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チームQOWLの活動記録#5:社員のやりたい!を推奨しサポートする環境を維持する

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チームQOWLの活動記録~働きがいを高める4つの状態~最終回。

このシリーズ最後は、「社員のやりたい!を推奨しサポートする環境を維持する」という話だ。

連載目次:「チームQOWLの活動記録~働きがいを高める4つの状態~」

#1 働きがいのある会社トップ5社に共通していた「4つの要素」

#2 経営理念が伝播・共感された状態を保つ

#3 カルチャーを示し、社員が「当然だよね」と言う環境を保つ

#4 インターナルコミュニケーションをデザインし、良好な状態を保つ

#5 社員のやりたい!を推奨しサポートする環境を維持する(今ここ)

4つ目の要素は「社員のやりたい!」だった。

集まった5社すべてのオフィスにお邪魔したけれど、微妙に雰囲気が違えども、5社すべてに、なんというか熱量みたいなものがあった。うまく言い表せないが、オフィス全体から前向きな雰囲気が伝わってくるのである。社員が「働かされている」のではなく、「楽しんで働いている」雰囲気なのかもしれない。

実際に5社の方々と会って話すと、こういうコメントが出てくる。

「今度こんなことやってみようと思ってるんですよ」
「誰にも指示されてないんですが、これ、勝手にやっちゃってるんですよね。楽しくて」

依頼されていないのに、社員たちが勝手に色々やっているのである。
freeeでは「全社ミーティングがなんか盛り上がらないから、ミキサー買って導入しちゃいました。やっぱり音楽があると違うんですよー」なんて話も。

「え?それ誰かに指示されたんですか?」
「まさかー。俺が勝手にやってますよ。見て見て、この配線すごく苦労したんだけど、いい感じで仕上がってるでしょ?」
「設備は俺がこだわりましたけど、選曲は俺よりもむしろあいつがこだわってましてね。すごいんですよ、曲のセレクトが。わはは」

こういう話があっちこっちで出てくる。

◆なぜ「やりたい!」が大事なのか?

これはアメリカではメジャーなジョブディスクリプションの文化とは真逆の雰囲気だ。お仕事をキチンと定義して、決められた仕事をちゃんとやる、という考え方である。自分のお仕事以外は基本的にはやらない、お仕事が終わったらさっさと帰る、そんなドライな雰囲気とはぜんぜん違う。

5社中4社はアメリカ由来の企業なのに、なんだか面白い。

ジョブディスクリプション文化から見ると、余計な行動しているように見えるかもしれないが、一見余計に見える行動をする事で、疲れるどころかむしろエネルギーがみなぎる感覚がある。社員の「あ、こんな事やってみたい」を大事にすることで、活動エネルギーが高まり、エネルギッシュでハリのある会社ができてくる。

「やりたいことを、自由にやる」ことが、人間がエネルギッシュに、幸せに活動する上で欠かせないのだと思う。
だから、社員がやりたいことを自由にやれる環境、やることを後押しできる環境が重要だ。

ケンブリッジの37の経営方針書の中には「言い出しっぺ優遇」という項目がある。手を挙げた人、言い出した人を全力で応援する方針だ。やっぱり、自分から積極的に動いている人ほど、どんどんエネルギーを増していっている気がする。

◆QOWL各社での「言い出しっぺ優遇」施策

各社での「社員のやりたい!を推奨しサポートする環境を維持する」ための仕掛けを見てみよう。

ワークアウト(ケンブリッジ)
1日朝から有志で企画を練り、夕方に経営陣にプレゼンする。その場でGo/NoGoが即決まり、予算も付く仕掛けだ。スピード感を大事にしたいケンブリッジにはピッタリの施策だと思っている。
企画書など粗くていい、さっさとやってみよう!というわけだ。もちろんNoになる企画も多いけれど。
このワークアウト自体が、とある社員が言い出して始まった制度でもある。言い出しっぺ優遇。

プラスワン制度(ケンブリッジ)
本業のコンサルティングサービス以外で何かやりたいことがある場合、プラスワン制度を使う社員も多い。宣言すれば20%を本業以外に充てられる。コーチングを勉強する人もいれば、ITソリューションの研究をする人もいる。もっとも、この制度を使わずに勝手にやっている人も多い。

タスクフォース(コンカー)
コンカーではタスクフォースという仕組みがある。年に1度タスクを立ち上げ有志を募る。集まった人たちは完全ボランティアだが、会社が活動を全面的にバックアップするのだ。基本的には1年くらいの単位で動いているらしい。

挙手制で誰でも立ち上げられるプロジェクト型業務(gCストーリー)
誰でもいつでもSlackでチャンネルを立ち上げ、プロジェクトを始めることができる制度。オフィス環境改善や採用サポート、SDGsへの取り組みなどやりたいことを投稿して、一緒にやりたい人が集まったらプロジェクト化して進めていく仕掛け。

そもそも勝手にやる(freee)
freeeはある意味もっと雑。というか、文化として徹底している。色んな人に話を聞いてもみんな「勝手にやる」と言っている。彼らの文化である「アソビゴコロ=真面目にふざける」が浸透しているからなのだろう。
勝手にやっている人を、「いいね!面白そうじゃん!」と、自然とサポートする形が作れている。

◆あなたの会社はどうだろう?

さて、あなたの会社ではどうだろう?どんな状態で、何が不足しているだろうか?
自社の状況を客観的に見つめるために、自問自答リストを作ってみた。考えるきっかけになれば幸いだ。

Q社員たちはエネルギーにみちあふれているだろうか?
Q社員の「これやりたい」を、無意識に潰してしまってないだろうか?
Qリスクやコストばかり考えて、社員の行動力を削いでいないだろうか?
Qやりたいが出やすい環境、後押しする環境を作っているだろうか?



◆5回シリーズを通してのまとめ

数回に渡って、「チームQOWLの活動記録~働きがいを高める4つの状態~」を書き連ねてみたが、とにかくこの活動は、気付きや次のアクションにつながる物が多かった。

最後におさらいしておきたい。

①QOWLの各社は、偶然にも同じ4つの状態を作り出そうとしていた。

・経営理念が伝播・共感された状態を保つ

・カルチャーを示し、社員が「当然だよね」と言う環境を保つ

・インターナルコミュニケーションをデザインし、良好な状態を保つ

・社員のやりたい!を推奨しサポートする環境を維持する

この4つだ。
維持する、保つという語尾になっているのは、一度やったらおしまいではないということ。人は忘れるし、慣れる。環境も変化するし、大事にするものも変わる。考え続けて、やり続けないとダメなのだ。

②その実現のための施策は、各社で全く違う。

4つの状態を作り出すために各社がやっていることはバラバラだった。他社のやり方をそのまま取り入れてもダメで、自社にあった形を模索しないとダメなのだ。
今回、各社の多様な取り組みを見て色々と考えさせられた。


③自問自答することで、次の一手を探し出す。

QOWLの取り組みを受けて、ケンブリッジが新たに始めた施策はいくつもある。シャッフルランチ、カエルBar、パルスチェック、ケンブリッジで働く理由の書き下ろし、など...各社の取り組みはヒントにしているが、ケンブリッジなりにかなりアレンジしている。自問自答しながら自社に何が足りていないのか、どうすると自社に根付く施策が出せるか、考える必要がありそうだ。


以上。QOWLの活動は本当に気付きが多かったので、備忘録としてブログに書き残すことにした。
今後もQOWLの活動は継続するので、またまとまって来たらブログ上で報告しようと思う。




ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに所属するコンサルタント榊巻(さかまき)がお送りするブロク。
Havefun!(楽しもうぜ!)を合言葉に日々仕事をしています。ケンブリッジはお仕事の依頼も、一緒に働く仲間も絶賛募集中。

ケンブリッジのホームページにも記事が沢山載ってます。書籍も好評です。

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