Speed Feed:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) Speed Feed

モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

« 2007年9月20日

2007年9月22日の投稿

2007年9月26日 »

Speed Feed via modiphi

作成者 : speedfeed | 2007/09/22 18:23
カテゴリー:ビジネス,モバイル

Apple storeからiPod touchの出荷が始まったというメールを受け取った。刻印サービスを申し込んだ場合には多少の遅れがあるようだが、今月中に届く見通しがでてきた。待ち遠しい!

さて、iPod touchは周知の通りiPhoneに非常に似たUIを持ち、電話機能(メールソフトもないけど)のないiPhoneと言っていい商品だが、無線LANの利用でWebの閲覧ができるという機能についてはほぼ同じだ。

ポータブルなガジェットでインターネットが使える。それをPDAと呼ぶべきか、携帯ネット端末、と呼ぶべきなのかは分からないが、iPod touchは日本でも爆発的な売上を達成すると思われ、それはケータイ以外で外出先で手軽にネットに接続できる初めての普及型商品になるだろう。
1Kgを切るパソコンはあるが、ケータイ世代の若者にとってはパソコンは既に”クール”ではない。電源を入れてから実際に使えるまでに十数秒かかるような機器を使うことは面倒くさいのだ。
(AppleはだからこそMacの電源を落とさない、Sleep状態を「安心して」保持できるような設計を数年前からしているし、そういう使い方を推奨し続けている)

前にも書いたが、面倒くささは人類最大の敵(?)だ。面倒くさいことをしたがるひとは少ないし、特に若い世代にとっては面倒くさいことはカッコわるいことなのだ。

iPodは残念ながら無線LAN経由でのネット接続だから、僕たちのようにIT業界の人間であれば問題はないが、多くのひとにとっては自宅やオフィスで無 線LANにつなげられるとは限らないし、HOTSPOTのような公共の場所での無線LANの利用を考えることができるリテラシーの高さを期待することはや や厳しい。

つまり、iPod touchを使ってWebを閲覧するということは、一般のひとにはまだハードルが高いわけだ。
しかし、iPod touchの登場は、実はiPhoneという黒船の襲来の序章である。

iPod touchはケータイ以外では初めてネットオタク(?)ではない一般のユーザーが手にする本格的なポータブルネットプレイヤーだ。無線LAN環境下、とい う条件付きながら外出先でもネットにつなぐことができて、電源を入れればすぐに使えて、しかも軽い。使っていること自体がカッコいい、という商品だ。
しかし、ケータイと違うのは、iPod touchがみているインターネットは、ケータイのそれとは違う。iPod touchはモバイルインターネットのガジェットではあるが、そこで展開されるWebは開かれたWeb、僕たちがWeb2.0と呼んでいる世界そのもの を、あの小さな窓で覗くことになる。ケータイでもフルブラウザを使えばみられるが、通常はドコモやauなどのキャリアを通してみる、閉ざされた世界であ り、日本のケータイという特殊な環境での擬似的なWebだ。

僕はこれをガラパゴス現象と言っている。
ガラパゴス諸島は隔絶された世界だから、特殊な生態系がそのまま残っている。日本はさまざまな形で文化的な特殊な生態系をいくつも残しているが、ケータイビジネスはその最たる例の一つだ。

iPod touchではまだまだ役不足ではあるが、iPhoneが入ってくれば話は別だ。(いつでもどこでもすぐにPC Webに接続できる)iPhoneが日本に入ってくれば、日本のケータイユーザーのうち、無視できない数の若者がiPhoneユーザーになるだろう。彼ら がみるWebは、ケータイの閉ざされたWebではない、PC Webになる。パソコンでみるのと同じ世界がそこにある。PCユーザーとケータイユーザーがみている世界が同じになるのである。
iPhoneの到来とは別に、1円ケータイの販売モデルも崩れつつあり、端末を安く売って通信料で稼ぐというやり方が破綻すれば、どうせ高い金を出して買うなら、クールなiPhoneを買う、というひとは増えるに違いない。
(このエントリの趣旨とは違うが、Mac OS Xのユーザーが一気に増えることになり、Microsoftは相当気分の悪いことになるだろう)

こうなると、日本国内の、キャリアの事情でできてしまった特殊な環境(ガラパゴス諸島のような隔絶された世界)は必ず崩れる。ケータイとPCのWebが違 う、生態系も違う、というのは(多少の違いはもちろん許容せざるを得ないとしても)絶対に不自然だ。こういう不自然さを許容しているから、日本の産業はグ ローバル展開できない。iPhoneと、その模倣者達が、少なくともケータイにおけるガラパゴス現象を解消してくれると僕は考えている。


ちなみに、どのキャリアがiPhoneを取り扱うか、ということがみんなの最大の関心事だと思うのだが、下馬評だと最近はドコモじゃないか、と言うひとが周りに多くなっている。
でも、僕はいろいろな障害がありつつも(音楽ダウンロードサービスの競合とか・・・)auだと予想している。
その根拠は薄弱ながら、Googleの存在だ。auはネットサービスのプラットフォームとしてGoogleを全面的に採用しつつある。Appleもまた同 様だ。Googleは無料ケータイを配布する計画を持っているかもしれないが、AppleとGoogleの協業は現在みえているよりも遥かに深いところで つながっていると僕は思っている。かつてのウィンテル以上だと思うし、Amazon-Googleのグーグルゾンよりもグーグルップル、のほうが実現性が 高い、と僕は考えている。
  generated by feedpath Rabbit
hiro

ユーザーのみなさま、日頃modiphiのサービスをご利用いただき、ありがとうございます。

以下の日程にて、サービスを一時停止させていただきます。ご不便をおかけ致しますが、よろしくご了承ください。



■ メンテナンスのためのサービス停止

停止日時 : 2007年9月25日 (火)14:00 - 17:00

停止機能 : すべての機能がお使いになれません(ログインもできません)
  generated by feedpath Rabbit
hiro

« 2007年9月20日

2007年9月22日の投稿

2007年9月26日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

小川 浩

小川 浩

株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。ソーシャルプランナーユニット「オガワカズヒロ」のクリエイティブディレクター。著書に「Web2.0Book」「仕事で使える!Facebook超入門」「ソーシャルメディアマーケティング」「アップルvsグーグル」など。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のコメント
最近のトラックバック
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
speedfeed
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ