メール連絡が爆増時の新任マネジャーに必要なコミュニケーションマネジメント
今回は、4月に昇格・昇進された新任マネジャーの方に向け「コミュニケーションマネジメント」についてのお話です。
あらためまして、新任マネジャーへのご昇格・ご昇進おめでとうございます。
1カ月が過ぎ、これまでとは色々と違うことを実感されている頃ではないでしょうか。
「マネジメント」
という言葉には想像以上に多種多様なものが含まれており、「マネジャー」として必要な知識やスキルは一生かかっても学びきれないほどです。
今後、原理原則的な話、その時々の課題に応じた話、なども紹介できればと思っていますが、今回は、マネジメント初任時にこそ効果がある、コミュニケーションのマネジメント。とりわけ「メール」について、マネジメント経験者から教えていただいたことを紹介します。
多様化するコミュニケーションとメール連絡爆増における課題
この1年、対面、非対面など、コミュニケーション形態が多様化し、メールやSNSなど文書コミュニケーションが中心になっています。
それに伴いマネジャー職のもとに届くメールの量は爆増。責任が重くなればなるほどその量は多く、色々な方にお話を伺うと「千通届く」という声もありました。
(その内訳はほとんどがCC,BCCや案内メール)
これでは大事なメールを見落すリスク、返信したつもりでできていないなど、メール連絡のミスも発生しやすいと想像します。
またもう一つの側面として、新任マネジャー特有の責任感があります。
昇格・昇進直後は、全てのメールに目を通す方が多いようです。そのため、メールを確認するだけでかなりの時間を費やしています。
その上に、リモート会議が次から次へと設定されたり、業務の引継ぎがあったり、不測の事態が生じたり...これでは、責任感が強い人ほど疲弊します。
期初にやること
しかし、本来のマネジメントは業務処理をすることにありません。
本来期初は、トップの方向性・方針と組織全体の動きのもと、自部門・自部署の方向性や目標・方針を決めるために、メンバーから顧客、取引先、関係部門の動向や状況、メンバー自身の問題意識や取り組みたいことを把握するタイミングです。
メールやリモート会議の対応に追われていると、本来やるべきことにまったく手がつけられません。
そこで、本来やるべきことに注力するためにやっておきたいのがコミュニケーションのマネジメント。特に「メール」です。
コミュニケーションマネジメントー「メール」編
ある方にお話を伺ったところ、非常に興味深いことを教えていただきました。
その方は今から数年前、自分の業務の、何に、どれだけ時間がかかっているかを計測し記録したそうです。そうしたところ、次のことに気づいたそうです。
「一日の業務の中でメールを読んだり発信したりする時間が15%ほど取られていました。更にチーム内の受信メールは、大半がCCメールであることが分かりました。CCメールの中身を分析すると、意志決定やアドバイスを求める大切なメールと、ただ情報を伝えるだけの備忘録的なメールがごっちゃになっていて、そのため全文を読まざるを得ないことが効率を下げる要因でした」
そこで、次のことを自身のチームのメンバーにお願いしたそうです。
【メール連絡の方針】
1.送信に関すること
①相手に意志決定やアドバイスを求める必要がなく、単に情報を伝えるだけのCCメールは止める
②知っておいて欲しいこと、意志決定やアドバイスが欲しいことはダイレクトメールで送ること。
③チーム内のCCメールは「読むことができない」ので、CCで読んで欲しい場合は、表題の最後に「必読」を入れることを依頼。
2.書き方に関すること
メールの構成を次のような形でまとめること
①問題点、報告事項 ②背景 ③相談したいこと。お願いしたいこと。その他
の順で構成すること
メールにうまくまとめられない場合は、口頭で相談すること
以上はメンバー全員にお願いしたことですが、自分自身もマネージャーとして以下の2点を心がけてメールを扱ったそうです。
マネジャーとしての心がけ
①受け取ったメールには、必ず労いの言葉(ありがとうなど)を入れる
②可能な限り早くレスポンスする
考える必要があるなど時間を要する場合は「返事をする期日」をすぐに返信する
すると慣れていくうちに、メンバー自身もラクであることがわかり、チームとしての生産性も上がっていったそうです。
このことを教えてくださったのは、メーカーで長年部門長を担われ、現在は、コンサルタントとしても活躍する飯田利男さんです。
実際に飯田さんとやり取りする機会は多いのですが、上記をベースに取り組むとコミュニケーションがフラットになり、伝えたいことが伝えやすくなります。
(例えば、メールにまとめようと思っていてうまく言葉にまとまらないことは「オンラインミーティングお願いできますか」と言いやすいなど)
これは、今注目されている「心理的安全性」にも通ずるところがあります。
マネジャー昇進・昇格直後は、メンバーに対する遠慮などもあり、こうしたルールを定めにくい方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方は、次のような段階を経ることが一般的によいとされています。
レディネスを整える
メンバーが新しいリーダーやルールを受け入れるためには「レディネス(心の準備)」が必要です。
レディネスをつくるために、メンバーと共通認識をつくります。
そこで、例えば「このブログちょっと読んどいて」と伝えて、本ブログを共有いただく。そして「これを試してみたいんだけど協力してもらえる?」と依頼する。
或いは、ご自身がメンバーとして「上司が大変そう」と思う方は、本ブログを上司に紹介し、「うちもこれでやってみませんか」というのも一つです。
「メール」(含SNS)など文書コミュニケーションが非常に多い時期。コミュニケーションの工夫としてお役立てください。
(2021年4月29日20:00一部追記し修正しています)
*個人と組織を内側から強くするインナー☆ブランディング型人材育成*
・新任マネジャー
・マネジメントに関心のある方
・職場の生産性を高めたい方
・飯田さんのお話を聞いてみたい方
さらに、一歩踏み込んだマネジメント・コミュニケーションについて知りたい方のための公開セミナー
日時:2021年9月14日(火)13:15~17:15
【テーマ】
あらゆるものが多様化する今、
マネジャーリーダーが組織変革ドライバーとなるための
コミュニケーション・マネジメント
~バラつく「報告」のマネジメントで成果と組織の未来に差をつける~
対象:新任マネジャー(マネジメント経験の浅い方)、リーダー
コミュニケーション・マネジメントに関心のある方
詳細は、弊社ウェブサイトより
#新任マネジャー #新任管理職 #リーダー #コミュニケーション #マネジメント
#新任マネジャー #マネジメント研修 #働き方改革 #生産性向上