ソーシャルメディアマーケティングへ3億ドル投入した米国ウォールマート「@Walmartlabs」について
高失業率、景気回復の遅れを受け、8月の米国小売業界売り上げは滞りを見せた。小売世界最大手の米ウォールマート・ストアーズも例外ではなく、同社の業績は3年連続で下落している。「毎日低価格」をモットーに築かれた巨大企業だが、近年は競合との接戦が続き、最近の調査では消費者はもはやウォールマート・ストアーズが一番安いとは思っていないという結果が出ている。
もともとウォールマート・ストアーズはリテイルリンク売り上げデータシステムを使って、顧客のカートの中に入っている商品を分析し、トレンドを見極めてきた。しかし、今では他社もデータベースを使ったプログラムを導入する等競争は激化、何か手を打たなければならないのは明らかだった。その期待を一心に背負うのが「@Walmartlabs」だ。このチームを率いるのはウォールマート・ストアーズが今春3億ドル(約240億円)で買収したKosmixのVenky Harinarayan氏 とAnand Rajaraman氏だ。Kosmixという会社は膨大なソーシャルメディアのデータをモニターし、企業が商品やブランドに対する消費者の意見を把握するためのサービスを行っていた。
@Walmartlabsが現在力を注いでいるのは、ソーシャルショッピングとモバイルコマースで、多数のアプリを作成中だ。中でもユニークなのはShopycat というアプリでユーザーのソーシャルメディアプロファイルを使ってギフトのアイデアを提供するというものだ。
現在ソーシャルゲームが注目を集めているが、これからの時代のショッピングはFacebookのような場所で行われてゆくだろうとHarinarayan 氏は読んでいる。両氏は共にAmazonで働いた経験を持ち、「本や音楽はAmazonがやっているように顧客の過去の購買記録から予想することができるが、それ以外のギフト等は、顧客の興味を持っている内容がわかるソーシャルメディアを利用するのがふさわしい」と考えている。又、ソーシャルメディアを使ってWalmart.com上で将来の購買活動を予想すべく開発中だ。そうなるとWalmart.com上での検索や製品のお勧めをパーソナライゼーションすることもできる。
更に@WalmartlabsはKosmixから引き継ぐそのソーシャルメディアの専門データを利用し、ソーシャルメディアの情報をつかってリアル店舗の品揃えを変えるという試みもしている。例えば@Walmartlabsが所在するカリフォルニア州のマウンテンビュー地域の住人はサイクリングとテクノロジーに興味をもっていることがデータ上わかっており、それに合わせて店舗の品揃えを調整するという具合だ。日本で言えばドラッグストアが豊洲店と大宮店で品揃えを変えているのと同じだが、それを住人のデモグラフィックではなく、ソーシャルメディアのデータを元に変えているのだ。
つい先日も全米企業エコノミスト協会が米国経済の低迷が長引くという調査結果を発表している。景気回復の見込みは薄く、小売店の競争はますます激化されてゆくと思われるが、商品価格を下げるには限界がある。そんな中ソーシャルメディアの力を使っての取り組みがアメリカで始まっている。
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