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テレワークが、危ない! 知っておきたい、新たな生活習慣病 ~新刊「NAFLD/NASH オーダーメイド・ケアの実践と課題」~

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テレワーカーの健康リスク!
動かず食べる、その生活を続けたら、NAFLD/NASHへ一直線!

通勤も外出も減り、デスクの前に長時間。運動不足、カロリー過多に陥りがち。
テレワークで太る」「自粛のコロナ太り」という声もきこえてくる。
ましてやイベントともなればロゴ入りスウィーツも楽しみのひとつ、甘党の少なくないIT業界。おやつも適量を超えれば蓄積していく。

その先に懸念されるのは、生活習慣病。
とくに危険なのが、NAFLD/NASH。近年増加傾向にある肝臓の疾患だ。
非アルコール性」であり、飲酒習慣のない人を脅かす。

NASHともなれば、未治療のまま放置すると、肝硬変、肝細胞癌へと進行するリスクもある。だが、肝臓は沈黙の臓器、自覚症状で発症に気づくことは難しい。

テレワーク太りからの、NAFLD/NASHの先駆け

以前から、このブログでも取り上げているように、筆者の相方は、その先駆けになっている格好だ。
発症のきっかけは、退職して在宅ワーカーになったこと。
運動不足のうえ、おやつに手がのびる生活。生活環境の変化は、疾病を生む素地になる

ビールひとくちで真っ赤になるほどだから、当然、酒は1滴も飲まない。にもかかわらず、血液検査と肝エコーの結果に赤信号がともった。さらには、糖尿病予備軍・高尿酸値・高LDL・低HDL・高血圧に。

食事内容を見直して、3カ月で、肝機能が改善!

現時点で、NAFLD/NASH治療の決定打はない。
だが、食事内容を見直せば、改善する可能性はある。

ふたりの医師からの「痩せれば治る」という指導に、食の見直しが始まった。
筆者が食事管理に乗り出して3カ月。肝機能は回復した。
その結果は、次のとおりだ。

食事改善開始3カ月後の健康診査結果(2015年7月~2015年10月)
  • AST(GOT)117→38
  • ALT(GPT)98→41
  • γ-GTP 97→42
  • ZTT 17.6→13.1
  • 尿酸 7.4→6.3
  • 血糖値 124→81
  • 体重 83.6→69.8

リバウンド、そして、再回復。成功事例の説得力!

回復や予防の一助になればと、食事改善方法の本を企画したのが、2016年。ところが、昼食の管理を本人任せにしたところ、みるみるリバウンド。
患者の自助努力が課題として残り、企画を見直した。

そして現在。
2020年12月3日の健康診査結果は、次のとおり。回復している。

  • AST(GOT) 39
  • ALT(GPT) 33
  • γ-GTP 70
  • 尿酸 5.6
  • 血糖値 87
  • 体重 74.2

改善の具体的な方法から課題までを一望できる一冊

こうした数字を見れば、気になるのは、肝機能を回復させた具体的な方法だろう。
そこで、3カ月で危機を脱した献立や調理の工夫を、1冊に詰め込んだ。

また、発症前にさかのぼって背景を探り、患者の生活史の中にある原因をあぶりだした。
この情報は、未発症の人の予防に役立つだろう。

さらには、NAFLD/NASHになると激変する生活を活写した。
患者自身の問題にとどまらず、生活や家計への影響から、健康福祉行政に与える社会的インパクトまで、多角的に考察。
個人の疾病が、家族や社会にもたらすリスクについて、警鐘を鳴らしている。

詳細な記録と、改善過程で噴出した課題。その解決策。

本書は、肝機能回復の成功事例のレポートにとどまらず、NAFLD/NASHをはじめとする生活習慣病の重大性と、予防の重要性を伝える一冊となっている。

NAFLD/NASH 非アルコール性脂肪性肝疾患 オーダーメイド・ケアの実践と課題」Kindle版

詳細な献立表、長期にわたる健康診査結果・体重・血圧の記録、患者の心理がわかる、ダウンロード・サービス付き!(URIは書籍内に記載)

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目次

第一章「回復」データに見る回復のプロセス

1.1. 3カ月で現れた食事改善の効果
1.2. 食事改善以前の健康状態
1.3. 通院履歴

第二章「背景」食事改善開始にいたる経緯

2.1. 患者の属性
2.2 保健所による指導
2.3 出力の問題
2.4 ウォーキングアプリの開発
2.5 生活改善、決意のきっかけ

第三章「実践」食事改善の実践

3.1 モチベーションの維持
3.2 献立立案の方針
3.3 調理の工夫
3.4 家族の協力体制
3.5 ファッションの利用

第四章「考察」食事改善上の課題

4.1 患者と料理担当者の考え方の違い
4.2 健康情報の取捨選択と解釈
4.3 患者が提供する情報の正確性

第五章「社会」社会の中のNAFLD/NASH

5.1 NAFLD/NASH放置による二大リスク
5.2 家計に与える影響
5.3 わが国における諸問題
5.4 食と水のサステナビリティ

第六章「提言」情報化社会における健康管理

6.1 コンテンツによる啓もう
6.2 食育と生活教育の見直し
6.3 予防と改善のビジネス
6.4 ITによる生活支援プラン
6.5 医療関係者に期待する指導

第七章「現実」再発防止のための自己管理

7.1 NAFLD/NASH克服後の課題
7.2 ロジスティクス・サポートの再評価
7.3 サーボコントロールのバージョンアップ

第八章「展望」ソロ社会の、セルフ・オーダーメイドケア

8.1. 分業による協働から、一人完結へ
8.2. 個体単位の、オーダーメイドケア
8.3. 生活習慣病完全対応の社会に向けて

付録

ダウンロード資料
血圧と体重の推移
K氏のfacebook投稿
献立表

詳細な目次(筆者サイト内)

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