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チームQOWLの活動記録#2:経営理念が伝播・共感された状態を保つ

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チームQOWLの活動記録~働きがいを高める4つの状態~
2回目の記事だ。
前回は、5社の勉強会である「QOWL(クオール)」の活動を通じて、働きがいを高める4つの状態が浮き彫りになったと紹介した。
今回からは、それぞれがどんな状態で、なぜそれが重要なのか、そのために各社がどんな取り組みをしているのか紹介していきたい。

連載目次:「チームQOWLの活動記録~働きがいを高める4つの状態~」

#1 働きがいのある会社トップ5社に共通していた「4つの要素」

#2 経営理念が伝播・共感された状態を保つ(今ここ)

#3 カルチャーを示し、社員が「当然だよね」と言う環境を保つ

#4 インターナルコミュニケーションをデザインし、良好な状態を保つ

#5 社員のやりたい!を推奨しサポートする環境を維持する

◆経営理念が伝播・共感された状態を保つ

経営理念やビジョン・ミッションを作る。というのは、どこの経営指南書にも書かれている話だ。世の常識と言ってもいい。だが、作るだけじゃダメなんだと、QOWLの勉強会で痛感した。

どうやら大事なのは「作る」ことではなく、経営理念やビジョンが「共感」された状態を作ることらしい。

当たり前だが、個人の価値観や仕事感は実に様々。だが、個人の価値観(お仕事感、人生観)と、企業が持っている価値観(つまり理念やビジョン)が合致していると、個人としての働きがいが高まるのは、直感的にもなんとなく理解できるのではないか。
個人と企業の価値観を一致させるためには、経営理念を額に飾ってもダメだ。短くスマートな経営理念を眺めるだけでは理解できない部分が大事。経営理念の背景にある、もっと泥臭いリアリティのある内容を経営陣が語る必要がある。例えば、

  • なぜその理念・ビジョンを掲げているのか
  • 具体的にそれってどういうことなのか
  • 具体的にどんな局面でどう動くことを意味するのか
  • それが実現された先に何が待っているのか

そんな「理念に込めた思い」を知る必要がある。ここまでわかると、ようやく共感出来る状態になる。
自分が、この会社で仕事をする意味を考えられるようになるのだと思う。そして結果的に会社と自分のベクトルが一致する。(それでも一致しない人は、いずれ会社を去ることになるのだろう)
たぶん各社はこんな事を考えながら、「経営理念が伝播・共感された状態を保つ」ことに力を割いていた。各社での具体的な取り組みを書き出してみる。

◆QOWL各社での取り組み

【freeeでの打ち手】:スナックつばめ

五反田の実際のスナックを丸っと借り切って、社長自身がマスターになって社員にお酒を振る舞うらしい。本物の看板まで作り込むこだわりようだ。
トークテーマが毎回設定され、参加者が公募される。1度に8人くらいが参加して、夜な夜なテーマに沿ってざっくばらんに議論が展開されるとのこと。お酒もあるので話も盛り上がりそうだ。当然社長の考えをしっかり聞くことになるし、自分の疑問もバンバンぶつけていくことになる。そのなかで、徐々に経営理念の理解が深まっていく。

【SAPコンカーでの打ち手】:ミムランチ

コンカーの社長である三村さんと1対1でランチコミュニケーションを取る制度。三村とランチなので、ミムランチらしい。1対1とはすごい。声を上げる人なら誰でもこの制度を利用できるらしい。
freeeの「スナックつばめ」と似ているが、時間帯も人数感も、アルコールのありなしも、ぜんぜん違う。でもこれがコンカーにはピッタリの施策なのだろう。

【gCストーリーでの打ち手】:社長研修

同じ様な社長ミーティングでも、gCストーリーではまた全然違った雰囲気で行われるようだ。
対象は新入社員が中心。毎月1回、オフィスで社長との対話の場が設けられる。そこで語られるのは「仕事の話」というより「人生の話」らしい。
どんな風に生きたいの?どんな人生を送りたいの?それってgCストーリーはどうやったら応援できるのかな?なんて話らしい。いやーほんとに各社違うなー。
ケンブリッジでこれをやったら、多分、全然うまくいかないだろうな(笑
gCでは「両親参加の内定式」もやっているらしい。理念共感は両親から!ということなのだろう。いやいや。真似できないw

【ケンブリッジでの打ち手】:37の経営方針書

僕の会社、ケンブリッジではどうしているかと言うと、ミッション・ビジョンや行動規範に加えて、日々の意思決定で大事にしている「経営方針」を書き下ろしている。6カテゴリ、37項目。
コンサルティング会社らしく?文字で語る形にしている。これを見れば、何を拠り所にして意思決定していて、どこに向かっているのかがわかる。その結果どんな会社を目指そうとしているのかがわかるようにしている。

【マルケトでの打ち手】:社内報

マルケトではかなり本気で社内報を作っている。我々は何者で、何を目指しているのか、最近のトピック、お客さんの声などを載せて配る。社員がこれを持ち帰り、家庭で見せる。「うちの会社ってこんな感じでさ、こういう事を目指して仕事しているんだよ...」なんて会話がなされる。人に語る、教えるのが最も身になるわけで、話しているうちに自分の中にも会社の経営方針、ビジョンが落ちてくるのだろう。

<マルケトの社内報>
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◆自社の状態を、客観的に眺めてみる

こんな風に、目指す状態が同じでも、取り組み方は違うことが見えてくる。5社で話していくと本当に面白い。

この勉強会を受けて、「ウチの会社はどうなんだ?」と自問自答してみた。
ケンブリッジでは経営方針の見える化はやってきた。だが各社の動きをみていると、共感してもらうための工夫が少し足りていないなと思えてきた。
ケンブリッジが社員30~40人の頃だと、経営陣との対話も自然と活発になり、何もしなくても自然と思いが伝播されていった。しかし社員が100人を超えてきて、意図的に対話を仕掛けていかないと「経営理念が伝播・共感された状態を保つ」は難しいとしみじみ感じたのだ。
そこで、ケンブリッジでは「社長との座談会(カエルBar)」を実施することにした。

freeeの取り組みをパクっているが、テーマは決めず、その時の参加者が抱えている疑問や質問を中心にフリートークをしていく形を採用。かつ、年次に応じて定期枠を設けて半強制的に参加してもらうようにしている。
外のスナックを借り切るのではなく、ケンブリッジ社内にBarスペースがあるんで、そこでゆるゆるやる形式だ。社内なので他の社員も飛び入り参加できる。このやり方は実にケンブリッジらしいと思っている。

こんな感じで、「経営理念が伝播・共感された状態を保てているか?」と自問してみるといい。自問した結果、取り組みが十分ならそれでいい。不足しているなら、「何が不足しているのか」「自社に合った補強の仕方はなにか」を考えてみる。
ケンブリッジに、もし経営方針書がなかったら、社長との座談会(カエルBar)ではなく、経営方針書の作成を優先させたと思う。


さて、あなたの会社ではどうだろう?どんな状態で、何が不足しているだろうか?
自社の状況を客観的に見つめるために、自問自答リストを作ってみた。考えるきっかけになれば幸いだ。

Q 経営理念が伝播・共感された状態を保てているだろうか?
Q 伝播・共感される対象である「経営理念」は、言語化されているだろうか?
Q 経営理念の行間に隠された、背景・文脈・思いは明らかになっているか?
Q 伝播し、共感してもらうための工夫は適切だろうか?社員任せになってないだろうか?
Q 改善するなら、何からどう手を付けるのが適切だろうか?

今回は以上です。次回は、第3回目
#3 カルチャーを示し、社員が「当然だよね」と言う環境を保つ




ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに所属するコンサルタント榊巻(さかまき)がお送りするブロク。
Havefun!(楽しもうぜ!)を合言葉に日々仕事をしています。ケンブリッジはお仕事の依頼も、一緒に働く仲間も絶賛募集中。

ケンブリッジのホームページにも記事が沢山載ってます。書籍も好評です。

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