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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

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各所で「企業のSNS活用云々」というのが叫ばれつつ、担当者の異動や離職で更新が止まったり終了してしまったりする例というのが話題になる事が以前からありました。改めてそれを日経さんの記事で思い出したりもしたんですが、これって「企業のSNS活用云々」を推進する関係各位がどう受け止めているのかというのが気になるところ。こう書くと物凄く他人事に聞こえるわけですが、一応今でもマーケティング系の仕込みに何らかの形で関わるケースがゼロではない私の場合、半分くらいは自分の事ととして捉えるところがあります。残りの半分は・・・すいません。やっぱり他人事ではありますが。

 

何かしら戦略的な流れの中での媒体選択という戦術、という発想がそもそも根付かないという現実

マーケティング系の話をするときに、どうしても大きな流れとしての戦略を作るところを履き違えているケースと言うのに遭遇する率が非常に高いなというのが私のつたない経験。逆に言うと戦略的な話から全部まとめて戦術に落とし込み、実行に移して評価をしてという流れを全部やると(規模次第ですが)非常にタフだし、それが上手く行かないとか言われると立場が危うくなるので大きな事を言えなくなることが多々あります。そもそもそんな立場じゃないだろといわれるとそれまでなんですが、じゃぁそういう立場の組織なり人なりが居るのか?というとそれは別の話、と言うのも良く聞く話。

その意味で、単純にプロダクトマーケティングの立場としてどうよとか、広告やキャンペーンを云々、Webサイトを云々、SNSを云々と細分化したほうがわかりやすいし、上の人を説得するのも比較的楽だったりします。たとえばB2CはともかくB2Bのマーケティングについて教えることができる国内の大学などの教育機関はほとんど稀ですし、企業体制や人事システムの構造上それら全体を全て経験できるケースというのは非常に稀だということもありますし、そもそも職能として広義のマーケティングが企業の中での専門職として認められること自体が稀であるという事情もあるんですが、それでも目線として全体を俯瞰する考え方は絶対に必要ですし、それがあれば誰かが聞きかじってきても極端な話「ウチにはSNSなんて活用する必要は無いです」とかキッパリ言えたりするわけです。

因みにそう言い切っても、それ以降社内的組織的に言い切った人の身柄や立場が大丈夫なのかといった難しい問題はあると思いますが、たとえばTwitterやFacebookの企業アカウントと呼ばれる場を引っ張った方々の中には「そんな事言わずにまずやらないと駄目なんです!」という流れで始めたケースと思しきアカウントが存在し、それらの活動が何かの切っ掛けで止まってしまう残念なケースがやっぱりあります。

 

SNS上の「企業の顔」は誰のモノなのか論

公認 / 黙認を含め何かしら企業の看板を背負う限りそこに一定の責任が発生するわけで、それにどこまでガバナンスを効かせる必要があるのか、実際にどうするのかという点についてはいまだに解は無いと個人的には思っています。もちろん必要なレビューを経たプレスリリース的な部分であれば全然問題ないわけですが、それではユーザー(フォロワーあるいは購読者)は付いてこないよと言ったとき、じゃぁそれ以上の行動について誰が責任を担保するのかというところは、企業の看板を背負った個人の活動としてのネット上の活動とは一線を引くべきでしょうねというのが私の持論です。

それらを踏まえつつ「やるべきなんです」と売り込む側、「やるべきなんだよ」と部下に指示するマネジメント、「やらないとだめですよ」と走り出す現場のそれぞれがそれぞれの立場できちんと合意でき、ゴールを設定し、評価し、かつ継続性についても最初から一定の考え方を共有できていないと駄目なのはページビューが上がらないWebサイトの状況を抱えているのであればなおさらです。

 

広義のマーケティング、と言うものを受け入れられる組織かどうかが分かれ目、という考え方

要は目的と得るべき結果をキチンと定義し、一定の期間ごとにキチンと見直す体制が無いと企業としての継続性を維持できないし、止めるなら止めるとして説明できる状況に置けないし、それが出来ないまま放置されている(ように見受けられる)サイトやアカウントの惨状を見ることもないわけです。

そこで幾ら儲かるのかとか言う話になると非常に難しい話ではあるのですが、それを言い出すと広報活動と広告宣伝活動の違いって何だと思います?的なところに入り込んでしまい、実はそこがグレーなケースが事実存在していたりするのでいろんな方の琴線に触れて面倒くさい事になることもあります。でも、本当はマネジメントも含めて全体像をキチンと共有できた上で必要な媒体を選んで利用してゆかないといけないんですが、気が付くと人事異動で数年でみんな入れ替わってしまい、誰かが頑張って作った戦略的な考え方自体も継承がされないまま色んなモノが置き去りになってしまうケースと言うのは・・・ これは他人事ではなく私自身の色んな形の経験の中で目にしてきましたし、その中に自分が身を置いていたこともあります。どの時代の何がそれなのかと言うことを詳しく言うと御幣がありますが。

 

別に決意表明でも何でもないですが

じゃぁそれらを踏まえて自分が今どうしているのかというトコロを突っ込まれると、それこそ人事異動やら何やらの流れの中で立ち位置が変わってしまったりして如何ともし難い部分があったりするので非常に心苦しいのですが、そんな考え方を色んなケースに当て嵌めてアドバイスしたりする場がゼロかというとそうでもない。じゃぁいっそそこで独り立ちしてそういう話を引っ張る立場に行けるかと言うと、これはこれで難しいお年ごろではあるのですが、人生長いお陰で規模や業種を跨いでこれでもマーケティングと名のつく役割は(本質的にマーケティングとは違うIR以外は)一通り全部やってきたってのがもう少し誰かのお役に立てないかと思う今日この頃です。

じゃぁそれをブログに書けよって?

そうですね。実は諸般の事情により以前に較べて最近はエントリーも少なくなってるのですが、もう少し書く頻度を上げようかとは思っています。でも、本当のところそれらの話を全部ブログに書けるかと言うと前後の説明が必要だったりしてやっぱりそれは難しい話。ただ、諸々思うところはあるので、そういうお話をする場っていうのを設けようかどうか思案していたりします。もし御要望があれば是非ともご連絡いただければ。

でも、誰もそんなの必要としていないって?

(笑)いや、そうかもしれませんね。

bibendum_iwa

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プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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