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チームQOWLの活動記録#4:インターナルコミュニケーションをデザインし、良好な状態を保つ

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チームQOWLの活動記録~働きがいを高める4つの状態~
シリーズの第4回目。

今回は、「インターナルコミュニケーションをデザインし、良好な状態を保つ」という話だ。

連載目次:「チームQOWLの活動記録~働きがいを高める4つの状態~」

#1 働きがいのある会社トップ5社に共通していた「4つの要素」

#2 経営理念が伝播・共感された状態を保つ

#3 カルチャーを示し、社員が「当然だよね」と言う環境を保つ

#4 インターナルコミュニケーションをデザインし、良好な状態を保つ(今ここ)

#5 社員のやりたい!を推奨しサポートする環境を維持する

インターナル、つまり社員同士のコミュニケーションを計画的に促進していくということ。大企業ならわからんでもないが、それほど規模の大きくない5つの会社は、それを重視していた。

◆インターナルコミュニケーションがなぜ大事なのか?

多分いくつか視点があるのだが、僕なりの解釈を整理してみる。

① 社員同士がよく会話することで、心理的安全性が確保される
Googleの研究で有名だが、チームのパフォーマンスに影響を与えていたのは心理的安全性だったという話。
周りの目を気にせずに、常に本音で、思ったことを言い合える環境が成果に強く影響している。同じメンバーであっても、心理的安全性が確保されている時と、そうでない時とで明確に成果に差が出ていたという話。インターナルコミュニケーションを良好に保つのは、心理的安全性を高めることに直結する。

② 経営理念・カルチャーが伝播・醸成・共感される場が生まれる
先に挙げた、「経営理念が共感された状態を作る」「カルチャーが共感された状態を作る」のが大事だと書いたが、このためにインターナルコミュニケーションの場が有効に作用する。経営↔社員だけでなく、社員↔社員の対話も当然大事。

③ 社員のもやもやがすぐに解消できる
インターナルコミュニケーションが増え、心理的安全性が確保されれば、社員のモヤモヤした思いはすぐに場に吐き出され、解消されていくことになる。
風通しの悪い会社だと、社員が影で文句を言っていたり、一人で色々抱え込んでしまったり、不健全な状態になってしまう。コミュニケーションが活発だと、これが自然と治癒されていくのだろう。

④ 会社が明るくなる
社員が、雑談や冗談を言い合っている会社の方が雰囲気がいい。仕事柄色んな会社に出入りするが、この傾向はハッキリある気がする。シンプルだがこういう話もある。

おそらくこんな理由でインターナルコミュニケーションが重要になるのではないかと思う。QOWLの各社が明確にこれを意図しているのかはわからないが、インターナルコミュニケーションに相当力を入れているのは事実だ。各社の取り組みを見てみたい。

◆QOWL各社の取り組みはものすごく沢山ある

これは挙げ始めるとキリがないくらい、小さいことから大きなことまで色々やっている。カテゴリーに分けて列挙していきたい。

・一緒に何かする機会を設ける

タコランチ(freee)
他の部署のメンバーとランチに行くと食費が補助される制度。「タコ」は他部署のマネージャーとコミュニケーションランチに行く、の略らしい。

おむすびの会(gCストーリー)
月に1回全社員が参加する親睦会。少人数のテーブルに分かれて座り、業務で関わりの薄い他部署の社員とも深く語り合うことができる。

チームイベント制度(ケンブリッジ)
普段一緒に働いているメンバーが、ワンチームになるために親睦を深めるなら、そこに会社からお金を出しましょう。という制度。月1回、メンバーで飲みに行くことが多い。

遊び代一人2000円制度(コンカー)
コンカーでは年に数回、「一緒に遊びに行く」企画を立ち上げ、仲間を募り、一緒に遊びにいくらしい。一人2000円支給。

全員参加のオフサイトミーティング(ケンブリッジ、コンカー)
全員が参加して、丸々2日、会社について議論する取り組み。全員参加というのがポイント。

・オフィスを意図的にデザインする

ワンフロアへのこだわり(コンカー)
階が変わると途端にコミュニケーションが悪化するという信念の元、ワンフロアにこだわっている。また、フロアの中央には共有スペースを設けて各デスクからのアクセス距離を同じするこだわりよう。共有スペースで社員同士が交わることを狙って、オフィスをデザインしているのだろう。

他のフロアに行く必然性を作る(freee)
コンカーより規模の大きいfreeeだとワンフロアは難しい。その分、フリードリンクを特定のフロアに設けたり、休憩スペースを集約するなど、社員が特定のエリアに集まりやすい工夫をしていた。社員同士が交わる機会を、意図的にデザインしているのがよく分かる。コンカーとはやり方が違うが、結局、実現したいことはどちらも同じ。

完全フリーアドレス(ケンブリッジ)
オフィスレイアウトでいくと、ケンブリッジはまた少し違うことにこだわっている。社長であっても固定席は持たない。もちろん個室もない。全員が自由に動いて、偶発的なコミュニケーションが生まれるようにオフィスをデザインしている。

ルイーダの酒場(ケンブリッジ)
業後に社員がコミュニケーションしやすいように、社内に酒場がある。ドラクエで登場する、共に冒険するメンバーを集める、出会いと別れの酒場。ルイーダの酒場から名前を頂いている。お酒に詳しい社員が選りすぐりの銘柄を並べてくれている。金曜日ともなると、ワイワイガヤガヤやっている。freeeやコンカー、gCストーリーも、社内にBarスペースを設けていた。
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・1対1でコミュニケーションする機会を仕込む

RAVEメール(ケンブリッジ)
オフィスとは少し違った観点でいくと、お互いに感謝する機会を設けている会社も多かった。例えばケンブリッジでは、感謝をメールで送る仕掛けがある。思いついた時に即、1on1でメールが送れるのがなかなか良くて、気軽に利用できる。言葉に出して感謝すると、やっぱりそこでコミュニケーションが生まれる。

旅行ボード(コンカー)
オフィスの真ん中に世界地図。行ったこととのある場所に、自分の名前のシールを貼っていく。
見てるだけでも面白い。ボードの前で「え?斉藤さん、ブエノスアイレスに行ったことあるんですか?どんなとこでした?」みたいな会話が自然に生まれるのが想像できる。これもコミュニケーションを促すための仕掛けだ。
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・社員の人となりを知る仕掛けを入れる

新入社員の動画紹介(コンカー)
新入社員に早く馴染んで欲しいという思いから、新入社員の紹介動画を作って流しているらしい。それも、人事部が作るのではなく、配属された部署が主体となって作るという。当然自然とコミュニケーションができるしなかなか良い取り組みだなぁ。

新入社員の一芸(ケンブリッジ)
ケンブリッジでの近い取り組みは、一芸披露。一発芸ではなく、一芸。どんな人間なのか知ってもらう事が目的だ。手品をする人も入れば、筋トレを披露する人、「◯◯をやってみた」というユーチューバーバリの動画を作る人もいれば、切り絵を披露する人、マイケルのものまねをする人、本当に人それぞれ。
でもこれをやると、自然と会話が生まれる「一芸何やるの?」とか「昔、伝説的な一芸をやったらしいですね?」とか。

パーソナルストーリーのプレゼン(gCストーリー)
これはgCストーリーの色がすごく出ている施策だった。生まれてから今までの人生、キツかった時期、良かった時期、転換点になった時期をバイオリズムで示してプレゼンする取り組みだ。
「大家族経営」を掲げ、人生を共に歩むのがカルチャーであるgCストーリーらしい取り組みだが、これによって社員間のコミュニケーションは抜群に良くなるそうだ。正直、ケンブリッジでは到底真似できない(笑

◆すべてはコミュニケーションのために。間違っても「福利厚生」のためじゃない。

ここに挙げたのは、ほんの一部なのだが、QOWL各社のインターナルコミュニケーションへの取り組みはとても活発だった。

活発なだけでなく、インターナルコミュニケーションに会社がキチンと投資をしていることも特徴的だ。例えば、各社共通して「社員がご飯を食べに行く」ことに対してお金を出している。めちゃくちゃ費用の掛かる全員参加のオフサイトミーティングをきっちりやっている。社内バーに投資をしている会社もある。

すべてはインターナルコミュニケーションを促進するための仕掛けなのである。

これは履き違えないようにしないといけない。

決して「社員満足度の向上のため」なんて話ではないのだ。「福利厚生の充実」なんてつまらない話じゃない。
例えば、社内バーも使う人だけが使えばいいし、作ったからおしまい。では意味がない。一人飲みが増えたって意味がないのだ。みんなが使ってそこで対話が生まれるように仕掛けていかないといけない。

◆あなたの会社はどうだろう?

さて、あなたの会社ではどうだろう?どんな状態で、何が不足しているだろうか?
自社の状況を客観的に見つめるために、自問自答リストを作ってみた。考えるきっかけになれば幸いだ。

Q 社員間のコミュニケーションに気を使っていますか?
Q 社員間で会話をする機会が、意図的にデザインされていますか?
Q コミュニケーションに投資していますか?
Q 制度を作って終わりではなく、コミュニケーションを促進するために手を掛けていますか?

次回は最終回。#5 社員のやりたい!を推奨しサポートする環境を維持する




ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに所属するコンサルタント榊巻(さかまき)がお送りするブロク。
Havefun!(楽しもうぜ!)を合言葉に日々仕事をしています。ケンブリッジはお仕事の依頼も、一緒に働く仲間も絶賛募集中。

ケンブリッジのホームページにも記事が沢山載ってます。書籍も好評です。

ダウンロード.jpg 抵抗勢力との向き合い方 
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