乱気流経営の時代ー今リーダーができること
感染症の影響で先行きが見えず人々の苛立ちが募る中、日本国のリーダーが辞任され、私も含め不安を感じた人は多いのではないでしょうか。
まるで、乱気流の中を飛行する有能なパイロット技術を、誰もが要求されているような気がしてきます。
そんな中、「とても役立つ本」として紹介され手元にあった、米国のコンサルティング会社マッキンゼー社で女性初のパートナーとして活躍し、その後独立して活躍されているエリザベス・イーダスハイムさんの著書『P・F.ドラッカー理想企業を求めて』の次の記述が身にしみました。
すべてが逆さまの時代
ちょうどその頃、私は二十一世紀のマネジメントについて考えさせられていた。私は、チョコレート・メーカー、ディーゼルエンジン・メーカー、半導体メーカーもクライアントにしていた。私自身コンサルタントとして、成果をあげることについてドラッカーの教えを使っていた。
そのうえ一〇代の二人の子の母親としても、ドラッカーを多用していた。ドラッカーからの言葉「動くことと進むことは違うのよ」が私の口癖になっていた。
二五年にわたっていろいろな組織とかかわってきたが、とくに最近、すべてが逆さまになったと感じていた。いずれの組織も悪戦苦闘していた。顧客、技術、経営、事業のすべてが変化し、それらの組織とその経営を根本から揺さぶっていた。存続自体が怪しくなっているところもあった。
一九七〇年代の終わりに、コンサルティング会社マッキンぜーで働きはじめた頃は、自動車、テレビ、工作機械など、日本製品の攻勢にあえいでいるクライアントが多かった。一九八〇年代の半ばには、それまで名前を聞いたこともなかったアーカンソーの小売業、ウォルマートの要求に応えるべく苦労している消費財メーカーがクライアントになった。
一九八〇代の終わりにコンサルティング会社を設立して独立した頃には、レバレッジド・バイ・アウト(LBO)後の経営改善に取り組むいくつかの企業がクライアントになった。「失敗する罪よりも行動しない罪のほうが大きい」というドラッカーの言葉を知ったのは、その頃だった。事実、クライアントたちと私は、できることは何でも試した。それがドラッカー流だと知ったのもその頃だった。
一九九〇代に入ると、急に電子機器と医療機器メーカーの仕事が増えた。いずれもアジアとの競争に苦しんでいた。
しかし振り返ってみるならば、これらの時代はすべて恵まれていた。企業の内部を点検し、顧客を調べ、事業を再構築すればよかった。他の企業、他の産業から学ぶことができた。
ところが、いまや世界は複雑怪奇となった。事業の内容と方法を変えなければ競争力を失い、株主価値が崩壊するというクライアントが増えた。当然の解決策などは存在しなくなった。経営者はリスクをとらなければならなくなった。しかもリスクは膨大だった。しかし無為でいることは、さらにリスクを大きくした。
何かが根本的に変わった
(中略)
二一世紀のマネジメントが直面しているものは、機会そのものの根本的な変化である。ついこの間まで、機会とは、製品の改善、生産性の向上、競争相手の買収、事業の多角化によって、市場シェアをあげ利益をあげることを意味していた。
ところが今日では、そもそも何が機会かがわからない。顧客自身が自分でも知らない欲求に驚く。そこに市場があることは、誰かが製品を持ち込み、誰かが「テレビを観られるその携帯電話が欲しい」というまでわからない。
(引用了)
『P・F・ドラッカー 理想企業を求めて』2007年刊
エリザベス・ハース・イーダスハイム著/上田惇生訳 ダイヤモンド社刊
「マネジメントはやりたくない」と感じるのが、今は普通
この一節を読んだときに「こんなに有能な人でも"難しい"と感じるわけだから、マネジメントが難しいと感じるのは当然だ。もう少し言えば、「若手や中堅社員が、管理職やリーダー職をやりたくない」と感じても仕方がないことだ。わからないものは誰しもやりたくないのだから・・・」と思いました。
そして今現在の状況はさらに難しく、厳しくなっています。誰しもが「いつまでこの状況が続くのか・・・」と考え、本音は「ラクになりたい」、「安心したい」、「ホッとしたい」と感じているのが今ではないか、とも。
こんなときどうすればいいのだろうか・・・
このような状況下において、マネジメントやリーダー職にある人は、どうすればいいのだろうか――日々そればかりを考えている私ですが、先日、次回開催予定のマネジメントワークショップにご登壇いただく飯田講師の動画を見ていたところ、そこにもしかしたら大きなヒントがあるのではないか・・・と、感じました。
ビジネスの計器とは?
飯田講師が伝えていることは、極めてシンプル。
「週報と日報を活用する」というもの。
「週報」や「日報」を何らかの形で取り入れている組織は多いです。その理由は、ビジネスにおいて「週報」や「日報」は、現状を把握する計器のような役割を果たしているから。
しかし今、それが「計器」であるという認識が薄れている組織が多いように思います。そのため「週報」「日報」というと、「古いツール」という感覚をもたれる印象があります。
マネジャー、リーダーは計器をもとにマネジメント(操縦)できているか
「古いツール」というイメージをもたれがちな「週報」「日報」。しかし飯田講師は、そのツールの位置づけと役割を再考した上内容を変更。日々あげられる情報を丹念に把握し、メンバーとのコミュニケーションを図ったところ、海外事業で伸ばすべき市場が見つかり、そこに資源を投入。その結果、大きく事業を伸ばすことに成功したそうです。
そして現在その実績をもとに、対象を拡大し分析を続けている中で、感染症で事業環境が厳しい中でも、いくつかの兆しが見えることがわかってきているそうです。
このことから、マネジャーやリーダーは、部下や後輩、あるいはチームメンバーから上がってくる「週報」や「日報」を「計器」とみなし、把握すべき情報は何かを改めて検討。その上で、データを分析する目を養うことができれば、的確なマネジメント(操縦)にいたるーー
というのが、飯田講師が伝えられている主旨です。
ワークショップのご案内
上記のお話を直接聞いてみたい方のために、ワークショップを企画しています。ワークショップは「研究会」の位置づけで開催するため、「現在進行形で研究中」のお話です。
しかし、実践者が長年の研究課程で得た知見をもとに磨きをかけている内容であるため、多くの方にお役立ていただけるのではないかと思っています。
出し惜しみすることなっく、本音ベースで語っていただきます。
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