「営業改革の教科書」日経BP社より出版
2026年2月に「営業改革の教科書」が出版されます。
「業務改革の教科書」の姉妹本であり、特に営業組織改革をターゲットにした書籍です。
(特にBtoBの営業、BtoCの中でも高額商品を扱う営業組織を対象としています)
ここでは、なぜこのような本を書いたのか、見どころは何かを紹介していきます。
なぜ『営業改革の教科書』を書いたのか――"施策名の先"までやり切るために
営業は、どの会社でも「最後の砦」であり「会社の顔」です。
ところが現場に入ってみると、成果が個人に強く依存し、組織としての再現性が担保されていないケースを多くみます。トップ営業の技を誰もが再現できる形に落とし込めていない、部門間の役割が曖昧で摩擦が起きる、会議が情報確認で終わって行動が生まれない――こうした"営業あるある"を、業界や商材を超えて何度も目にしてきました。
本書を書いた最大の理由は、この「個人技偏重・属人化」を乗り越え、営業組織全体で成果を出し切るしくみを、理論ではなく実装レベルまで提示したかったからです。
さらに言えば、営業組織が抱える課題は業界・商材が違っても驚くほど似ています。
「営業領域のありがちな課題一覧」を各社に見てもらうと、「当社の課題リス トのようだ」というコメントを本当によくもらう。業界も、扱っている商材も、売り方も、差別化要素も違うのに、不思議と困りごとは一緒なのです。
以下の図は、「営業組織の定番の課題」です。
【営業組織の定番の課題と施策】

皆さんの組織でも似たようなことに困っていませんか?
困りごとが似ているので、「必要となる打ち手」もほぼ同じになります。
例えば、「営業支援システムの導入」や「非本来業務の移管・集約」などは多くの会社で有効な施策ですよね。困りごとも、施策も似ているにも関わらず、ほとんどの会社で営業組織の改革はうまくいっていないのですよね。・・・それはなぜなのか。
それは「施策を機能させるためには、各社の特色や状況を徹底的に汲み取らないといけない」からだと考えています。つまり「施策名より先」は各社独自の取り組みが求められ、他社をまねることはできない。
例えば、「営業支援システムの導入」という施策名は各社一緒でも、何を実現するためにどの情報をどの頻度で入力するのか。入力したものをどのように使って、どう営業の行動を変えるのか。営業の行動の結果をシステムにどう入力するのか。そこからどのようなレポートや分析を行い、長期的な活動につなげるのか。こうした部分は各社で全く異なり、100社あれば100通りのやり方があるのです。
こうした「施策の具体化・実装」の検討が圧倒的に足りていないのです。
「競合他社が営業支援システムを導入しているので、うちでも導入する」でも構わないのです、重要なのはその先で、自社の状況を踏まえた独自の運用方法を見出す必要があるわけです。
本書ではまさに「具体化」と「定着」に言及したかった。施策を駆動させる大事な要素です。
こうした背景から、本書には4つの特徴があります。
特徴①:4部構成で「理解」から「定着」までを一直線に
本書は、改革の実務フローに沿って4部構成でまとめました。
- 第1部 営業組織改革のツボ(取り組みでの落とし穴を理解する)
- 第2部 改革の進め方(構想を描く)
- 第3部 王道施策15選(施策を具体化する)
- 第4部 変化への対応(展開し定着させる)
「定着」までもっていくためには、構想策定だけでは足りません。3部で具体的な施策検討の流れを解説し、4部でそれらを定着させるノウハウを詳説しています。
特徴②:三大コンセプト「解放・価値・管理」で取り組みに筋を通す
営業改革にはしばしば矛盾が生じます。"自由度"を高めたいのに"標準化"も求める、"顧客価値"を伸ばしたいのに"内部効率"も必要――これらを対立軸にしないために、本書では三大コンセプトを提示しています。
・解放:営業が本来業務に集中できるように、非本来業務を減らし、迷いをなくす。
・価値:顧客への提案力と提供価値を伸ばす。
・管理:活動とパイプラインを見える化し、ガバナンスを効かせる。
コンセプトを先に言語化し、やらないことを決めてから施策を選ぶ。この順番が、バラバラの改善を一つのストーリーに束ねます。
特徴③:王道施策15選を網羅し、施策を選ぶところから指南
多くの書籍が、特定の施策に特化していますよね。例えばインサイドセールスの導入や、SFAの導入など。ところが、そもそも営業組織に必要な施策は無数にあり、何をどの順番で取り組むかが難しい。そして、施策を自社に合わせて具体化していく検討がまた難しい。
施策をどう選び、どのように検討していけば良いのか、これを王道施策15選として解説しました。現在皆さんが取り組んでいる施策がすでにあるなら、このパートを読むだけでも良いでしょう。

特徴④:定着へのこだわり
改革を成功に導くためには、施策の実装だけでなく組織内での「変化の受容と定着」が不可欠です。
今回はここに力を入れました。
変革受容曲線(無関心→理解→共感→行動→推進)をベースに、共感者の形成、行動者の育成、推進者の支援方法を具体的に紹介しています。
こんな方に読んでほしい
営業組織全体にフォーカスを当てて、網羅的かつ上流から定着までの進め方を詳説した本は少ないと思います。
以下の様なことにお困りなら、是非本書をお供に。
- 施策は決めたが、具体化と定着の壁にぶつかっている
- SFAは入れたが、会議と行動が変わらない
- マネージャーが属人化に苦しみ、育成に追われている
- 個人事業主の集団から脱却して、組織で戦う営業にしたい
目次も載せておきます。
良い本に仕上がったと思っています。ご贔屓にどうぞ。
- 第1部:営業組織改革のツボ
- 営業を取り巻く困りごと
- 営業組織改革の「三つの誤解」
- 営業組織改革の全体像
- 第2部:改革の進め方
- ゴール明確化(Concept Framing)フェーズ
- 調査分析(Assessment)フェーズ
- 構想策定(Business Model)フェーズ
- 方針合意(Decision)フェーズ
- 第3部:王道施策15選の勘所
- 自己定義の見直し系施策
- 営業活動の明確系施策
- 組織的営業力の強化系施策
- 本来業務への集中系施策
- 非対面営業の戦力化系施策
- 人材育成系施策
- 第4部:変化への対応
- 変革受容曲線で人の気持ちをマネジメントする
- 展開戦略を練る
- PJチームから既存組織に定着化の役割を引き継ぐ