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今後の防災・減災に向けてリーダーがやっておきたいこと~身近なヒヤリ・ハット情報を収集しておく~

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このたびの台風19号により被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げますとともに、皆様の安全と一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

9月、10月と2ヶ月連続で上陸した台風。その被害の全容は未だ明らかになっていません。
特に、台風15号の後に気づいたことですが、報道される地域とそうでない地域で支援に大きな差がありました。支援の不足は二次被害につながることもあります。身の回りに支援を必要としている人や地域などがないか、気をつけてみていただければと思う次第です。

今後の防災・減災に向けてリーダーがやっておきたいこと
さて、今回は被害が少なかった地域でも、職場リーダーを中心に是非やっておきたいことを紹介します。それは、「ヒヤリ・ハット情報の収集」です。

「ヒヤリ・ハット」は、製造業や医療の現場でよく使われる用語です。
労災事故の経験則を元に、
 ・1件の重大な事故の背景には、
 ・29件の軽症の事故があり、
 ・300件の傷害に至らない軽微な事故(ヒヤリとしたこと、ハットしたこと)が発生している、
 ・また、その背景には、数千、数万の危険な行為がある。
つまり、何かが起きる前には多くの前触れがあるとする考え方です。「ハインリッヒの法則」とも言います。参考:コトバンク

では今回のケースで言う「ヒヤリ・ハット」事例とはどのようなものでしょうか。
私の例を挙げてみると次のようなものです。

ケース1)屋根が飛ぶ
今回の台風後、横浜市内にある実家に様子を見に行きました。実家は山の上にあり、風の影響を受けやすい地域です。

実は、数年前に暴風があった際、実家の屋根が飛んだことがあり、今回もそれを心配していました。実家については今回は特に問題はありませんでした。
しかし近隣では屋根が飛ぶ事象が発生していました。
・道路沿いのアパートの屋根が飛び、100m離れた場所で見つかった。
・隣家の物置のトタン屋根が2枚飛び、1枚は、50mほど離れた場所で見つかった。
幸い、人や家屋の損壊などにはいたりませんでしたが、落下点がズレていれば、間違いなく事故につながり、二次被害をもたらすレベルでした。

ケース2)浸水の恐怖
12日正午前後、神奈川県のほぼ全域で、河川氾濫への警戒を促すメッセージが届きました。この時、弊社のオフィス1Fの入り口やお客様先の事業所で、影響を受けそうなエリアが脳裏に思い浮かび恐怖感がわきました。

ケース3)旅行中の方(情報や土地勘、準備がない方)への対応
友人のフェイスブックのシェアを見て気づかされたのが、訪日されている方への英語での情報発信でした。どのような準備をすればよいか、避難が必要うになった場合の連絡先などが書かれていました。

実は私は、2004年の新潟中越地震の日に新潟に出張中。ちょうど、地震が起きた時間帯は車で移動中でした。そのため、地震が起きたことも知らずに新潟駅に着き、新幹線の券売機が使用できないことから駅の方に尋ね、初めて地震が起きたことを知ったような状況でした。

土地勘のない場所で携帯電話もつながりくい状態(当時の携帯電話は今よりもつながりにくかったのです)。現地は情報が錯綜し、誰一人として状況が把握できません。ようやく、つながった電話で「地震で大きな被害が出ている」ことだけは把握し、「今日は帰れそうにない」と感じ、まずは「宿の確保」を急ぎました。
次に、当日ご一緒していたコンサルタントの方が「時刻表」を買い、どのような経路があるのか調べてくださり、その情報がとても役立ちました。

この経験から、
・被災地は情報が入りにくい
・安心・安全な「場所の確保」を優先する
・地図を入手する
ことが必要であることを体験していました。
友人がシェアした情報は非常に有効であると感じました。

また、今年から来年にかけては、海外から訪日される方も増えることが予測されます。訪日されている方へのケアも今まで以上に対策する必要を感じました。

以上 私の拙い経験ですが「ヒヤリ・ハット」と感じられた事例をまとめてみました。

上記以外では、介護が必要な場合、育児中の場合、病気療養中の場合など、その方がおかれている状況によっても視点は大きく変わることでしょう。

そこで、職場で話し合う際は、
「台風の最中に心配だったこと、気がかりだったことない?仕事に関係なくてもOK」
といった方向で、話題を投げかけてみるのも一考です。

「ヒヤリ・ハット」なので、「何となく気になった」という事象ほど価値があります。

今回の経験を、防災、減災につなげるヒントとなれば幸いです。

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