ビッグデータを活用した地域経済の見える化システム「地域経済分析システム(RESAS(リーサス))」の提供開始について
内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)および経済産業省は2015年4月21日、「地域経済分析システム(RESAS(リーサス))」の提供開始を公表しました(報道発表資料)。「"RESAS" (リーサス)」の名前は、Regional Economy (and) Society Analyzing Systemの頭文字からとっているとのことです。
政府では、「地域経済分析システム(RESAS(リーサス))」を
「ビッグデータを活用した地域経済の見える化システム」を、経済分野に限らずさまざまなデータを搭載することで、地方自治体が「地方版総合戦略」の立案等をする際に役立つシステム
とし、産業構造や人口動態、人の流れなどに関する"ビッグデータ"を集約して可視化するシステムにおいて、地方自治体が自らの産業構造や人口動態、観光の人の流れなどの現状・実態を正確に把握し、データに基づく目標・KPI(重要業績評価指標)の設定、PDCAサイクルの確立などを支援する取り組みと位置付けています。
本システムは、
「産業マップ」「観光マップ」「人口マップ」「自治体比較マップ」の 4 つのマップから構成されています。
「産業マップ」は、まだ確認できませんので、3つのマップを少しみてみたいと思います。
「観光マップ」では、メッシュ分析(流動人口)、From-to分析(滞在人口)、滞在人口率の分析を行うことができます。
たとえば、「観光マップ」は、携帯電話の位置情報を利用して、人の移動を「見える化」 し、人の集積度合いをメッシュ化し、紺色の丸は観光資源を示しています。これらのデータを日時で観光地や周辺地域の流動人口や滞在率を分析し、どのように観光地を周遊させるか、観光パンフを作成すればいいのかといったように、インバウンド観光などの企画に役立てることができるようになります。
富岡製糸場の流動人口マップをみてみましょう。富岡製糸場は4月に世界文化遺産に登録される見通しとなり、観光客が増加傾向にあり、6月25日に正式に世界遺産に登録されてから一気に伸びてきており、9月以降は少し落ち着いてきていることがわかります。
次に滞在人口をみてみましょう。地元の高崎の2014年の平日のFrom-to分析(滞在人口)は以下のとおりです。
グラフで表すと以下のとおりです。高崎への人口の流入が多いのは、埼玉県、長野県、新潟県、東京都の順番となっています。
「観光マップ」だけをとっても、いろいろと分析ができ、インバウンド観光などの施策にも活用できそうです。
タイミングをみて、さまざまな分析や比較をしてみたいと考えています。