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「肌を離しても手は離さない」「手を離しても目を離さない」「離して離さない」就任後わずか1年3カ月でアテネ五輪世界最終予選を1位で通過し、世界5位のバレーボールチームに導いた、復活請負人、前バレーボール全日本女子チーム監督、柳本晶一氏の言葉です。

この言葉は、NTT西日本の「最適経営のヒント」というインタビュー記事の引用です。インタビューでは、強いチームを作る上での監督として大事な役割や考え方を紹介しています。その中に、次のような話がありました。

 

質問者:選手との信頼関係はどのように築いたのですか。

柳本晶一元全日本女子バレーチーム監督:

 やはり日ごろのコミュニケーションが基本ですね。例えば選手が髪を切ったり結んだりしてきたら、「おっ、髪形変えたん?」「似おうてるやん」と言えるかどうか。初めは照れくさいかもしれませんが、心で思うだけでは伝わらないのだから、言葉に出さないと。私は選手とのメールのやり取りでも絵文字を使ったりしてますよ(笑)。選手がいてこその監督であり、選手がいなくなってしまえば私はただの"おっさん"です。それは企業の経営者や管理職も同じでしょう。そう思えば自ずと選手、社員を大事にするはずです。

ただ、信頼関係を築くことは大切ですが、信用し切ってしまってはいけません。「あいつに任せておけば大丈夫」などとつい思いたくなるのですが、それではリーダーの自覚が足りません。親にたとえるなら、「うちの子に限って大丈夫」と思ってしまうのではなく、成長の段階に合わせて「肌を離しても手は放さない」「手を放しても目は離さない」「目を離しても心は離さない」というふうに、常に気を配り、いつ何が起きても対処できるよう、最悪の事態を想定して準備しておかなければなりません。

(引用了)※本文の最後に、本インタビュー記事の全文が掲載されているサイトをご紹介します。

 

「目を離しても心は離さない」とは?

さてそれでは、私たちの仕事の現場に置き換えてみたいと思います。昨日からご紹介している、「上司・先輩からかけられて嬉しかった、モチベーションが上がった言葉」ですが、ポイントはやはり「みてもらえていた」という実感が持てるかどうかです。柳本監督がおっしゃっていることと共通しています。そのため、彼らが嬉しかった言葉を挙げてもらうと、1つの言葉に集中せずに、バリエーションが豊富になるんですね。今日はその続きをご紹介します。

(個性や存在を認められた言葉)

・「面白いやっちゃ」、「笑顔がいいね」、「一緒に仕事をしていると楽しい」など

(将来性を感じさせる言葉)

・「君は将来の幹部なんだから」(嘘でも嬉しい)

(労い、気遣いの言葉)

・「もう終わったのか、ゆっくりやれよ」、「無理するなよ」、(残業が続いていて)「早く帰れよ」、「手伝えることはあるか?」

(信頼されていると感じられた言葉)

・「ここは任せられるな」、「任せるよ」

・「何かいいアイデアない?」

・「あなたがいないと、チームが成立しない」

・「お前は貴重な戦力や」

・「お前は力を認められているから、重要な仕事を任されたんだ」

・「心配しなくていい、君ならやれる」

・先輩が上司に「○○に任せていいですか」

など

若手社員の多くは、仕事を任されるようになった時に、モチベーションが上がります。その時にリーダーとして大事なのは、「目を離しても、心を離さない」ということ。仕事が忙しくなると、どうしても忘れがちですが、この言葉、心に留めておきたいですね。

(参考情報)

NTT西日本 「最適経営のヒント」:柳本 晶一/全日本女子バレーボールチーム 監督(2005年12月)

明確な目標を設定し、そこから逆算して成功のシナリオを書き、情熱を持って突き進む

http://www.ntt-west.co.jp/solution/hint/2005/yanagimoto.html

 

 

 

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