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<フィギュアスケート>エフゲニー・プルシェンコ選手の本番力(後編)

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試合では緊張している

<フィギュアスケート>エフゲニー・プルシェンコ選手の本番力(前編)」の続きです。

プルシェンコ選手の人柄が好きになったので、日本人の選手以外では唯一熱心に応援していました。Youtubeで「プルシェンコ 『ニジンスキーに捧ぐ』 2004 RN 芸術点オール6,0」をヘビーリピートで視聴。ソチ・オリンピックの団体戦の演技もgorin.jpでヘビーリピートして気が付きました。

14歳の時から31歳まで動画を通してみると、年を取れば取るほど試合前に緊張していることに。特に2013年、2014年のロシア選手権では、私がみても緊張するほど、プルシェンコ選手(以下、ジェーニャ)の緊張度が高い。

  • 特に2014年は人口椎間板の手術をした後であること、
  • ロシア選手権で優勝しないと、ソチオリンピックには出場できないだろうこと

など、不安要因が多すぎたのだろうと思います。

演技が始まるとジャンプを次々決め、貫禄の演技。ロシアのファンが「ジェーニャ」と喜こんでいます。スピンやステップを観た印象は、全盛期に比べると体が重そうでした。しかし明らかに緊張していても、大きなミスはなく終えている。なぜなのか?

プルシェンコ選手の場合、

  • 20歳前後の超絶技巧、
  • トリノ・オリンピックでプッチーニの「Tosca(トスカ)」や「Caruso(カルーソー)」で名演技をしたことを思えば、

加齢やケガで衰えがでたとしても、現時点(31歳)では他の選手よりもまだポテンシャルが高い可能性が考えられます。とはいえ、プルシェンコ選手は人口椎間板の手術を受け、半月板の手術もしていますから、満身創痍です。

自分以外に信じられる存在

羽生結弦 選手はオリンピックは非常に緊張したと、インタビューで答えていました。4年に1回の大会に自分のピークがあうとは限らないので、どの選手も緊張するのだと思います。浅田真央 選手はショートプログラムから気持ちを切り替えて、気迫あふれる8つの3回転ジャンプを無事着氷させました。トリプル・アクセル成功以降の奇跡の瞬間をTVで観ました。

参考:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2014年 2/13号 [雑誌]

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浅田選手は、佐藤コーチやお姉さまなど、親しい人の言葉で気持ちが落ち着いたそうです。緊張した状態の中でも一定のクオリティのパフォーマンスを実施するには、メンタルのコントロールが欠かせないのだろうな、と感じました。

家族の存在

「自分以外で、心底信じられる存在」がいることが心の安定に繋がる場合もありえます。先日、プルシェンコ選手の棄権の是非を問うロシアの番組に、プルシェンコ選手、奥様のヤナさん、ミーシンコーチに加えて、お母様も登場して息子への想いを語っていました。自分が窮地に陥った時、自分を信じられなくなった時、守ろうとしてくれる存在がいると、心の強さに変わるのかもしれない、と考えさせられました。

ヨーロッパ選手権(2010年)の試合前に、ミーシン・コーチのベレ帽をいたずらして逃げている(?)動画がyoutubeにありました。心許せる人がそばにいることも本番力に欠かせなさそうに思いました。

>>「<フィギュアスケート>エフゲニー・プルシェンコ選手の本番力(完結編)」に続く

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  1. <フィギュアスケート>エフゲニー・プルシェンコ選手の本番力(前編)
  2. <フィギュアスケート>エフゲニー・プルシェンコ選手の本番力(後編)
  3. <フィギュアスケート>エフゲニー・プルシェンコ選手の本番力(完結編)

編集履歴:2014.2.22 20:48 太字を数箇所追加しました。ヨーロッパ選手権のあとにを追加しました。(2010年)

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