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バラつく「報告」を成果があがるコミュニケーションに変えるマネジメントのポイント

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マネジャー層から寄せられる声に、
「最後まで読んでもピンとこない業務報告書を何とかできないか?」
「いちいち確認しないとわからない報告をあげてくる人に、効果的な指導法は?」
「「大事なこと」、「結論は先に」と、何度も言ってるんだけど改善されない人は、どうしたら?」
などがあります。

これらは「ロジカルシンキング」の考え方を身につけることで改善されることが多いため、ロジカルシンキングの徹底トレーニングなどを導入されるケースが多いです。しかしそれでも一定数効果がない人がいます。

効果がない理由は人それぞれ。それに合わせているといくら時間や費用があっても足りません。一定期間に成果をあげなければならない業務においては、マネジャーが「リクエスト」という形で明示する方が速く効果が出て、結果としてメンバーの力もつきます。

このことについて教えてくださったのは、前回記事メールのマネジメントに引き続き、メーカーで長年部門長を担われ、現在はコンサルタントとしても活躍する飯田利男さん。

飯田さんは、業務の場面で優先的にとるべきコミュニケーションを次のように捉えています。

「経営判断、重点方策」に関わる情報を共有すること
まずは、マネジャー自身がこの軸をしっかり持つこと

その上で、共通する目的・目標・施策に取り組むためには、まずは「言葉合わせ」をしっかりする必要があるといいます。言葉を合わせることで、お互いの理解の基準と範囲が明確になり、それをベースに話がしやすくなるからです。

ここからは飯田さんが実際に取り組まれたことを紹介します。
飯田さんは、メンバーとのコミュニケーションにおいて「報告してほしいことは何か」を具体的に示したそうです。それは次の3つでした。

1)リスクに関すること(Risk Management
2)戦略&重点実施項目に関すること(Strategy&Tactics
3)共有しておきたいこと(Information

そのうえで、報告時には以下について整理したうえでコミュニケーション(文書または口頭)をとるよう依頼したといいます。

①解決すべき問題を明確にすること(What
②(自分なりに)仮説を立てて、課題に落とし込むこと(Why
③「やるべきこと」を提案すること(How

そして、マネージャーとしては報告をもらったときには
・ねぎらいの言葉(「ありがとう」など)
・評価
・マネジャーとしての対応
必ずコメントしたそうです。

その際、問題点、課題と仮説については言葉合わせをしました。

問題点(What)とは
・起きてしまった不具合
・悪化した状態
・成果をあげるために解決すべきこと

課題(Why)とは
・何故その問題が起きているのか仮説を立てる
・複数考えられる仮説の中から「核」となっている「核となる課題」を抽出する
・「核となる課題」は、戦略となる

仮説の立て方
・この問題の原因はこれか?(それは何故?Why)と自らに問う
・こうすれば解決するか?(それは何故?Why)と自らに問う

実際の構成は次の1.~6.で、文書はフォーマットにしたそうです。

1.表題
2.実施事項(Action)
3.問題点(What
4.課題(Why
5.やるべきこと(How
6.上司のコメント
1.~6.がうまく言語化できないときは、ミーティングの時間を確保しておき、対話をしながら整理するようにしたそうです。

昨今、One-on-Oneを導入されている組織も増えていますが、「お互いに話すことがない」という声もよく聞きます。その場合は、1.~6.の要素を準備して臨んでもらうと、うまく言語化できないことをフォローする場として有効活用できます。

以上のことを、飯田さんは、最初は自チームから、その後、事業部門全体で展開したところ、以下の効果が出たそうです。(マネジャーの多くは、メンバーから報告をもらっても、無反応が多かった。それも改善されたとのこと)

・上司が求めていることがわかるので、メンバーが動きやすい
・メンバーの状況が把握しやすいので、的を射た支援ができる
・メンバー自身の力がつく
・タイミングを逸することなくにコミュニケーションが取れる
・メンバーの得意、不得意なことが把握しやすくなる

飯田さんのお話を伺ったときに、私は次のことを感じました。
・メンバーとのコミュニケーションが公平に取れるな
・お互いに状況が把握しやすいな
・メンバー側に裁量があるので、やりがいがあるだろうな

実際に仕事を通じて飯田さんとコミュニケーションをとる機会が増えるに従い、上記をベースに話をするので、短時間で必要な話ができることを実感しています。
また、言葉にしにくいときや、うまくいっていないときも、「ではどうするか」を話せばいいので、心配事を抱え込まずにすみます。心配事を抱え込まずにすむことは、メンバーにとってはものすごく安心感がある、ということも実体験済みです。

「報告時」(文書または口頭)のコミュニケーションをまとめると

1)報告してほしいことを具体的に示す
2)言葉を定義する
3)報告をもらったときは、ねぎらいの言葉と評価、マネジャーとして取り組むことを伝える

お勧めは、飯田さんが提示している報告フォーマットの1.~6.をそのまま使ってみて、メンバーの反応を見ながら微調整していくことです。

導入当初は、考えるのに多少時間を要するかもしれません。しかし、続けるほどにメンバーが自立的に考えて動けるようになるので、マネジメントがしやすく生産性があがります。試してみる価値があります。

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