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クライアントの言葉に傷つくことのあるSIの方や、SIの言葉に何か騙されているような気がしているクライアントの方へ

« 2009年11月4日

2009年11月6日の投稿

2009年11月8日 »

本当は、こんなのこそ、twitterで書くべきなのかもしれないけど。

※山口さん、あのアカウントは自分じゃありません(笑)

一部のオルタナブロガーに噛みつくように見えてしまうかもしれないけど。

自分が中の人だから自分のところの業界を擁護しているように見えてしまうかもしれないけど。

だんだん、「イラっ」と来てしまったので書いてみることにします。

以前に大木さんも紹介されていた、日経ビジネスオンラインに連載中の経済小説「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行く」での記述。

きちんと文章で引用しておきましょう。

電気自動車を作るのに必要な部品は、ガソリンエンジンの1割で済むんです。しかも構造は簡単ですから、新規参入が比較的簡単です。だから世界中で開発が多発的に進んでいる。特に脅威なのは、中国とインドです。何十社、何百社という電気自動車会社が立ち上がっているんです。

この小説に限らず、様々なメディア等で「電気自動車」に色んな企業が参入してくるぞ、今までのレガシーな自動車会社はもうダメになるぞ、的な記事を多々目にすることが増えてきました。事実、中国の電池メーカーだった、BYDが自動車業界には参入してきた例は知っています。

確かにエンジンの構造に比べて、モーターになれば部品点数は少なくなるので「動力」に関しては参入が容易になるかもしれません。

でも、自動車製造って、動力部分だけが勝負なんですかね?

・衝突安全基準を満たすボディーは?

・地面との接地面から含め、運転者がきちんと操舵できる機能は?

・ボディーのプレスや動力部分以外の組み付け、塗装等を行う生産設備に対する投資やそれを効率に行うための生産技術は?

・モーターも内製するの?生産効率は?

・(日本だけかもしれませんが)型式認定・指定類別番号を取るための認証は?

・アフターサービスは?

・・・。

こういったことを無視すれば、参入どころか、誰だって車なんて作れます。だって、パーツなどは種々様々販売されている訳だし、その気になれば、部品だって中古であれば一山いくら、で販売されている所に行けばもの凄く安価に手配できます。

手配さえできればいいもんなんですかね?それは、自作でPCが組み立てられたらサーバーメーカーになれる、っていうのと同じでは?と思ってしまうのです。

※業務用で販売されているサーバーよりも高性能かつ安定し、保守もし易いものを自分達で開発しちゃう人がいらっしゃったりするのは存知上げてますが。販売量を確保して、安定的に供給して、事業として成り立たせる、というものとは違う、と思うのです。

自動車製造に参入を行う、というのは、何に比べてなのかわかりませんが、簡単と言い切れるものでは無い、と思うのです。何より、内燃機関の開発=自動車製造の肝、だと言い切ってしまわれているようで、ともすれば、それは、エンジン開発以外に従事している他の自動車技術者達に非常に失礼に思えたりするのです。自分は技術者ではありませんが。

そういった類の記事をいっぱい目にしていると、なんだか、刺激的なキーワードさえ書いていればみんなをその気にさせてしまう、流行りのゴシップ記事と何も変わらないような気がしてくるのです。

もちろん、化石燃料に頼る内燃機関からのシフト、販売台数の変化に伴う、業界自身のパラダイムシフトはあるでしょう。

自動車メーカー自身、比較的、他の業界に比べて、圧倒的に合従連衡が緩やかだったことも事実でしょう。

その理由として、特に日本の自動車業界は国からの許認可事業、という御旗があったがために、他の業界に比べて甘えられる環境があったのでは?と言われたら、自動車業界自身、自分達に危機感が薄いのでは無いか?と指摘されたとしたら、個人的にもそう感じる部分は多々ありますが。

そういう意味では、今泉さんが書いてらっしゃった

クリステンセンの言った下位市場から上がってくる破壊的なイノベーションにも目を向け、場合によってはシスコのようにMerger & Developmentを行うなどして、自らの領域を侵食されないように注意することが必要だと思います。

が私達としては一番的を得ているように思います。

さぁ、勝負です!

※当たり前だけど、本エントリーは自分の属する業界および自社を代表する意見でも全くなく、あくまで、妹尾一個人の意見です。

t-senoo

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プロフィール

妹尾 高史

妹尾 高史

某輸送用機器製造メーカー勤務。国内四輪販売会社向けのITによる業務支援企画部門所属。
ミニ鍵盤奏者、という新しいミュージシャンカテゴリーを開拓中。

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