遠慮なし
上司、先輩社員が「部下や後輩をアフター5に誘いづらい」という声をよくお聞きします。そこで、「アフター5の飲み会って、どう思う?」と若手社員に聞いてみたところ「飲みに行きたい」という声が圧倒的です。ある会社では、次のようなこともありました。参加年齢に幅がある研修の自己紹介で、若手社員が「会社の人と飲みに行くのが好きです。今日の研修が終わったら、飲み会を開きたいと思うので、先輩の皆様ご参加よろしくお願いします」と言っていたケースも。その時はさすがに驚きました。
この発言を裏付ける(?)かのように、誠Biz.IDに紹介されていたマクロミルの調査に次のようなものがありました。2009年の新入社員を対象に、「会社の上司や先輩から飲み会に誘われたら?」という質問をしたところ、「参加したい(なるべく参加したい)」が82%も。その理由は、次のような内容でした。
1.職場の人間関係を円滑にするため(83%)
2.仕事の上で参考になる話が聞けるから(57%)
3.仕事や社内の情報収集ができるから(57%)
モチベーションが上がるタイミング
さて、ここで「飲みニケーションが大事です。」ということをお伝えしたいかと言うと、さにあらず。取り上げたいのはモチベーションです。研修で、"モチベーションが上がるのはどのような時ですか"とお聞きすると、多くの場合は、自分のイメージ通り(それ以上に成果が出た時)、(自分の可能性が評価され)新しい仕事を任された時、自分がやりたかった仕事を任された時、(自分が望んだ)転勤・異動、結婚した時、家族が増えた時などにモチベーションが上がっています。
しかし、ご紹介したような大きなタイミングでなくても、プチハッピーなことは、意外と日常的に感じています。例えば次のようなことです。
・意見を求められた時(認められた感じがする)
・「この仕事お願い」と、仕事を頼まれると嬉しい
・自分が取り組んだ仕事の結果について、良かった点や改善点(注意)をコメントしてもらえたとき(自分のためを思ってもらえることが伝わってきた時)
・失敗しても、「次がある。そのために解決策を考えよう」と言ってもらえた時
・失敗した時に、もう一度手順を振り返ってもらえた時
・落ち込んでいるときに、タイミング良く声をかけてもらえた時
など仕事に関するものや、
・プライベートの話を普通にできること
・面白い会話が出来た時
など、忙しい上司や先輩とのちょっとしたコミュニケーションの機会もモチベーションが高まる様子です。(この他には、お休みの前や、お休み後のリフレッシュしているとき、美味しいものを食べているときなどもあります)
モチベーションが大きく高まる時は、自分も主体的に物事に取り組もうと思える転機であるのに対し、日常的なモチベーションに影響を与えるものは、他者からの働きかけであることも多いようです。
遠慮なし
"意見を求める"、"仕事のフィードバックをする"、"失敗を一緒に乗り越える"、"(忙しくても)コミュニケーションを取る"などは、一見すると簡単で、誰でも出来そうですが、お互いの仕事の状況が見えにくくなっている仕事環境では、なかなか声がかけにくいかもしれません。或いは、"忙しそうだから・・・"という理由での遠慮もあるでしょう。しかし遠慮していると、文字の通り、どんどん遠ざかっていってしまいます。そこで私たちがしたいことは、遠慮の前に思い切って声をかけてしまうこと。その後の反応は、相手任せにすればよく、"声をかける"この行動が大事です。相手のためを思った上では"遠慮なし"でいいのです。部下や後輩のモチベーションを高めたい方、"遠慮なし"をトライしてみてくださいね。
(参考情報)
誠Biz.ID 記事: 「今春入社できて幸運」7割超、「今年の就活だったらダメだったかも」4割―新社会人意識調査(マクロミル)