ThinkPad X201sを購入した(CPU設定とバッテリ駆動時間の関係編)
ThinkPad X201sの各CPUの設定と駆動時間の関係に関して調べてみました。
ThinkPadには省電力マネージャーがついており細かい設定が可能です。
また、Core iシリーズはターボブースト機能がありますが、それがどの程度バッテリー駆動時間に寄与するのか調べてみました。
省電力マネージャーのシステム設定で設定できる項目は下記になります(注:アドバンス画面にしてください)。
・CPU最大速度:最高速度・自動・低速・最低速
・CPUディーパースリープ:有効・無効
・ファン制御:マックスパフォーマンス・バランス・ファンノイズ低減
・ディスプレイ・ブライトネス:15段階
・Intelグラヒィックス電源設定:Maximum Battery Life・Balanced・Maximum Performance
この中で、上位三つ(CPU最大速度、CPUディーパースリープ、ファン制御)に関して調査を行いました。
調査方法として以下の条件で行いました。
・ディスプレイ・ブライトネスは最高
・Intelグラヒィックス電源設定バランス
・シングルスレッドベンチとしてChrome 4.1でV8 Bencmark Suiteを無限に実行(V8 Benchmark Suite V5をいじってみた)
・bbenchでキーストローク有でバッテリ消費状況を確認
・約10分程度実行
・有線LAN接続
・CPU-ZでCPU周波数を確認
・Intelターボブーストテクノロジーモニターでブースト時のCPU周波数を確認
ここでV8 Benchmark Suiteを使用した理由は、私がよく使用する状況がブラウザだけのため、そのいじめとして行った。使用条件を加味するならばWiMAXのほうがよりベターだったかも知れないが、ここではCPUの設定でどのように変わるのか調査を目的としたため有線LANで行った。
バッテリ駆動時間に関しては、バッテリ使用率と時間から"残10%到達時間"を計算しました。
CPUの設定として"ThinkPad X201sを購入した(CPUの設定編)"にもあるとおりCPUコア数、HyperThreadingの有無も関係します。これも条件に入れました。
ただし、このまま全て項目を調査するとコア数(2)xHyperThreding(2)xCPU最大速度(4)xCPUディーパースリープ(2)xファン制御:マックス(3)=96パターンにも及びます。さすがに個人でやるには無理な量のため、2コア・HT有・最高速度・有効・マックスのデータを軸に調査項目を絞りました。
■CPU速度最大の違い(2コア、HT有、CPUディーパースリープ有効、ファン制御モードマックス)
コア数 | HT | CPU最大速度 | CPUディーパースリープ | ファン制御モード | CPU周波数(GHz) | ベンチ結果 | 残10%到達時間 (時間) |
2 | 有 | 最高速度 | 有効 | マックス | 2.80 | 4,414 | 2.56 |
2 | 有 | 自動 | 有効 | マックス | 2.66 | 4,242 | 2.81 |
2 | 有 | 低速 | 有効 | マックス | 1.20 | 1,969 | 4.02 |
2 | 有 | 最低速度 | 有効 | マックス | 1.20 | 1,873 | 4.02 |
2 | 有 | 最低速度 | 有効 | バランス | 1.20 | 1,823 | 4.20 |
■CPUディーパースリープ/ファン制御モードの変更(2コア、HT有、CPU速度最大:最高速度)
コア数 | HT | CPU最大速度 | CPUディーパースリープ | ファン制御モード | CPU周波数(GHz) | ベンチ結果 | 残10%到達時間 (時間) |
2 | 有 | 最高速度 | 有効 | マックス | 2.80 | 4,414 | 2.56 |
2 | 有 | 最高速度 | 無効 | マックス | 2.66 | 4,384 | 2.16 |
2 | 有 | 最高速度 | 有効 | バランス | 2.00 | 3,189 | 3.43 |
2 | 有 | 最高速度 | 無効 | バランス | 2.00 | 3,227 | 3.52 |
2 | 有 | 最高速度 | 有効 | ファンノイズ低減 | 2.00 | 3,229 | 3.43 |
2 | 有 | 最高速度 | 無効 | ファンノイズ低減 | 2.00 | 3,254 | 3.56 |
■CPUコア数/HyperThreadingの変更(CPU速度最大:最高速度、CPUディーパースリープ有効、ファン制御モードマックス)
コア数 | HT | CPU最大速度 | CPUディーパースリープ | ファン制御モード | CPU周波数(GHz) | ベンチ結果 | 残10%到達時間(時間) |
2 | 有 | 最高速度 | 有効 | マックス | 2.80 | 4,414 | 2.56 |
1 | 有 | 最高速度 | 有効 | マックス | 2.80 | 4,143 | 2.63 |
2 | 無 | 最高速度 | 有効 | マックス | 2.80 | 4,527 | 3.03 |
1 | 無 | 最高速度 | 有効 | マックス | 2.80 | 4,318 | 3.05 |
バッテリ駆動時間に関しては、1スレッドがほぼ100%使用されるベンチになっているため、通常のバッテリ駆動時間よりも短くなっていると思われます。このため、時間をそのまま比較するのではなく、比率的に見てください。
上記の結果からわかること以下のとおりです。
・ターボブーストさせるには、CPU最大速度を自由以上&ファン制御モードがマックスにする
・バッテリ駆動時はCPUディーパースリープを無効にする理由がない
・バッテリ駆動時間を最大にするには、CPU速度は低速にすべきだ
・コア数とHT有無の違いよって、シングルスレッドの性能に大きく寄与しないがバッテリ駆動時間を約20%伸ばすことができる
バッテリ駆動時間を決める一番重要な項目は、CPU周波数になります。また、CPU周波数はCPU最大速度の設定とファン制御モードで決まります。
もし、ターボブーストで最大速度まで必要ならば、CPU最大速度を自由以上に設定してファン制御マックスパフォーマンスに設定が必要です。バッテリ駆動が重要ならば、CPU速度を低速以下にして、ファン制御モードはバランス(低速までいくとファンノイズ制御が選択できない)に設定します。
また、その中間の性能が必要ならばCPU最大速度を自由以上に設定してファン制御をバランスに設定するれば良いです。
バッテリ駆動時の優先項目はユーザ毎に違うと思われます。このため、自分にあった設定を選ぶべきでしょう。ただし、多くの項目がありますが、実際は3パターンぐらいしかありませんが...
【ThinkPad X201s関係】
・ThinkPad X201sを選択した3つの理由
・ThinkPad X201sを購入した(ベンチ編)
・ThinkPad X201sを購入した(CPUの設定編)
・ThinkPad X201sを購入した(キーボード編)
・ThinkPad X201sを購入した(WXGA+の効果編)
・ThinkPad X201sを購入した(まとめ編)
・ThinkPad X201sを購入した(4セルスリムバッテリーの駆動時間調査)
・ThinkPad X201sを三枚におろしてみた