歴史や学術成果の知識情報共有化
日本経済新聞(2008.5.10)の文化面に「データ共有で研究に膨らみ」という記事が紹介されていました。その一部をご紹介してみましょう。
歴史的な時間・空間情報検索
博物館や大学などの間で、文献・画像資料をはじめとする知識情報を共有化する動きが本格化している。それぞれが構築してきたデータベースから研究に必要な情報を選び出し、多種多様な情報をひとかたまりとして把握できるようになる。歴史的な記述を時間・空間情報に基づいて整理しなおすといったことが可能になる。
この記事で紹介されている人間文化研究機構の「研究資源共有システム」は、
各研究機関が公開しているデータベースをダブリン・コアに準拠したメタデータ(名称、主題、地域、場所、作成期日など)に基づいて多様、かつ高度な横断検索を実現。さらに5W1Hの要素も組み合わせているようです。
研究者自身によるデータベース作成を容易にし、また研究支援機能を強化
- GT-Map/GT-Timeシステム(近日公開予定 2008.5.11現在)
時間情報や空間情報(地理情報)に基づいた分析を可能にするシステム
機関リポジトリ
同じく「機関リポジトリ」のことも紹介されていました。「機関リポジトリ」とは、Wikipediaからの引用によると、
研究機関がその知的生産物を電子的形態で集積し保存・公開するために設置する電子アーカイブシステム
と定義しています。
学術成果を世界に発信する場としてここ5年日本では急速に普及したようです。
デジタル文明開化プロジェクト
総務省は4月3日、ICT成長力懇談会(第5回)を開催し、「ICT成長力懇談会」中間とりまとめ(案)を公表しました。
その中で「ICT成長力強化プラン(仮称)」を策定し、成長力強化を総合的に推進するとし、「デジタル文明開化プロジェクト(仮称)」を実施するとしています。
「デジタル文明開化プロジェクト(仮称)」とは、
国立国会図書館、国立公文書館、他府省庁、地方自治体、図書館・博物館・美術館、大学等との連携を図り、産学官を挙げてデジタル化を推進する取り組みです(関連記事)。
デジタルの知識共有は欧米、韓国、中国等で国策として強化に力をいれている分野のようです。日本の文化や歴史、そして学術成果をオープンにし、日本のブランドを高めていくこと、そして研究者の知識を高めていくこと、そして私たちが過去を過去を振返り新しい発見をしていくことが今求められているのかもしれません。