定年延長時代 先を見据えて今何をすべきか?
「65歳、あるいは、70歳まで意欲的に働いてもらうために何かできることはあるでしょうか?」
最近、このようなご相談をポツポツといただくようになりました。
その理由に、2025年4月から定年年齢を定めている組織は定年を60歳以上とすることが義務付けられ、定年年齢を65歳未満に定めている事業主は(以下、厚生労働省広報内容)
その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、
・「65歳までの定年の引上げ」
・「65歳までの継続雇用制度の導入」
・「定年の廃止」
のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を実施する必要があります。(高年齢者雇用安定法第9条)
「継続雇用制度」とは、雇用している高年齢者を、本人が希望すれば定年後も引き続いて雇用する、「再雇用制度」などの制度をいいます。この制度の対象者は、以前は労使協定で定めた基準によって限定することが認められていましたが、高年齢者雇用安定法の改正により、平成25年度以降、希望者全員を対象とすることが必要となっています。
なお、継続雇用先は自社のみならずグループ会社とすることも認められています。
(引用了)
これまでも組織内には一定の割合で再雇用者の存在がありましたが、今後は比率があがっていくことが想定されます。
それに伴い、これまであまり触れることのなかった組織運営上の課題に、いよいよ手を打つ必要性が出てきつつあります。
再雇用層(以下、対象層)の中には「ずっと働き続けてほしい」と思われている素晴らしい人の存在があります。そのような人を多く抱える組織にとってはとても幸運なことでしょう。
よくお聞きするマネジメント上の課題
一方で、次のようなマネジメント上の課題(難しさなど)などがあるのも事実です。
・元上司を、20歳前後年齢が若いマネジャーがリードすること
・モチベーションが低下(低下理由は人それぞれ)した人に生産的に働いてもらうこと
・新しいこと環境や取り組みに対し苦手意識がある人に取り組んでもらうこと
・自身の知識・技術・経験を他者に教示するのが苦手な人にナレッジ継承してもらうこと
などは、よくお聞きする課題です。
課題の背景の一つとして考えられること
このような課題が生じている背景の一つには、対象層の多くは、大量採用の時期に入社しており、リーダーやマネジメント業務に就かない限り、実務に必要な知識やスキル以外の教育機会がほとんどなかったことも要因と言えます。
そのため、状況に合わせてマインドセットを見直すこと、求められる役割に応じて人間関係を効果的に築くためのヒューマンスキルを身に付ける機会がなかったという人が多く存在します。
実際に、対象層の研修履歴などを洗い出してみると入社時以降ほとんど研修を受けていない、という人たちも多くみられます。また、対象層の方にお話を伺うと「どうせ自分たちは期待されていないし」、「人事の評価なんかも調整役みたいなものだから」と話されます。
ある時は「自分たちは「居てあたりまえ」の存在で、労いの言葉をかけられることもないからねぇ」と吐露されることもありました。
このようなお声に触れると、組織の土台を支えている人たちであることは間違いないのに、言葉一つかけられることがなかったことに悲しさを覚えます。
何年も何十年もこのような状態でありながら、今更ながら何を...という気持ちにもなります。
見方を変えるー公開セミナーのご案内ー
しかし、見方を変えれば、本当にそのような存在のままでその組織での終わりを迎えていいのだろうか、雇用が延長されたことを機に、これまでとは違う存在として認めていくことができるのではないか、とも思っています。
研修などへの反映や展開は、これからになりますので追々お伝えしてまいりますが、
これからのことを考えたい方のためにご案内があります。
私が所属するNPO法人ドラッカー学会(以下、ドラッカー学会)では、人と組織を活かすための様々な知見に触れていただく機会を多様に設けております。
そのドラッカー学会では、以下の期日で、オンライン/対面でご参加いただける無料のイベントが予定されています。
日時:2025年5月31日(土)13:00~17:30
テーマ:何によって憶えられたいか今なお経営者や起業家に大きな影響を与え続けているマネジメント思想家 P.F.ドラッカー教授は、60歳以降からが本領発揮ともいえる活躍をみせました。そのドラッカー教授に生前直接指導を受けた方の基調講演(対談形式)やドラッカーの考え方を実務や人生に活かす研究実践をもととした研究発表なども予定されています。
人生の大半を占める「働くこと」、「働く時間」をより生産的に、その人らしさを活かせる場にしていくための知見を得ていただく契機と思っております。
この機会をご活用いただければ幸いです。
▼詳細・お申し込みは イベント予約サイトPeatixより▼
2025年春の年次大会 2025年5月31日 何によって憶えられたいか
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