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成果が出るように環境にあわせて行動(パフォーマンス)を変える

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人に薦められた本を読むというのは、自分だったら選ばない本を読むので、amazonのリコメンド機能より、個人的には好きである。

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******************全体会議の話から*******************

体はゆく」という東京工業大学の伊藤先生が書かれた本を、ある方に勧められて読みました。

私の興味を引いたのは「体は、成果を出すために、無意識に調整している」という下りです。

元巨人軍の桑田真澄投手に「同じフォームで30回投げてください」とお願いしたところ、リリースポイントが1球目と30球目で水平方向に14センチもずれ、さらに球が手から離れる高さも低くなっていたそうです。
ところが、ご本人は同じフォームで投げ続けていたつもりだったそうです。
そして、興味深いことに、そんなにリリースポイントがずれていたにも関わらず、結果(球が飛んでいく先は)は同じだそうです。

一般にピッチングと言えば、機械のような正確さが求められる仕事だと考えられています。
ところが実際の桑田投手のピッチングは「ぶれまくっていてフォームは毎回違うのに、結果は同じ」だそうです。

研究者は、以下のように話しています。
実際の投球では、マウンドの傾斜が球場によってはちょっと緩いとか、球場が同じでも、相手のピッチャーがマウンドをすごく掘って投げているとか、環境が色々変わっています。大事なことは、「パフォーマンス(実行)が毎回同じ」(機械的な再現性)ではなく、「結果を同じにするためにパフォーマンス(実行)を変える」(変動の中の再現性)だということです。

これはスポーツにだけ当てはまることではなく、例えばピアノの演奏にも当てはまります。

ピアノも、練習をしているときは、機械のように毎回同じ音が出せるように練習しています。しかし、コンサートでは、ホールの状況、当日の気温や湿度、などで、たとえ、同じピアノを同じようにひいても、同じように聴衆に音が聞こえません。音の再現性を高めるために、普段の練習とは、演奏を変えて対応しているわけです。

なかなか面白い考察だと思いませんか?
「再現性」だけ高めてもだめで、「変動の中の再現性を高める」ことが重要だということです。

そしてこれを無意識に体が調整している場合があるということです。

ビジネスも全く同じですね。

同じことを繰り返し行う作業はたくさんあります。
しかし、大事なのは、同じことをすることではなく、同じ成果を出すことです。

もちろん、成果を出すために、プロセスを決めて、それを実行しているわけです。
しかしながら、当時と現在の環境が異なったために、同じプロセスをたどっても、同じ結果につながらないことはよくあることです。

今までと同じことを、いえそれ以上のことをしているのに前より成果が出ないことがあります。
決してサボっているわけではないのに、報われない、そういうときには、今の環境にあわせて、パフォーマンス(実行)を変えるしかありません。

会社として、新しい取り組みを色々試すのはそういうことです。
同じことを繰り返すのではなく、同じ成果を出すことを繰り返す、このことを念頭において、具体的に何に取り組むのか決めていきましょう。

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ある事業部が、皆でブレストして、新しい取り組みを5つ選んで、希望者を募った。さて、これからどうなるか楽しみ!私は、どんなサポートができるかな?

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