モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

iPod touch(そしてiPhone)が変えるモバイルインターネット

»

Speed Feed via modiphi

作成者 : speedfeed | 2007/09/22 18:23
カテゴリー:ビジネス,モバイル

Apple storeからiPod touchの出荷が始まったというメールを受け取った。刻印サービスを申し込んだ場合には多少の遅れがあるようだが、今月中に届く見通しがでてきた。待ち遠しい!

さて、iPod touchは周知の通りiPhoneに非常に似たUIを持ち、電話機能(メールソフトもないけど)のないiPhoneと言っていい商品だが、無線LANの利用でWebの閲覧ができるという機能についてはほぼ同じだ。

ポータブルなガジェットでインターネットが使える。それをPDAと呼ぶべきか、携帯ネット端末、と呼ぶべきなのかは分からないが、iPod touchは日本でも爆発的な売上を達成すると思われ、それはケータイ以外で外出先で手軽にネットに接続できる初めての普及型商品になるだろう。
1Kgを切るパソコンはあるが、ケータイ世代の若者にとってはパソコンは既に”クール”ではない。電源を入れてから実際に使えるまでに十数秒かかるような機器を使うことは面倒くさいのだ。
(AppleはだからこそMacの電源を落とさない、Sleep状態を「安心して」保持できるような設計を数年前からしているし、そういう使い方を推奨し続けている)

前にも書いたが、面倒くささは人類最大の敵(?)だ。面倒くさいことをしたがるひとは少ないし、特に若い世代にとっては面倒くさいことはカッコわるいことなのだ。

iPodは残念ながら無線LAN経由でのネット接続だから、僕たちのようにIT業界の人間であれば問題はないが、多くのひとにとっては自宅やオフィスで無 線LANにつなげられるとは限らないし、HOTSPOTのような公共の場所での無線LANの利用を考えることができるリテラシーの高さを期待することはや や厳しい。

つまり、iPod touchを使ってWebを閲覧するということは、一般のひとにはまだハードルが高いわけだ。
しかし、iPod touchの登場は、実はiPhoneという黒船の襲来の序章である。

iPod touchはケータイ以外では初めてネットオタク(?)ではない一般のユーザーが手にする本格的なポータブルネットプレイヤーだ。無線LAN環境下、とい う条件付きながら外出先でもネットにつなぐことができて、電源を入れればすぐに使えて、しかも軽い。使っていること自体がカッコいい、という商品だ。
しかし、ケータイと違うのは、iPod touchがみているインターネットは、ケータイのそれとは違う。iPod touchはモバイルインターネットのガジェットではあるが、そこで展開されるWebは開かれたWeb、僕たちがWeb2.0と呼んでいる世界そのもの を、あの小さな窓で覗くことになる。ケータイでもフルブラウザを使えばみられるが、通常はドコモやauなどのキャリアを通してみる、閉ざされた世界であ り、日本のケータイという特殊な環境での擬似的なWebだ。

僕はこれをガラパゴス現象と言っている。
ガラパゴス諸島は隔絶された世界だから、特殊な生態系がそのまま残っている。日本はさまざまな形で文化的な特殊な生態系をいくつも残しているが、ケータイビジネスはその最たる例の一つだ。

iPod touchではまだまだ役不足ではあるが、iPhoneが入ってくれば話は別だ。(いつでもどこでもすぐにPC Webに接続できる)iPhoneが日本に入ってくれば、日本のケータイユーザーのうち、無視できない数の若者がiPhoneユーザーになるだろう。彼ら がみるWebは、ケータイの閉ざされたWebではない、PC Webになる。パソコンでみるのと同じ世界がそこにある。PCユーザーとケータイユーザーがみている世界が同じになるのである。
iPhoneの到来とは別に、1円ケータイの販売モデルも崩れつつあり、端末を安く売って通信料で稼ぐというやり方が破綻すれば、どうせ高い金を出して買うなら、クールなiPhoneを買う、というひとは増えるに違いない。
(このエントリの趣旨とは違うが、Mac OS Xのユーザーが一気に増えることになり、Microsoftは相当気分の悪いことになるだろう)

こうなると、日本国内の、キャリアの事情でできてしまった特殊な環境(ガラパゴス諸島のような隔絶された世界)は必ず崩れる。ケータイとPCのWebが違 う、生態系も違う、というのは(多少の違いはもちろん許容せざるを得ないとしても)絶対に不自然だ。こういう不自然さを許容しているから、日本の産業はグ ローバル展開できない。iPhoneと、その模倣者達が、少なくともケータイにおけるガラパゴス現象を解消してくれると僕は考えている。


ちなみに、どのキャリアがiPhoneを取り扱うか、ということがみんなの最大の関心事だと思うのだが、下馬評だと最近はドコモじゃないか、と言うひとが周りに多くなっている。
でも、僕はいろいろな障害がありつつも(音楽ダウンロードサービスの競合とか・・・)auだと予想している。
その根拠は薄弱ながら、Googleの存在だ。auはネットサービスのプラットフォームとしてGoogleを全面的に採用しつつある。Appleもまた同 様だ。Googleは無料ケータイを配布する計画を持っているかもしれないが、AppleとGoogleの協業は現在みえているよりも遥かに深いところで つながっていると僕は思っている。かつてのウィンテル以上だと思うし、Amazon-Googleのグーグルゾンよりもグーグルップル、のほうが実現性が 高い、と僕は考えている。
  generated by feedpath Rabbit
Comment(8)

コメント

ボウズマン

SoftbankやWILLCOMは、最近こぞってWindows Mobile 6を搭載した端末を発売している(もしくは発売予定)ので、やはり、DOCOMOかauでしょうね。
Windowsユーザーは、SoftbankのX01TやX02HT、WILLCOMのAdvanced W-ZERO3あたりが気になるところでしょう。私は、間違いなくiPhoneに行くつもりです。ただ、古い世代なのでモバイルノートPCも手放せませんが。

音楽を聴くことも動画を視る事も、機能的には日本のケータイで既に出来ていることばかりで、ビックリすることではない、と一歩引いて見ています。但し、AppleらしいUIを除いては!
カッコいいことや、面倒くさくないことが大事なんですね。
 
ケータイの閉ざされたWeb、PC Webという表現はわかりやすく、参考にさせていただきます。

ガラパゴス現象という表現が非常に的をえたものですね。
以前から同じコンテンツでもPC WEBでは無料でも携帯電話からだと有料というものがあることに以前から疑問をもっていました。

それとiPod touchの発売でWiFiのアクセスポイントの需要が広がるのではないかと思っています。
FONのAPが増えてくれることを個人的に期待しています。

テコ

私はドコモだと思います。
通信方式的にはauが一番遠いような気もしますが、、

kaz

キャリアがどこって言うよりも、
iTunesでアクティベイトする時に、各キャリアのプランがズラッと
並ぶ形になるのではないでしょうか、
単純に魅力的なプランを揃えられたキャリアが勝ちっていうガチ勝負に
なると思います。

reima

kazさんのキャリアのプランがずらり、ってのがいいですね。

touch届いて、家でいろいろ触り、
その後町歩きを少ししてきました。
家から一番近いターミナルですが、
実験的に私鉄駅がフリースポットを提供しているのと、ファストフード店で有料のものを提供していることは知っていましたが、他にもレンタルショップのセルブックコーナー(座って本が読める)もwifi環境がありました。
ジョブズは、iPhoneでは、アメリカでは高い携帯電話網よりwifiを優先するようにしているようですし、イギリスの携帯会社はwifiスポットを設置するようですね。まさしくオープンなwifiが見えてきませんか?携帯電話会社も変わらざるを得ないと思います。。が、日本はどうでしょうね。

Plus以来のMacユーザーですが

iPhoneが日本でビジネスとして成立するためには、今のアップル・ジャパンという代理店を廃止し、日本の顧客向けに真っ当なサポート業務を提供できるサービス企業としてのAppleを実現しない限り無理でしょう。

iPod touchが日本語版Windowsでこけるという今回のような適当な商売をしいているうちは、真剣には誰も相手しないと思いますよ。

takoratta

オンスクリーンキーボードがどこまで普及するかが課題かと思います。iPhoneユーザーですが、慣れればあまり気にならなくはなるものの、それでもスマートフォンのそれにかなわないのはもちろんのこと、普通の携帯のキー入力にもやっぱり劣ります。

果たして、すごい勢いで、人によっては片手でメールを作成できるような若い連中に、このiPhone/iPod touchのキー入力が受け入れられるかが1つのチャレンジかと思います。

コメントを投稿する