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雪かきは公共心のメジャーであること、あるいは雪かき担当がいないとプロジェクトの成功がおぼつかないこと

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祝日の月曜日、首都圏では久しぶりに大雪が降った。インフラも人間側の装備も雪を想定していないから、たまに降ると混乱するのはある程度しょうがない。
そうは言っても翌火曜は普通に仕事に行かなければ。しかたないので、夕方、家の周りから雪かきを始めた。面倒くさいし寒いけど途中で面白くなってきて、駅に行く田んぼ道までは最低限歩ける様にしておいた。

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道路の雪かきって、どんだけやるか、悩みませんか?

・自分が困らなければ、雪かきしない
・自分の責任を果たす意味で、自分の家の前だけやる
・助け合いなので、隣近所の分もついでにやる
・公園の前の道のような、誰の責任でもないところもやる
(実際、歩道橋の階段をやってくれていた人がいて、とても助かった)



やり出せばキリがない。
最低限の義務みたいなものは果たさないと気持ちが悪い、という僕みたいな人もいるだろうし、「いやいや、義務とかそういうの考えてないから。出来る人がやるものでしょ」という方もいるでしょう。

日常に組み込まれ、公共サービスも提供されている雪国とは違って、首都圏の場合は、「住人の雪かきへのスタンス」はその地域社会の公共性を図るメジャーになるように思う。

・道を所有してはいないが、整える責任の一端を負っている
・自分よりもむしろ、他の歩行者が受けるメリットの方が大きい
・柔らかいうちにしておくと後が楽。一晩明けて、凍ってしまったらアウト

僕らの社会は、短期の損得をイチイチ気にせずに、サクッとみんなのために雪かきをするような大人を、どれだけ抱えているだろうか。
みんなが気持ちよく暮らせるためには、そういう人が一定数、社会に必要だ。



★プロジェクトにおける雪かき
プロジェクトの成功にも、サクッと雪かきが出来る人が一定数いなければならない。
プロジェクトではやることが一杯あるので、役割分担を明確にしてチームで仕事をする訳だが、どうしても隙間仕事や、広く薄くみんなの役に立つような仕事が残ってしまう。

例えば、
・課題一覧から漏れた課題を見つけて記載する
・テスト環境や会議室の様な公共資源を、全体最適の観点から配分する
・キーマンA氏とキーマンB氏が言っている事が微妙に違うので、2人を連れてきて会話させる
なんていう仕事だ。

こういう雪かき仕事を放っておくと、後で大きな問題に成長することが多い。プロジェクトの納期直前に、にっちもさっちも行かなくなる様な事が勃発することがある。こういう問題は、1ヶ月前に気づいて雪をどけておけば、なんてことのない話なのだ。
プロジェクトの成否は、こういう仕事を予防的に、さり気なく、潰しているかで決まる場合もある。


もちろん、ここに挙げた仕事はプロジェクトマネージャーの仕事と言ってしまうことも出来る。だが、こういう仕事はキリがないし、事前に定義しにくい。
何でもかんでもプロジェクトマネージャーに押し付け、結局やり切れないよりは、「気づいた人が率先してやる、雪かき仕事である」としてしまったほうがうまくいく。

ただし、「公共の仕事」とするためには、プロジェクトのメンバーに一定数の「大人」が必要だ。
僕らの会社(ケンブリッジ)はカルチャー志向の会社で、「Take Initiative」「Dedication」といった資質を社員に強く求めている。それは単にお互い気持ちよく仕事が出来るように、というだけではない(それもあるが)。
そういった公共心みたいなものは、プロジェクトの成否に直結しているのだ。


皆さんのプロジェクトには、雪かきを進んでやるようなメンバーがどれくらいいるだろうか?

Comment(2)

コメント

UMINO Kenichi

プロジェクトにおける雪かき的な仕事をした時に、雪かきしている事に気づかない、鈍感なメンバーが多くてどうしたものかと思ってましたが、まさに「雪かき」と思えば、いろいろ解決できそうです。

UMINOさん、こんにちは。
>雪かきしている事に気づかない、鈍感なメンバーが多くて

ありますよね。僕は「雪かき仕事に気づき、サクッとやる」というのも一つの能力だと思っています。(もちろん、鍛えることもできます)
それは、「業務の将来像を描ける」とか「データアーキテクチャを定義出来る」のと同じように大事な能力なのです。それらに比べるとぐっと地味ですが。
なので、雪かき仕事についても「出来る人」と「出来ない、またはやろうとしない人」がいるんですよね。

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