個人の支援は出来ても、組織の方向性が間違っていては・・・
会社からかかってきた電話に、作業しながら話を続ける技術担当者。実はこの方、これが2回目でした。この対応にさすがの私も"このままでは困る"と思ったので、機械のチェックが終わったタイミングで、話をすることにしました。
マニュアルはどうなっている?
私:「あのさ、さっき、電話してたよね。あれって、どこの会社でもやっている?」
技術担当者:「はい。電話がかかってきてしまうと、緊急なことも多く、つい・・・」
私:「緊急なことだったら、仕方ないよね。ちなみに会社のマニュアルってどうなってるの?」
技術担当者:「お客様先では電話に出ないことになっています。申し訳ありません」
私:「いいのよ、謝らなくても。
そういうことじゃなくてさ、せっかくいい仕事してくれているのに、伝わらないんだよね。
電話に出たりしちゃうと。他の会社で、怒られたことない?」
技術担当者:「あります。会社に言われたことも」
私:「そうなんだ。会社に言われちゃうとつらいよね。
さっきの話だと、他のお客様で困ったことが起きていて、それに対応しなければ
ならないから、電話に出てるんだよね。
そうしたら、電話にその場で出るのはやめて、お客様に"ただいま緊急の用件で連絡が
入ったようです。会社にかけ直してもよろしいでしょうか?"って確認してから
電話をかけてみたら?」
技術担当者:「なるほど、そうすればいいんですね」
私:「それだったらできそう?」
技術担当者:「それならできます」
私:「せっかくいい仕事してくれてるんだから、そんなところで損したらダメだよ。
あと、ついでだから言うけど身だしなみ。ちゃんとシャツはズボンに入れる。」
技術担当者:「あっ、失礼しました。夢中になるとつい・・・」
それから・・・
彼は(うちの会社に来る時だけか?)身だしなみも良くなりました。また、電話がかかってきても緊急な場合を除いて、作業が終わってから電話をかけるようになりました。
ある時、うちの会社の複合機が故障し、部品が足りないことがありました。そんな時は、その場であちこちに連絡し、近くで作業をしていた後輩が持つ在庫を調達してきてくれて、夕方になるはずだった修理をお昼までに終えてくれたこともありました。
後から知ったことですが、彼は技術力があるため、技術リーダーとしてメンバーの育成に当たられている方だったのです。なので、電話がかかってくることが多かったんですね。
振り出しに戻る
しかし、うちのことを理解してくれ、一生懸命取り組んでくださった技術担当者も、他の地区の担当になり、新しい人が来て下さるようになりました。しかし今度は、また違った課題が噴出です・・・。
今回はさすがに、お客様に一番近い人で、その会社の将来が見える・・・というか、最近では、"この会社大丈夫?"と、不安すらよぎります。個人がどんなに努力していても、会社の考え方がズレてしまっていては、何もなりません。
次回は、どんなズレ方をしているのか・・・ちょっとだけご紹介します。