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春夏優勝ー興南高校の「習慣」

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35度の炎天下の中、4万5千人以上が集まった甲子園。8月21日(土)、興南高校は、春夏連覇を成し遂げましたね。日中ただ歩いているだけでもキツイ今年の夏、連日の猛暑の中で戦い抜いた甲子園球児、そして応援されていた皆様、本当にお疲れさまでした!そして、優勝した興南高校の皆様おめでとうございます。惜しくも負けてしまった東海大相模はじめ、出場校の皆様、いい試合をありがとうございました。皆さんの活躍に、"頑張ろう!"という気持ちをもらえました。本当にありがとう!

さて、今年の春夏とも大量得点で連覇を成し遂げた興南高校ですが、昨年の大会では、春(選抜)1回戦(2-0)敗退。夏(選手権)2回戦(4ー3)敗退。とても、大量得点で圧勝するようなチームではありませんでした。今の結果だけを見ると、優勝して当たり前のように感じますが、元々は、"甲子園に行くのは夢のまた夢"のチームでした。

甲子園に出場することもままならなかったチームが、甲子園常連校になり、更に春夏連覇を成し遂げるまでに一体何があったのでしょう?そこには、興南高校の監督、我喜屋監督が取り組んだ"習慣づくり"がありました。今日は、『7つの習慣』とのコラボレート企画ということもあり、我喜屋監督の取り組みについて、インタビュー記事を元にご紹介します。

 

荒れ果てた野球部

2007年、高校野球の大変さを知っていた我喜屋監督は、高校野球の監督を引き受けるつもりがなかったそう。しかし、母校からの誘いで引き受けることになります。そして着任直後に見た光景は・・・

『野球部の寮は人の住む所じゃない、グラウンドもひどい。用具入れも30年間、掃除してない。ゴキブリ、ヤモリ、何でも出てきた。ボールを足でけって集めるなんて信じられない。野球の技術より、先に教えることがあると思った。整理整頓、しつけ、1日24時間の使い方......。朝の散歩がちゃんとできない、30分の自主練習も、2時間の全体練習もできない。でも、できるようにするのが監督の仕事。チーム力のアップになる。いい選手を集めたからといって強いチームができるわけじゃない。』 asahi.com マイタウン北海道より引用

「このままでは、野球がうまくなるどころか、社会に出ても、決して通用しない」ということでした。だから、生活全般を指導することから始めました。」ホームラン(廣済堂出版)4月号 高校野球の勝利学 より引用

我喜屋監督の「習慣」

荒れ果てた野球部の現状を見て、監督は、選手の基本習慣の見直しに取り組みます。

1.食事習慣の見直しー生活の基本を変える

  "口から入れるものは身体の源"という信念に基づき、業者の弁当だった寮の食事を、寮で作って出し、作ってくれる方等への感謝と体づくりを考えて全部食べさせるように。片づけは、皿の種類ごとに音も立てずに片づける。同時に、早く寝て、朝早く起きてご飯をしっかり食べるという生活の基本習慣をつくる。

2.朝の散歩の導入ー5感を鍛える

  6時10分から散歩。好きなところを歩き、見たもの、感じたものを帰って来てから1分間スピーチ。毎日繰り返すことで、小さなことに気付く習慣を身につけさせる。

3.練習

  1)雨でも練習(レインコートと、レインシューズで練習)

  2)モットー「やるべきことの3倍やる」

  3)基礎練習をしっかりやる

4.心構え

  1)古くなった道具を大事に使う

  2)「道端に落ちているゴミを拾う」など誰でも出来ることを全力でやる

  3)根っこで支える人(下級生、親、スタッフ)への感謝

  4)「嫌なことは慣れて、友達になる。すると嫌なことも後で宝物になる。」

  5)人の批判に惑わされず、「足元を見つめ直し、やるべきことを目的を持って行動に移し、反省して、明日の目安を真剣に考えながらやろう」

5.マナー

  挨拶、返事、お礼、言葉遣い、身だしなみ、掃除

 

など、エピソードを見ていると、この他にもまだまだ沢山あるのですが、その全てが誰でも出来そうな基本的なことです。しかしそれをしっかりやり抜くことが大事であることを説かれています。選手の言動からも我喜屋監督の教えが、結果につながっていることが伝わってきます。

「7つの習慣」でも、『成功の土台は人格である』と説かれていますが、正にそれを具現化し、私たちに見せてくれたのが興南高校の球児達だったのではないでしょうか?

3年愚直に取り組み続けることの大事さ

我喜屋監督が就任されたのは2007年。その年の夏に甲子園に出場していますが、2回戦敗退。2008年は春夏とも地区大会敗退。2009年は春は1回戦敗退、夏は2回戦敗退。誰も2010年に春夏連覇をするとは思ってもみなかったでしょう。しかし、よい習慣を身につける努力を重ね、取り組み続けた結果、3年ほどで偉業を成し遂げています。見方を変えると、3年で大きな結果が出る可能性を示唆してくれています。

3年間取り組み続けることができる良い習慣を見つければ、私たちの人生はもっと豊かに出来るかもしれません。今取り組んでいることが良い習慣であれば、粘り強く続けることです。

これから見つける方は、「7つの習慣」がヒントになるかもしれません。活用してみて下さいね。

Biz.ID:「7つの習慣」セルフ・スタディブック

http://bizmakoto.jp/bizid/rensai_selfstudybook.html

  

(参考情報)

 asahi.com マイタウン北海道 (2010年7月14日記事)

 http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000811007140001

 2010年5月 那覇市立識名小学校 学校だより はぐぐみVol.9  

 http://sikin-es.nahaken-okn.ed.jp/UserFiles/File/22hag9.pdf#search='興南高校 我喜屋監督

 八重山日報 「小さなことにも気がつく人間になれ」(2010年6月18日記事)

 http://www.yaeyamanippo-news.com/news.cgi?no=3729&continue=on

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