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ブログ情報を追いかけたり、天文、海水熱帯魚を愛す編集者の備忘録

私がPCComputing(現在はPCJapanへ誌名変更)の編集部員だった頃(1996~2000)、同誌のウリがユーザビリティーテストや拷問テストといった、本家直輸入だったからか? 当時はかなり違和感だったことを覚えています。いや、それこそが雑誌のカラーだったわけですが……。

しかし、このユーザビリティーテスト、今考えてもとても興味深い体験でした。今のアクセスログ好きは、この時に開花したものだと思っています。

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ユーザビリティーラボと呼ぶ施設には、マジックミラー越しにテスターの動きを監視するよう、天井にはカメラも付けられてました(左写真:提供は、このために探してくれたminamiさん)。編集部員は定型化されたシート上のタスクを淡々と読み上げ、テスターに実行してもらいその行動を数値化して記録するのです。このテストシート、Excelマクロのものでしたがかなり作り込まれてました(すみませんAccessでした:ありがとう、なしかるさん)。今は手元にないことが悔やまれます。

ユーザビリティーテストの中身はといえば、時にはパソコン教室のようになって夜中になっても終わらなかったり、かなり泣きそうになることがありました。えぇ……、人選を誤った自分の責任ですが(汗 私は、検索サイトやソフトのユーザビリティーテストを数回担当したと記憶しています。

時は経ち、Webサイトを私的に作ることになって当時の記憶が湧き上がってきました。ユーザーの行動パターンを想像することこそ、親切な? サイトの在り方だ! などと思い込み、妄想とさえ思えるアバターを登場させてあーでもない、こーでもないと作り込むのです。そう、当時のようにテスターを呼ぶほどの予算も手間暇もないわけですが、目の前にはアクセスログというとても信じられるヤツがいます。「ログはすべてを知っている」、などと技術系MLで誰かが書いている文句の通り、ユーザー行動パターンはすべて記録されています(クローラーやアタックも居ますが)。

アフォーダンスやインタラクションなどIT業界にもさまざまなアプリケーションユーザビリティに関する定説はあるものの、その多くはリニューアルの時やテスターを呼んで始めて「ハッ」と気づくという側面があります。

一方、ログ解析さえ状態が良ければ、テスターを呼ばずに日々SEO、SEM効果を考えてちまちまとインタフェースをいじることができるわけです。

と……、日ごろ実施している解析パターン考については後日。いや、本当はこの書き込み自体が、記事編集に疲れて書き始めたからってだけです……(汗

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コメント
なしかる 2005/06/14 08:23

そういえば、ユーザビリティテストもうやってませんねぇ>PCJapan
自宅には、件のテストのスクリプトやら、独自に日本語化したロガーなどテストの残骸が残ってます(笑)
Nokia、Yahoo!Japan、ジャストシステム、ソニーさんなどがユーザビリティラボを使いに来てましたねー。
貴重な財産だったラボは、もうすでにないらしいです。
ちなみにシートはExcelマクロではなく、Accessのデータベースです。

minami 2005/06/14 08:45

ユーザビリティテストは私もやっていましたが、いい経験になりましたね。当時、日本国内に本格的なユーザビリティテストラボはここを含めて3カ所しかなかったと記憶しています。「ユーザビリティ」という言葉を普及させたのもPCCでしたね。初めの頃はユーザビリティの意味をいちいち説明しながら話をしていました。
テストはほんとうに大変でした。特にデジカメのユーザビリティテスト+画像比較+拷問テストは大変だったなー。


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木田 佳克

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ITmediaエンタープライズ編集部員。1996年、PCComputing誌の創刊に参画。Linuxを好む

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