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新人~若手が孤立しやすい時期だからこそ大事にしたい「引き出すコミュニケーション」

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最近、リモートで仕事をされている方に、新人~若手育成について、感じられていることを伺っています。そのご意見を集約すると、次の3つに分かれます。

・正直、今はまだ、問題があるのかないのかも把握できていない
・できるメンバーと、そうでないメンバーの差が大きくなりつつある
・メンタルが心配な若手が増えつつある

「つつある」という言葉に表れているように、今はまだ大きな問題までは至っていないものの、問題の兆候が表れている、といった段階でしょうか。

ハインリッヒの法則にあてはめてみると...
これを「ハインリッヒの法則」(ヒヤリ・ハット)から見ると、
・1件の重大な事故・災害には、29件の軽微な事故・災害があり
・29件の軽微な事故・災害が起こる前に、300件のヒヤリとしたり、ハットしたりする出来事がある

既に「軽微な事故・災害」が起きているように思えます。

当事者(新人~若手)が感じていること
新人~若手が感じていることに耳を傾けてみると次のような声が多いです。
・上司や先輩が忙し過ぎて、質問や確認がしにくい
 (その時間を取るのも申し訳ない)
・要求されていることに対して、自分が何が出来ていて、何が出来ていないのか、段々わからなくなってきた
・知識やスキルが圧倒的に不足しているのはわかっているものの、何の知識やスキルが不足しているのかもわからなくなってきた(何から手をつけていいかわからない)
・自分の仕事と会社とのつながりがわからない
・他の人が何をやっているのかわからないので、不安
と言います。

同様の声はリモート化以前にもありましたが、業務時間帯に「孤立状態である」ことから考えると、少し深刻に受け止めたほうがいいかもしれません。

あえて強調して書いているのには理由があり、指示を出している上司や先輩が多忙過ぎ、気が付いていない様子がうかがえるからです。

リモート前であれば、
・上司や先輩以外の人とのコミュニケーション
・上司や先輩が自分以外の人と接し話している対話の中で汲み取ることができた情報
なども、リモート環境下ではほぼ遮断(あるいは、文字情報に偏り、イメージがしにくい)されています。

このような状況下では、よほど意識があり、自分から周囲に働きかけることができる人でない限り、情報が入りません。

また、この2年のリモートで、直接かかわる人以外との関係性が希薄です。そうなると、新人~若手社員の側からコンタクトするのは、かなり勇気がいります

リモートで業務を進める前提の組織運営にはなっていないことを念頭に
そもそも現在リモートに移行している組織の多くは、リモートを前提とした組織づくりをしておらず、対面で行っていたコミュニケーションを、急場しのぎでリモートに置き換えている組織が大半です。

しかし「業務はまわっている」ため、「人の成長」という面での課題が大きくなりつつあることに、なかなか気づけません。

このような問題を、現場レベルでは理解し、危機感を感じ(でも、会社としては手を打つ兆しがない)という方もいらっしゃるかもしれません。

現場レベルで見直せるコミュニケーションのポイント
そこで、現場レベルでできるコミュニケーションの見直しポイントを紹介します。

タイミングは「終業時の業務報告」に行うものです。

日頃の業務報告が、
・できたか、できなかったか
・問題があるか、ないか
・明日の作業計画の予定は?
などになっている場合、

メンバーから「引き出す」ことを中心に話を進める報告スタイルです。
・感謝の言葉(「今日もありがとう」)や
 体調面への気遣い(「ちゃんと休憩取れた?」など)
・今日の業務の確認
 ー工夫したこと
 ーやりづらかったこと
 ー作業計画の進捗状況や進め方などで確認したいこと
・指示と、本人が取り組んでいることにギャップがあれば、
 その修正(理由とともに)
 (例)時間を意識してほしいところで、質にこだわって時間をかけていないか
 (例)確認テストなど、手順を守ることが大事な仕事で、
    感覚的に「問題ない」と言っていないか  など
・明日の予定と、確認しておきたいこと

この話のプロセスのポイントは、「相手に話をさせる割合を増やす」ことです。(感覚的には、上司や先輩3:メンバー7)

リモートワークの問題は、情報の流れが一定方向に偏りが大きくなっていることにあります。メンバーの側から話を引き出すことが出来れば、対策が取りやすくなります。

写真のように、年齢が近いメンバーが、同じ環境で仕事をしていると、見ていないところで、お互いに補い合いながら成長しています。
しかし今は、それが出来ていない、ということを念頭に入れたコミュニケーションが必要です。

お互いの状況がわかりづらい時期だからこそ、相手から「引き出す」コミュニケーションを大事にしてみてはいかがでしょうか?

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