ThinkPad X201sを購入した(CPUの設定編)
前回は大まかなベンチを行いました。次はCPUの設定などを変更してベンチマークを動かしてみました。
X201sのBIOSではCPU関係の変更が可能です。AC電源時の性能に寄与する箇所は以下があります。
・Core Multi-Processing (Enabled/Disabled)
・Intel Hyper-Threading Technology (Enabled/Disabled)
・Intel SpeedStep tchnology (Enabled/Disabled)
・Mode of AC (Maximum Performance/Battery Optimized/Maximum Battery/Automatic)
Intel SpeedStep tchnologyがEnabledの場合は、Mode of ACのメニューが選択可能になります。
そこで、マルチスレッド(CINEBENCH R11.5のCPU)、シングルスレッド(Firefox 3.6でV8 BenchMark Suiteを1ページ実行)で調査しました。結果は以下のよういになっています。また、ベンチ実行時のCPU周波数も記載します。
コア数 | Hyper Threading | SpeedStep | スレッド数 | CINEBENCH R11.5 (CPU周波数) | V8 BenchMark Suite V5 (CPU周波数) |
2 | 2 | Automatic | 4 | 1.83 (2.26GHz) | 566 (2.80GHz) |
1 | 2 | Automatic | 2 | 1.10 (2.80GHz) | 560 (2.80GHz) |
2 | 1 | Automatic | 2 | 1.53 (2.53GHz) | 564 (2.80GHz) |
1 | 1 | Automatic | 1 | 0.84 (2.80GHz) | 563 (2.80GHz) |
2 | 2 | Disabled | 4 | 1.64 (2.00GHz) | 399 (2.00GHz) |
1 | 2 | Disabled | 2 | 0.80 (2.00GHz) | 408 (2.00GHz) |
2 | 1 | Disabled | 2 | 1.28 (2.00GHz) | 418 (2.00GHz) |
1 | 1 | Disabled | 1 | 0.61 (2.00GHz) | 399 (2.00GHz) |
測定したX201sに搭載しているCPUであるCore i7 620LMは、通常周波数が2.00GHzでTurbo Boosts時に2.80GHzまで伸びます。SpeedStepをDisabledにするとTurbo Boostは機能しません。
ここで面白いのは、CINEBENCH R11.5実行時の結果と周波数の関係です。
2コア&HT有りは、2.26GHzまでしか伸びません。また、2コア&HT無しだと2.53GHzまでしか伸びません。1コア&HT有りだと2.80GHzの限界まで到達します。無条件に2.80GHzまで到達しないのですね。X201sは、よりモバイル向けのノートPCのためなのかも知れません。
ノートPCの場合は廃熱能力によってTurbo Boostの効果が違ってくるのかも知れません。
Core iシリーズのHyper-Threadingは、1.3倍の性能アップすると言われています。このためCINEBENCH R11.5のCPUのベンチにおいて、コア数1&HT無しの数字に対して、コア数比、周波数比、HT有時は1.3倍すると各条件のベンチ結果に似てきます。
2コア&HT有り≒1コア&HT無し(0.84)x2x1.3x(2.26/2.80)=1.76
1コア&HT有り≒1コア&HT無し(0.84)x1x1.3x(2.80/2.80)=1.09
2コア&HT無し≒1コア&HT無し(0.84)x2x1.0x(2.56/2.80)=1.52
2コア&HT有り≒1コア&HT有り(1.10)x2x1.0x(2.26/2.80)=1.78
2コア&HT有り≒2コア&HT無し(1.53)x1x1.3x(2.26/2.56)=1.78
効率的なマルチスレッドソフトの場合は、計算どおりになりそうです。
シングルスレッドに関しては、予想通りほぼ2.8GHzの限界まで到達しています。このため、CPUの設定で性能差が出ません。
上記の結果からAC電源接続時は、2コア&HT有り&SpeedStep:Automatic以外を選ぶ理由がありません。ですが、バッテリー駆動時に面白い結果が出るかも知れないため時間を作って調べてみたいと思います。
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