自分の芝も青くする
"となりの芝は青い"-The grass is always greener on the other side of the fence.(日本語訳:他人のものはよく見える。byプログレッシブ英和中辞典)と感じるのは世の常。語源は、数千年前のラテン語までさかのぼると言われるこの言葉。世界共通の心理のようですね。しかし、となりの芝を見て「うちはなんで・・・」と考えるか、「隣が出来たのであれば、うちもやろう」と考えるかは、私たちに与えられた自由です。
ファンタジー営業部(前田建設工業様)
何やら楽しげな部署名ですが、これは、前田建設工業様の組織図中には存在しない、ホームページの中にだけ存在する、架空の部署(ホームページ企画の名称)だそうです。私がこの部署を知ったのは、実は昨日(8月11日)。銀河鉄道999の特別番組を見ていて、「999が地球を発進する際に使う、高架橋を実際に受注したら?」ということに取り組むシーンが紹介されていたからです。番組内で紹介されていた内容だけでもかなり本格的。宇宙へと飛び立つための高架橋は、先端が丸みを帯びており、それを実現するのはかなり難しいそう。JR東日本の建設工事部長他、他社にもそのプロジェクトへの協力を仰ぎ、その結果「メガロポリス中央ステーションの銀河超特急発着用高架橋」一式、37億円(土地代を除く)、工期は3年3ヵ月という見積り算出に至ったそう。これは面白いお話です。
ファンタジー営業部創設の背景
(何せ昨日まで知らなかったので、にわか知識をご容赦いただけるとありがたいところ)インターネットで調べると、興味深い情報が沢山紹介されています。まずは、この部署の創設にあたった、岩坂照之氏のインタビュー記事を抜粋してご紹介します。
岩坂氏 インタビュー記事より引用
順序立ててお話をしましょうか。まず私が前田建設に入社したのが1993年のことです。当時からこの業界、ゼネコン疑惑と呼ばれる 不祥事の只中にありました。世間的に非常にお叱りを受ける事が多い業界に入った私は、かなり早い段階から、建設会社はどういうところで知恵を出し、汗をかいて、お金と頂戴しているかをきちんと皆さんに紹介すべきだという問題意識を持ちました。
ですが私は技術部門の人間であり、具体的には何をしたらいいかはわからず問題意識だけが蓄積されていきました。転機は1999年。会社から埼玉大学に国内留学をした時のことですね。その頃偶然にも、本田技研さんが開発したアシモの新型モデル「P3」という二足歩行ロボットの一般公開を見に行く機会があったんです。その会場に行くと小さな子どもからおじいさんまでが輪になってP3を見ていて、ロボットが動き出すたびに歓声があがっていた。ロボットが動いたことにはもちろんですが、老若男女問わず、子どもみたいに感動して、手を叩きキャーキャー言う様子に衝撃を受けました。
本田技研さんも前田建設も広い意味では「ものづくり」をしています。片やボーダレスに感動を与え、片や存在に疑問符がつく。これはいかん、何かしなければとスイッチが入った瞬間でもありました。
またアシモを見たとき、なぜか私はマジンガーZを思い出したんです。ひとつのフラグが「マジンガーZ」となったのはその時です。でもまだ具体性は何もありませんでした。
そしてほぼ同時期、昔のヒーローヒロインを使ったブランドづくりをする企業さんが出てきていました。それをうちでもできないかと思ったんです。
「ウチは本田さんのようにロボットはつくれない、でもロボットの基地はつくれる!」。
実際につくるとなればお金もかかります。でもインターネットという媒体を使えば・・・このように考えているうちに、「これはいける!」と稲妻に打たれたように一瞬にして「ファンタジー営業部」の構想を思いつきました。設計プロセスをストーリー展開して、架空上で基地をきちんとつくって、それをインターネットで発信しようというところまで。
(引用了 続きも面白いので、最後にこのインタビューを掲載しているサイトをご紹介します)
ファンタジー研修部?
この話を知って、私も似たようなことできないかな・・・なんて考えました。まだまだ浅はかですが、アイデアは出してみないといけないので、思いきってご紹介します。
例えば・・・
・姫川あゆみプロジェクト(お蝶夫人でも可)・・・エリート社員育成の肝とは?
・キャンディ・キャンディプロジェクト・・・前向きで、逆境に強い人材の肝とは?
・のび太君プロジェクト・・・人に頼りっぱなしの人材を一人立ちさせるには?
などなど、この他管理職編等やれそうなことは沢山思いつきます。
もしかしたらこのブログ内で、こんなテーマに基づいて、専門家から意見を募っていくのも面白いかもなんて思っています。その前に、漫画再読ですが(笑)
前田建設工業様の場合は、発案者の方の事業部門とも関連する、会社を挙げての大きなプロジェクトになりましたが、私はこのプロジェクトの肝は、『仕事を離れて、楽しんで議論が出来る場づくり』だと思っています。ただ、仕事から離れすぎると目的が共有しづらくなるので、業務にも関連する接点を見つけ、発想力、知識や技術のスキルアップ、ネットワークの発展に役立つように仕組みを作るのが、腕かもしれません。その腕の磨き方のヒントは、岩崎氏のインタビュー記事から読み取れます。プロジェクト・マネジメントの勉強にもなりそうです。
自分の芝も青くできそうに思えませんか?
(関連サイト)
・前田建設工業様 ファンタジー営業部 サイト http://www.maeda.co.jp/fantasy/
・アイティメディアGames 日々是遊戯:ジャブロー建造にはいくらかかる?「前田建設ファンタジー営業部」の新たなる挑戦(2010年6月1日 配信記事)
http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/1006/01/news062.html
・総務の森:第23回 はっけん!面白制度(番外編)(2007年9月26日 配信記事)
☆インタビューの続きをご覧になりたい方は↓↓
http://www.soumunomori.com/discovery/maeda/
・実教出版:「ファンタジー営業部」と教育の親和性(2008年7月7日 配信記事/PDFダウンロード可)
https://www.jikkyo.co.jp/contents_list_c.jsp?contents_id=1625095111