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マネジメント職への期待

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●管理職は小粒化したのか~過去15年間の指向と性格の経年変化の確認~

衝撃的なレポートタイトルですが、これはリクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所 研究員 松本洋平氏の研究レポートです。

本レポートは、リクルートで実施している調査や、同社が提供している管理職適正検査(NMAT)のうち、年齢層が30歳~44歳の管理職候補者層、約2万人のデータを元に作成したそうです。

その中で、私が最も興味を持ったのは、「管理職の役職タイプ別指向の変化」(どのような立場で企業組織に参加し、貢献したいと考えているか)というデータです。その指向は次の4つに分類されています。

・組織開発指向・・・組織やグループを統括・運営する職務への指向

・企画開発指向・・・専門的視点から企画や商品開発・研究を行う職務への指向

・実務推進指向・・・一定の分野で着実に実務を推進する職務への指向

・創造革新指向・・・新たなコンセプトを打ち出し、戦略的に事業を推進する職務への指向

是非データをご覧いただきたいのですが、(データは下記の「管理職の役職タイプ別指向の変化」を参照ください)

http://www.recruit-ms.co.jp/research/report/100127.html

概要をまとめると、データは2003年までは4つの指向が全体的にバランス良く分布しています。しかし、2004年以降に大きな変化が生じています。2004年以降の管理職指向で最も高くなっているのが「実務推進指向」、次に高いのが「組織管理指向」。反対に、どんどん減少し、最も低いのが「創造革新指向」、次に低いのが「企画開発指向」です。

このデータを見て思うことは、世の中は「変革」を求めているのに、組織(および人)は「保守化」しているということ。

このギャップこそ、管理職に期待されていることが何かを知り、すべきことを見つけるヒントなのではないか。そう思うのです。

 

マネジメント職への期待

先ほどの適性の4分類には、それぞれに具体的なポイントが明記されています。この4つのポイントを見て、「これからの時代に必要な管理職のイメージは?」と聞かれた時に、どのように答えるでしょうか?恐らく、「創造革新」と答える人は多いでしょう。さらに、「創造革新」がどのようなイメージかを問うと、プロジェクトXなどに取り上げられる企業のような、自分の仕事の場面とは少しかけ離れたシチュエーションを思い浮かべる人も多いはずです。

「理想」と「現実」 まるでこんな感じの印象を持つかもしれません。

しかし、プロジェクトXで取り上げられる企業が、「創造革新指向」の管理職を育成し取り組んだかというと、そんなことはありません。彼らが取り組んでいる最中は、それこそ必死にやるべきことに取り組んでいたにすぎないと思います。

ただ1つだけ、違っていたことがあるとすれば、「真摯さ」です。

以下は先日もご紹介した、"もしドラ"の一説です。

マネージャーの資質

人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。(引用了)

原文を読んでいないので、真摯さ=sincereでよいかわかりませんが、念のため意味を確認します。

「真摯さ」:まじめで、熱心なこと(大辞泉より)

「sincere」:honest,pure,true(by Webster)

  

「まじめさ」「熱心さ」を正しく方向づけるには?

プロジェクトXや多くの人に支持される組織は、「真摯」である。即ち、マネジメント職への期待と言うのは、「まじめさ」「熱心さ」ではないかということです。もちろん、既に「まじめさ」「熱心さ」を備えた人を登用しているという声が聞こえてきそうですが、その「まじめさ」「熱心さ」の発揮の方向が違っていることも考えられます。

誰に対して、どのように発揮されている「真面目さ」「熱心さ」なのか。そんなことも確認していく必要がありそうです。そして、正しい方向へその資質が発揮できるようにサポートしていくこと、それが人材育成に携わる人間に必要な「真摯さ」かもしれません。

先週までにお伝えしようと思っていたことと、少し違った方向になりましたが、マネジメントを考える中で、気付いたことをまとめてみました。もしよろしければ、コメント欄にご感想やご意見、実際に取り組んでいらっしゃることがありましたら、お知らせください。この場を借りて、色々なアイデアを出し合う場に出来ればと思います。

それではまた明日! 

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