30代で人生が変わる
今日のテーマは、「30代で人生が変わる」です。
Six Starsでは、30代の育成に力を入れています。なぜ、30代に力を入れているか。それは、私が20代の頃に頭をガツンと殴られるような衝撃を受けたからです。
私が最初に入った人材育成会社のメイン商品は、管理職への登用(昇進・昇格)基準を満たしているかどうかを客観的に測る、"マネジメント・アセスメント"でした。
"マネジメント・アセスメント"は、各企業ごとにマネジメント職に必要な能力を明確に定義し実施します。実施する上で重要な点は、能力が【実際に行動として発揮されているかどうか】です。行動として発揮されているかをみるために、アセスメントでは、演習を中心に実施します。特に、マネジメント職に必要な能力は多岐にわたるため、多面的に見ることができるように複数の演習を組み合わせています。主な演習として、[インバスケット][グループ討議][面接][スピーチ]などがあります。
20代の衝撃
人材育成会社に入社したての25歳。私は商品を理解するために、実際に[インバスケット演習]に取り組みました。インバスケット演習とは、元々は職場の「未決箱」が由来です(今では「未決箱」を見る機会は激減しましたが)。職場の連絡や依頼、提案等、部下や関連部署、お客様や取引先から寄せられる案件について、どのように考え判断し、どうアウトプットするかをみるケーススタディです。
そのケーススタディの冒頭には概ね次のような指示が表記されています。
「あなたにはこれから、A会社の課長の役割を演じてもらいます。今回あなたは新しくXという組織を任され、赴任することになりました。今日は休日ですが、現況を少しでも早く把握しようと、出社しています。但し、午後から予定が入っているため、2時間しか業務にあてることができません。机の上には、あなた宛の書類があります。あなたは時間が許す限り、その書類の処理に取り掛かろうとしています。」
さて、実際に取り掛かってみると、20代の私には、チンプンカンプン。一体何を、どうすればよいのか、手も足も出ません。その時に率直に思ったことは、「管理職って大変なんだな」ということでした。同時に、「こんなこと、どうやったら考えられるようになるのだろう」ということでした。そして、演習を体験して以降、私の意識は大きく変化しました。
・・・・・それから長い年月が過ぎ・・・・・
「出来ない」経験が教えてくれたこと
インバスケットの演習は、私に「出来ない」という事実を突き付けましたが、同時に、マネジメントに対する興味・関心を持たせてくれました。それにより、30代をかけて多くの優れたリーダーやマネージャーを観察することや話を聞くことにつながったのです。
その結果、マネジメントの能力を高めることは、次の点で良さそうだということがわかりました。それは、彼らはとても"充実している"ということです。
時には厳しい環境の中で、組織から無理難題を押し付けられ、苦境に立たされることもありますが、そのような時ですら、イキイキとし、周囲に希望を与えています。また、多くの人から慕われています。
そして、世の中の環境がどうであろうと、働く場と仲間に恵まれ、その環境を生かして人の役に立っているのです。
"出来ない"ことをきっかけに、マネジメントをする人たちに興味を持ち、イキイキと、周囲に希望を与え、多くの人から慕われる人が身の回りにたくさん増えるといいのにと考えました。それが、起業のきっかけとなったのです。
30代は能力を磨く絶好の機会
「マネジメント」というと、難しいことのように感じてしまいますが、経験と訓練次第で、誰でも身につけることができます。その経験と訓練に適しているのが、ちょうど30代です。マネジメント職に就くかどうかは別として、30代のうちに、マネジメントに必要な知識や能力を高める努力をし、日常業務に意識して取り組んでいると、マネジメント職としての基礎が身につきます。身につく過程では、試行錯誤することも多く、大変かもしれません。しかし"充実"しています。
そのため、Six Starsでは、「30代の育成」に力を入れているのです。
余談となりますが、優れたリーダーやマネージャーのお話をお聞きしていると、不思議と、30代で人生が変わるような経験をされています。どのような経験をされているのか、そのような話も、今後このブログのテーマとして扱っていきたいと思います。
また、あなたのご意見やお考え、素朴な疑問もお寄せください。そうしたご意見が、これからの人材育成に必要です。"ひといく"に力を貸してくださいね。