加速するIT部門のクラウド化への対応 〜「CloudView 2016」より
調査会社のIDCは2016年2月22日、「CloudView 2016」を公表しました。ビジネスアジリティや生産性向上などがクラウド導入が進む背景となっています。
本調査では、
・今後2年間でクラウドの利用コストは44%増加する
・70%以上のクラウドのヘビーユーザは、ハイブリッドクラウド戦略を志向している
・40%以上のクラウドのヘビーユーザは、オープンソースのスタンダードプロジェクトへの投資を志向している
と予測しています。
今後2年間でのクラウド利用の進展を事業者とユーザ企業側の両側面から整理をしています。
出所:CloudView 2016 2016.2
現在のIT利用の状況は、ユーザ企業の事業者サービスの利用は43.4%となっており、トラディショナルアウトソーシングは21%、パブリッククラウドは10%、オンデマンドHPCは5%、専用HPCが6%となっています。2年後にはトラディショナルアウトソーシングが21%から14%まで減少し、パブリッククラウドが10%から14%へ増加、オンデマンドHPCが5%から9%へ増加、専用HPCが6%から10%へ増加すると予測しています。ユーザ企業の事業者サービスの利用は現在の43.4%から48.4%と5%の増加を予測しています。
一方、現在のユーザ企業のオンプレミス環境は56.6%で、トラディショナルインフラによる構築が49%でオンプレミスプライベートは8%となっています。2年後にはトラディショナルインフラは49%から41%まで減少し、オンプレミスプライベートは8%から11%まで増加すると予測してます。2年後には、ユーザ企業のオンプレミス環境は56.6%から51.6%まで減少すると予測しています。
現在のユーザ企業のIT環境はクラウドを利用していないシステムは70.2%に対して、クラウドの利用はパブリックとプライベートを含めて29.8%となっています。2年後にはクラウドを利用していないシステムは70.2%から57.0%まで減少し、クラウドの利用は29.8%は43.0%まで増加すると予測しています。
これらの予測をみてみると、ユーザ企業のオンプレミスシステムの従来のアプリケーションやワークロードをクラウドへ移行していく動きが顕著となっており、IT部門も大きな変革が求められていくようになるでしょう。