当たり前のことを当たり前でないくらい続ける
何にドキッとしたかと言うと、スタッフの発表において、言葉を定義したところからお話が始まったこと。「課題解決を始める時は、まず定義からだよ」、と教えていた時代があったのだが、私自身は最近あまり言わなくなってしまった。(=私自身もいあまりしなくなってしまった)スタッフに嬉しい刺激を受けてしまった!
*****************全体会議からの話***************************
月に1回、翻訳チームの制作会議に出席しています。
昨日は、翻訳チームのワークショップの経過報告がありました。
顧客満足度を高めるために品質管理においてどのようなことをしたらよいのか、アイディアをまとめてくださっていました。
ちょっと紹介しましょう。
品質には、「成果物自体の品質」と「顧客対応の品質」の二つがあると、語るところから発表が始まりました。
こうやってドメインを定義していくことはとてもいいことですね。
顧客対応の品質については、正直、真新しいことは言っていませんでした。
例えば
1. 受注時に顧客の要望を確認する
2. 納期を連絡する
3.納品時にコメントをつける
4. 顧客へのメールの配信は○時間以内を目指す
とか。通常の業務でやっていることです。
しかし、100%しているか、というと、残念ながらそうではありません。
意識していたかどうかわかりませんが、以前全体会議でお話した、ハーツバーグのフレームワークを応用して、顧客が不満を感じるY因子に注目したのですね。
このような一見当たり前のことに注目して下さったことを私個人は大変嬉しく思っています。
ハーツバーグは、仕事が人間に「満足をもたらす要因 X」と、「不満を感じる要因 Y」は、「異なるもの」であることを示しました。
つまり、仕事の満足度というのは一つの軸があって、上が満足度を上げる、下が満足度を下げる、というものではないのです。二軸あって、満足をもたらす要因Xが高いと、満足度が増しますが、それが低いからと言って、満足度が低くなるわけではありません。一方、不満を感じる要因Yが高いと不満ですが、それがないからと言って、満足度が高くなるというものではない、ということなのです。
さて、当たり前のことを続ける重要さ・難しさについて語ったエピソードを二つほど紹介しましょう。
funNOTEのインタビューで翻訳者の有賀さんが、ある和菓子職人のお話を紹介して下さいました。
「(傍からは)単調で退屈だと思えることをどれだけ繰り返せるかが成功の秘訣。
雨が降ろうと体調が悪かろうと機嫌が悪かろうと、同じものを同じ品質で作り続ける。それが土台にあってのプラスアルファ」
また、ある時私は「トップアスリートとは、どういう人種なのか?」と質問されたことがあります。
即答出来なかったら、「当たり前のことを当たり前でないくらい続けることが出来た人」と教えていただきました。
恩田さんらアークコミュニケーションズンズスキーチームのトップアスリートなら、自分で決めたことを苦しくても続けられるのでしょうが、普通の人には当たり前のことを当たり前でないくらいに続けるためにはコツが必要です。
そのコツのひとつに他人に「宣言」するというものがあります。
他人に宣言することで、自分に約束するのです。
おせっかいな私は翻訳チーム内で話されたことをこうやって皆さんに広めました(笑)
翻訳チームでは是非品質を高める工夫を日々の業務で実践して下さい。そして、それが、当り前でないくらいに続けられるよう、そのための工夫も考えてください。
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