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連ツイ転載(2)あるいは復興大臣の哀れなツノガエル

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さっき電車の中からやった連ツイを転載しておきます。
火事場に強いリーダーってあこがれるよね。
(もっと格好いいのは、火事を起こさないリーダーなんだけど)

1) 例の、復興大臣恫喝について。もちろん僕も彼の人格に目をひそめたり、こんな人しかいない事を嘆きたいのだが、あえて少し別の話を。
それは「危機でのリーダーの振る舞い」っぽい話。

2) 内緒なのだが、中高時代は生物部だった。男子校の狭くて汚い飼育室でネズミやらアルビノツノガエルを飼育するという、まるでモテない青春。
そこである日、誰かが満杯の水槽を蹴破って水(と大量のツノガエル)が盛大に床に飛び散る、という事故が起きた。

3) その時隣にいた誰かの叫びが忘れられない。そいつは水がじゃあじゃああふれるさなかに「誰がやったんだよ!」と言ったのだ。
横にいた僕は、水がこれ以上こぼれない様に割れたガラスの手当をしながら「オイオイ、今、それはどうでもいいだろ」と憤ったのを覚えている。

4) その時に言語化した訳ではないのだが、ハッキリわかった事があった。「有事の時に、責任論みたいに喫緊じゃない事を言い出すヤツは放っておかれる」
大人になった今でも、会議でこういう人はいる。ニッコリ笑って「あ、ソレ話すのは今じゃなくて良いんじゃないですか?」と流しちゃうけど。

5) 今回の騒動では、大臣の品位とか言論統制とか中央vs地方とか、色々な論点があると思う。でも僕が思ったのは1つ。
あ、この人は有事のリーダーに絶対なれないタイプだ。だって、水がじゃあじゃああふれるさなかに言ったのが「正しいお出迎えの作法」だからね。

6) 「脳みそが何を優先的に処理するか」は中々意図的には変えられない。彼の意識が有事に向く頃には、すでに有事は終わっている事だろう。なにかイヤな形で。
彼の事をほとんどなにも知らないのに、ここまで断言するのはアンフェアかもしれない。でも、こういう経験則は当たるよね。

7) 彼が中小企業の経営者なら、彼の会社は生き残れないと思う。だって中小企業にはしょっちゅう有事があって、彼にはカエルは救えない。
でも、大臣にはなれる。よほど淘汰システムが機能不全なのか。それとも、カエルを救うより大事な能力が復興大臣にはあるのか。まさかね。

以上、有事のリーダーシップっぽいテーマの連ツイでした。 正直、「僕らが持ってる政治家は馬鹿だ」というコメントは、もはやわざわざ「王様は裸だ」という程の価値はない。誰でも知ってるし、言ってもなにも改善しない。
まあ、あっちには期待しないで勝手にやろうぜ。

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