"理想の組織づくり"を目標に、新入社員育成を考える
こちらが期待する行動を、なぜ新入社員が取れないのか―経済産業省『社会人基礎力』の調査から考えられる仮説(前回記事参照:http://blogs.bizmakoto.jp/harada6stars/entry/1968.html)から言えることは、"目指しているものが違う"ということのようです。それでは、"目指すものを1つにする"=組織目標とベクトルを合わせるために、どのように新入社員を育成していったらよいか、今日から数回に分けてご紹介します。
理想の組織づくりは、新入社員育成をきっかけにするのが近道
"新入社員育成"というと、"組織風土になじませて、必要な知識を教えれば良い"と、お考えになるかもしれません。そう考えているとしたら、とてももったいないです。なぜもったいないか。新入社員育成は、見方を変えると、組織風土改革に非常に適しているからです。組織風土改革ーというと、ちょっと大げさかもしれません。しかし"会社が(次のように)変わればよいな~"と、感じたことはないでしょうか?
・自分のアイデアや考えを伝えやすく、活かされやすい、風通しの良い職場
(その反対:意見を言っても無駄、言うと大変になる職場)
・皆が共通の目標を持って、一丸となって取り組む、一体感のある職場
(その反対:各人が個別に会社に対する要求をもっている職場)
・お互いが得た知識や経験を共有することで、フォローし合えたり、成果が早く出る職場
(その反対:自分の業務範囲外の仕事はしない、タコツボ化した職場)
会社を少しでも良い方向に変えたい・・・と、感じ、何かしらの取り組みをしたい方にとって、新入社員育成は、職場を変えるビッグ・チャンスです。その理由は誰もが感じる"イマドキの・・・"感を上手く使うことができるからです。特にこれから入社する新入社員は、"ゆとり教育"という私たちが経験したことがない教育環境で育成されてきたこと。また、物ごころついた頃から進化したITツールに囲まれ、コミュニケーションに対して、上司世代とは異なった感覚を持っていること。こうしたギャップが大きいからこそ、受け入れる側も新しい取り組みの必然性を感じ、それをおぼろげながらも認識しつつある、そこを上手く活用するのです。
さて、それではこのビッグ・チャンスを活かすために、何ができるかーを考えていきましょう。
学生から社会人になるための基礎を身につけてもらう・・・仕事を覚えてもらう前の配属前『新入社員教育』
教育時期 |
目的 |
テーマ[学び方] | |
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内定期間 |
会社とのつながり |
ビジネスマナー、語学、資格取得 [課題図書(レポート提出)、通信教育] |
配属前 |
入社時 |
会社を知る、期待を知る、 求められる水準を知る |
社長や事業部門トップからのメッセージ -経営ビジョン・理念、方針、事業の方向性、新入社員への期待 会社について -歴史、具体的事業内容、商品・サービス紹介 -コンプライアンス(リスクマネジメント)、環境方針 -社内規定等ルール、給与や福利厚生、社内システム 仕事を進める上での基本 -組織感覚、取り組み姿勢、ビジネスマナー、チームワーク、論理思考 など [講義、実習 など] |
専門 |
業務の基礎を体験学習 |
基礎知識や技術の習得 [実習、演習、見学 など] | |
配属前 |
入社時から学んだことの復習 配属前の心構えづくり |
職場でのコミュニケーションの再確認 -報連相、チームワーク など 配属前までに学んだことの成果発表 今後の抱負発表 |
新入社員の中には、人材育成担当者を、会社内の上司や先輩社員としてではなく、"お手伝いさん"のように思い接する人もいるので、そういう人にプチっ!となりながらも(笑)、立場・役割を理解させ、我慢強く、粘り強く接し、土壌をつくる。