理事で、「香害は公害」の著者、水野玲子氏。

10月3日、小田原市の『みなみぐち薬局』が、香害対策をテーマに発表。

10月4日、朝日新聞デジタル「アピタル」に、香害リーフレットの記事『合成洗剤や柔軟剤による「香害」、日本消費者連盟がリーフレット作成』が掲載された。

10月7日には、Yahoo!ニュースに、香害の記事。「『香害』被害は、なぜ機能が『長続きする」ことで増えるのか

『ABEMA Prime』は、過去の香害関連放送をもとにした動画、「『日用品の化学物質に反応』柔軟剤や農薬がリスクに?ラベルの成分表示は丁寧?防毒マスクを着用する女性当事者の苦悩とSOS」を、Youtubeに公開

中央大学で10月末まで開催のパネル展『化学物質過敏症・香害・SDGs』には、続々と閲覧者が詰めかけている。多数のメッセージが寄せられ、SNSで共有、拡散されている。

大気中マイクロプラスチック研究の第一人者、早稲田大学・大河内博教授の研究は、海外で高く評価されている(※1
富士山での観測で、雲水中にマイクロプラスチックを確認、特徴や起源を解明したというものだ。海洋マイクロプラスチックが輸送された成れの果てである可能性を示唆した。雨水が汚染されれば、われわれの健康に甚大な影響が及ぶ。
柔軟剤に含まれる香料マイクロカプセルの壁材には、メラミン樹脂などプラスチック製のものもあり、今このときも環境中へ流出し続けている。類似の動態で環境を汚染する可能性が、危惧される。

このような、香りを長持ちさせるマイクロカプセルなどの製法中止をもとめて、香害を啓発している3団体、「香害をなくす議員の会」「香害をなくす連絡会」「カナリア・ネットワーク全国」が、メーカー3社に対し、キャンペーンを開始。Change.orgで、「STOP!マイクロカプセル香害」という署名運動を展開中だ。

都内の様子も、ほんの少しだが、変わりつつある。

昨年の大晦日『新宿 ANTIKNOCK』でのライブ『BURNING SPIRITS NEW YEAR EVE 2023』で、無香害を呼び掛けた、『Forward』ボーカル・Ishiya氏が、大関に情報を寄せた。それによれば、『パセラのコワーク、東新宿店』には、店舗が独自で作成した、無香料をお願いする旨のポスターが貼ってあるという。

「香害を知らせる地道な活動は、無駄ではないんだ!」
大関は心を新たに、音楽に、啓発に、力を注ぐことを、決意した。

無香害の日本を取り戻せ。ふたたびのツアーを夢見て。

『BAREBONES』の長谷氏が、大関のfacebookページに、コメントを寄せた。「ツアーとか行きたいね」
大関が応じる。「先日のライブは、いい企画だった。」―――今は、それ以上、返すことばがなかった。
もちろん、大関も、願っている。『BAREBONES』とのツアーなんて最高だ!空気事情を気にすることなく、おもいっきり、演奏したい。

バンドマン仲間や関係者たちの周知活動により、ライブハウスの無香害化は、進み始めている。しかし、移動手段と、宿泊施設の問題が残る。
香害啓発者たちは、地下鉄やホテルなどに要望を投稿、無香害のホテル情報を共有して拡散するなど、動いてはいる。だが、企業側の理解が追い付いていない。香害原因製品をアメニティに採用するホテルさえある。

香害原因製品のパワーユーザーがひとり利用するだけで、拡散した大量の化学物質が、空間に滞留する。換気でも空気清浄機でも除去できない成分が蓄積していく。大関らカナリアたちが利用することなど、できるはずもない。
街中にも、危険が潜む。曲がり角や、辻。換気扇。用水路。道に面する業務用エアコンや乾燥機の排出口。コインランドリー。あちこちにある、濃縮スポット。いつ、どこで、激しく曝露するかわからない。

一向に改善しない空気事情。環境中に流出し続ける化学物質。この誤った清潔ブームは、いつ終わるのか。蓄積した有害物質を除去する技術は確立できるのか。

答えのない問いを発し、悩み、考え抜いて、心の中にできた空洞。それは、かすかな痛みだ。
刺さって抜けない棘のように、パフォーマンスを封じられたステージが、記憶の底で疼く。
呼吸を破壊されて、死んだほうがマシかとおもうほどの日々。そう、つぶやくこともある。だが、オレは死にたいわけじゃない。
オレはオレの音楽、唯一無二の音を創る。創るべきもの、形になるのを待っている音が、オレの中にある。
苦い記憶に蓋をして、夢を見る。かつて演奏したハコが、共演者たちの熱演が、客たちの歓声が、よみがえる。

オレは生きる、生き抜いてみせる。「ロックバンドが香害啓発の先頭をきるぐらいの気持ちで!」

いつか、いや、近い将来。ふたたび、全国に、6弦は響く。

 


記事中写真

(上)防毒マスク姿で演奏する、ギタリスト・大関(撮影:『BxTxW』RATCHI氏)
(下)『KAPPUNK 2023』ベース・前川と、ストラトを交差させる大関(撮影:キャッツ氏)


セットリスト / 音源情報

※CDは、残念ながら完売。アルバム2枚は、bandcampで、試聴・購入できる。

9月30日(西横浜 EL PUENTE)

10月1日(町田市 Live & BAR Nutty's)

  • Straight to Hell
  • Born Defector
  • Survival for Conflict
  • (MC)
  • No Wrong Way
  • Bastards
  • 闇より深く...
  • (MC)
  • Chaosdragon Rising
  • (MC)

アンコール(カバー曲)

Motörhead - Ace Of Spades (Official Video)

10月8日(新宿LOFT)

  • Straight to Hell
  • Born Defector
  • Survival for Conflict
  • (MC)
  • No Wrong Way
  • Hellbound Deathboogie
  • 闇より深く...
  • (MC)
  • Bastards
  • Chaosdragon Rising

ライブ・スケジュール

ご来場の際には、フレグランス・フリーを心掛けてくださいますよう、お願いいたします。

11月11日(土) ダブルレコ発『METAL ANARCHY TOUR STRIKES BACK
『両国 SUNRISE』16時半開場、17時開演。
フライヤーの裏面には、「香害」啓発チラシが印刷されている。
予約はリンク先アカウントにリプまたはDM。

12月16日(土)SHELLSHOCK主催『Abstract Dischord Vol.4
『新大久保EARTHDOM』16時半開場、16時半開演。
SHELLSHOCK、324、TERROR SQUAD、SHADY GLIMPSE、DISASTER、泥虎。超速バンドの競演!!
チケット発売:9月23日(土)、各バンド予約:9月16日(土)

12月22日(金)DIE YOU企画『Black X'mas
『新大久保 EARTHDOM』19時30分開演。
BASTARD! / TERROR SQUAD、2マン!

最新情報は、『TERROR SQUAD official『TERROR SQUAD』サポート を参照。

2024年3月17日(日)憎まれっ子世に憚る十六巡目
『西横浜 EL PUENTE』昼企画。
SLIP HEAD BUTT、DEEPCOUNT、享楽ツインテールの日、#STDRUMS、TERROR SQUAD。
詳細は今後発表、『『TERROR SQUAD』サポート を参照。


※1 早稲田大学・大河内博教授の研究

動画:『『Plastic Cloud: New Study Analyzes Airborne Microplastics in Clouds』(Wed, Sep 27, 2023)
論文:『Airborne hydrophilic microplastics in cloud water at high altitudes and their role in cloud formation
解説(日)『雲水の野外観測で初めてマイクロプラスチックの存在を実証
解説(英)『Plastic Cloud: New Study Analyzes Airborne Microplastics in Clouds


※本稿は、関係者の公開ツイートや投稿をもとに、情報を再構成したものです。

「6弦のカナリア」目次

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