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新入社員を育てるのに必要な、スマホ検索では見つからないこと

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2022年がスタートしたと思ったら、あっという間に1月も後半戦。
ご挨拶が遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

弊社では、毎年1月中旬に入ると4月入社の新入社員研修の準備をスタートします。前年度に新入社員育成に携わった、人材育成担当者、OJT研修に参加された指導担当の上司や先輩など「教える側」と、そして、新入社員フォローアップ研修に参加した「教わる側」の声をもとに、ブラッシュアップを図っています。

2021年は、リモート環境に移行し2年目なので、リモートで業務を進めることには慣れてきたものの、教える側の立場の人たちから「何かが足りない」という感覚があった、という声を多数お聞きしました。

ではその「何か」、とは何なのでしょうか?

何が足りないのだろうか?

新入社員育成に携わっている方からは、最近の新入社員は、とても意識も高く、指導しやすい、という声をお聞きします。その一方で、「何かが足りない」、「何かが伝えきれていない気がする」という、モヤっとしたものを抱えられている様子があります。

そのような声の要因となっていることの一つの仮説として、職場で、上司や先輩の何気ない言動や職場の雰囲気から汲み取っていたことが、リモートワークに移行し、触れにくくなったためではないかと考えます。

そう考えた背景の一つに、弊社で行う新入社員教育の中では、上司や先輩が「お客様(サービス提供相手)」に向けて取り組んでいることをアンケートし、それを、新入社員研修の資料として提供することがあります。

どのようなアンケートか。あるIT企業で行った例を紹介します。その組織は、社員数が多いため、管理職に絞ってアンケートを実施しました。そのアンケートの項目に「お客様訪問時にどのようなことに気を付けていますか」という問いを設けました。その回答を見て、なるほど、この会社が何十年にもわたりお客様から信頼されているのは、このようなことの積み重ねなのだ...と感じ入りました。

例えば回答には
・時間を守る
・挨拶をする
など一般的なものもあります。
しかし、それ以上に多いのは、
・お打合せには、質問や確認すべき内容を全てまとめ、必要に応じて事前に送る
 理由:お客様の時間の価値を大事にするため
・お客様の敷地内に入ったら、キャリーは極力ゴロゴロさせない
 理由:お客様の敷地に傷をつけるようなことを避けるため
・お打合せが終わったら、片付けも全てお手伝いをする
 理由:お客様の機材をお借りしていることへの配慮を忘れないため
というような、その組織ならではの、考え方や行動が表現されたものでした。

ではこの組織では、これらを全部研修や指導の中で教えているかというと、そのようなことはありません。むしろ逆で、もっと根本的なことを教えています。それは、

どうしたら、
・お客様(相手)に喜んでいただけるか(貢献できるか)
・お客様(相手)の時間的価値を高められるか
・お客様(相手)との時間がよりよいものになるか
です。

これらの問いがあり、その表現の方法として、上司や先輩のケースを伝えています。そうすることで、新入社員は自分で判断したり、工夫でき、仕事の面白さや楽しさを感じられるようになっていくのです。

わが社ならではの「形」を伝えるために
実は、ビジネスコミュニケーションのベースとなる、マナーや礼儀作法は、形が中心に伝えられてきましたが、マナーや礼儀作法の根底にあるのは「思いやり」であり、形は、歴史や文化の中で磨かれてきた知恵です。

では「思いやり」を新入社員に伝えていくために、育成する側はどのようなことができるでしょうか。まずは、次のような問いから考えてみるとよいかもしれません。
・わが社には、どのようなお客様がいらっしゃるのか
 お客様は、どのような価値を求められ、何を大事にされているのか
・そのお客様はわが社のどのような点を評価しているのか
・そのために、これまで、上司や先輩は、どのようなことを心掛けてきたのか
・ビジネスコミュニケーションという手段の中で、どう表現してきたのか

これらは、スマホ検索では見つけることが出来ない、わが社ならではの価値です。これらの問いをもとに棚卸し、伝えていくと、新入社員は、自社の仕事に価値や誇りを見出すことができると思います。そして、それを磨いていく仲間として加わりやすくなると思うのですが、いかがでしょうか。

さて、ここからはPRです。Six Stars Consultingでは、新入社員研修で講師をされる方を対象とした2つのワークショップ型セミナーを企画しています。

2月2日(木)9:30~17:15開催
新入社員を自ら考えて動ける自立型社員に育てるための
社内講師のための「ストーリー」展開力
社員としての基礎をつくるカリキュラムとメッセージの組み立て方

2月15日(火)14:00~16:00開催
どこでも通用する新入社員に育てるための
「なぜ」から伝えるビジネスコミュニケーション

是非この機会をご活用ください。
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