子どもの読書量は増加中。年間240万部!大人の知らないミリオンセラー講談社「青い鳥文庫」
先日知人が、ブランド研究で知られる田中洋教授の講演で、世界に類を見ない「児童向け文庫のマーケティング成功事例」を聞いたとのこと。大変興味深かったのでご紹介します。
今年で創刊30周年を迎える講談社の「青い鳥文庫」は、ユニークなマーケティング手法で、年間240万部を売り上げています。
青い鳥文庫は、1980年に古典作品の少年少女向け文庫版として出発し、90年代からオリジナル作品の制作を開始したところ、初版10万部のヒット作品が生まれ(村上春樹の初版に相当!)部数はこの5年で150%に増加。その理由は何なのかというと…
①じつは子供の読書量は増えている
毎日新聞の調査によると、ひと月の平均読書量は、小学生8.6冊>中学生3.7冊>高校生1.7冊という順番。近年子供の読書量は微増傾向にあります。
②ターゲット設定
読者層は「ヤングアダルト」と呼ばれる小学3年生から中学1年生で、女子が80%。世界的にも類を見ないマーケットを確立しています。私見ですが、この世代のほうがPCや携帯を自由に使えない分、大人よりも本を読む時間を持っているのではないでしょうか。
③エンゲージメントづくり
ウェブサイトで登場人物の名前や設定を募集したり、ファンクラブでジュニア編集者制度を設けて出版前原稿の感想や本の帯のキャッチコピーを考えさせたり、積極的に読者とのコンタクトポイントを作っています。製品のβ版を一部のコアユーザーにプレマーケティングする手法は他業界でも存在しますが青い鳥文庫のエンゲージメントは読者との距離感、密着度が非常に高く、またアウトプットにもうまく反映されることで読者のロイヤリティをますます高めています。
不況や少子化を言い訳にせず、マーケティング力で成功した「青い鳥文庫」。特に、徹底的な顧客との対話によるリサーチとエンゲージメントが、ロングセラーにつながっていると思いました。
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