Speed Feed:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) Speed Feed

モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

« 2010年7月17日

2010年7月24日の投稿

2010年7月25日 »
Googleは自動車業界との本格的なパイプ作りに動いている。
最初の交際相手は、僕の予測ではトヨタかVW、あるいはメルセデスかBMWだが、本命はトヨタだと考えている。


Googleは、PC、モバイル、テレビ、自動車の4つの市場への侵攻を目論んでいる。これはAndroidの開発責任者であるアンディ・ルービンが公式に話していることだから事実だ。Googleは社内の計画や目的を不用意に口にしていい企業ではないから、これは社内で公然と認知された戦略目標であると言っていい。(詳しくは拙書『アップルVS.グーグル』をご一読ください)

PCとモバイルについては既にAndroidによるさまざまなサービス開発に取り組んでいるし、Google TVを発表したばかりだ。だが、4つめの市場である自動車業界への取組みに関しては、まだ大きな発表がない。ただ、最近Google Mapsを基本データシステムとして採用したカーナビが登場したように、地図・位置情報を介して自動車業界に入り込むことは疑いない(拙書『アップルとグーグル』(2008年刊。インプレスR&D)P179参照)。
 
自動車はいまやCPUの固まりだ。動くコンピューターといっていい。
コンピューターならクラウド化する。それがGoogleの描く未来であり戦略だ。
提携していく相手は、トヨタ、VW(フォルクスワーゲン)、メルセデス、BMWといった順番になるだろうが、実のところ日産と組もうがホンダと組もうが、Googleはいずれすべての自動車メーカーのクラウド化にとりかかる。
 
実は、僕は2008年に、『アップルとグーグル』のP156にて、トヨタとGoogleが組む可能性について触れている。
Googleと組むということは、メーカーにとってはややリスキーだ。コンピューター以外のハードウェアは、家電であっても自動車であっても、魂(ソウル)と肉体(ボディ)が同一化されており不可分だったが、いまやすべてのハードウェアはコンピューター化が進んでおり、魂と肉体の分化が進み始めている。つまり、Googleと組むということは魂をGoogleに委ねるということだ。

Appleはこれをしない。自分で魂と肉体をコントロールすることを望む。
HP(ヒューレッド・パッカード)も少なくともモバイルやタブレットにおいては(パームを買収することで)魂を他者に委ねることを拒んだ。ソニーがGoogle TVを自社のプラットフォームとして採用してしまった行為とは反対に。
実のところ、僕はソニーの未来を案じている。
ソニーを始めとする日本の家電メーカーは、正直既に世界のトップメーカーというには脆弱な存在に成り下がってしまっており、日本の全家電メーカーの営業利益を足してもサムスン一社に遥かに劣るようになってしまった。だから、日本の家電メーカーがGoogleと組んだとしても、サムスンが同じくGoogleと組んでしまえば、現時点では勝ち目がない。つまりテレビの市場では日本の将来は暗い。
 
ところがクルマであれば話は別になる。
自動車業界はいま、ガソリンやディーゼル燃料のエンジン(内燃機関)から電気モーターによる電気自動車(EV=Electric Vehcle)もしくは燃料電池自動車(FCV=Fuel Cell Vehcle)などの非内燃機関をベースとした自動車へと大きくシフトしつつある。しかし一気に変革は進まない。エンジンからモーターへの完全なシフトには、少なくとも10-20年を要するだろう。トヨタはその過渡期に、ハイブリッドカー(HV)で君臨している。つまり次世代自動車業界でも王者であり続けるチャンスがある。だからこそ、Googleと早く組めば、それだけ他の自動車メーカーとの競争に優位に立てる。
 
要するに、Googleは今年中に自動車業界との合従連衡に踏み出す、と僕は言っている。
これは間違いのない予測になるだろう。
 
 
 
 
 
hiro

どうやらIVSの席上で Grouponクローン系サービスを紹介する際に誰かがファストマーケティングという言葉を使って説明したことに発しているようだが、僕たちオガワカズヒロとしては非常に困惑&憤慨している。
ファストマーケティングはフラッシュマーケティングとは違う。一緒にされては非常に心外だ。

僕たちがファストマーケティングというコンセプトを発表したのは2009年7月。
拙書『ソーシャルメディアマーケティング』のP77では、以下のように説明している。
 ソーシャルメディアマーケティングの戦略と戦術を構築するうえでも有効な Fast Marketing(ファストマーケティン グ)という概念をここで提唱しておこう。  Fast(ファスト)という言葉は、“速い”という意味でさ まざまな使われ方をしている(リーズナブルという意味も含みつつ)。たとえば、ハンバーガー、ホットドッグ、サンド ウィッチなどを素早くリーズナブルに提供する Fast Food(ファストフード)。最近では同じようなニュアンスで、H & M、Forever 21、Zara のようなファッション販売形態を Fast Fashion(ファストファッション)などと呼ぶ。  それに対し、このファストマーケティングという概念は「いまを敏速に捉え、それを敏速に体現するマーケティング」を 示す。ここには価格的な安さ、つまりリーズナブルの意は含まない。
 ファストマーケティングの実践においては、  
1)情報の鮮度 2)計画・実行・評価・改善のサイクルスピード 3)判断・意思決定のスピード
   が重要となる。
また、Twitterでも以下のように、キャッチコピー的に表現している。

僕たちは最近ファストマーケティング構想を打ち出しています。大事な事は3つのS。企業の事業伸張のためというシンプルな(Simple)目標のために、誰よりも早くキャッチーな(Speed)ソリューションを考案し、基盤となるテクノロジーと仕組み(System)を提供するというものです。
 
http://r.sm3.jp/iOshttp://r.sm3.jp/iOr

僕たちとしては、海外のビジネスモデルをそのままクローン化することにも違和感があるし、その手法だけをとって、マーケティングである、と言い換えてほしくない。ファストマーケティングという考え方には、ネットによる販促・プロモーションのように狭い範囲での手法ではなく、マーケティング全体をデジタル化していくための、マスや直接的なセールス、そして商品開発にいたるまでの、企業活動の全体を把握して”ファスト化”していくという大胆な試みが裏にある。

1年以上まえからこのコンセプトに取組み、メソッド化を試みている僕たちの努力を無にしかねない、意味のすり替えは勘弁してもらいたい。
hiro

« 2010年7月17日

2010年7月24日の投稿

2010年7月25日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

小川 浩

小川 浩

株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。ソーシャルプランナーユニット「オガワカズヒロ」のクリエイティブディレクター。著書に「Web2.0Book」「仕事で使える!Facebook超入門」「ソーシャルメディアマーケティング」「アップルvsグーグル」など。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のコメント
最近のトラックバック
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
speedfeed
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ